【相続】故人の財産や借金、遺言の有無を調べる手段【弁護士Q&A】

相続の手続きを進めることになったとき、まずは、「亡くなった人にどのような財産があるのか」、「遺言を残していないか」といったことを調べる必要があります。

  • 財産の内容はどうやって調べるの?
  • 借金があるかどうか調べるには?
  • 遺言書の探し方は?

これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. どんな財産があるかを調べるには?
  2. 借金などマイナスの財産はどうやって調べる?
  3. 遺言書はどうやって探す?
  4. この記事のまとめ

どんな財産があるかを調べるには?

相続の手続きをすることになったら、まずは亡くなった人の財産を調べて、相続の対象となる財産を確定させる必要があります。 どのようにして調べればよいのでしょうか。

相続財産の調査

相談者の疑問 相続財産が不明のため、預金は銀行で数件調査しました。生命保険とかその他の物を調査するにはどのような方法がありますか?他の相続人に聞いても隠していて教えようとしません。相続全財産が知りたいのです。

嫁に行ったからといっても、私も相続人の1人なのです。仮に生命保険でも受取人により相続財産に加算される場合もある、と聞きます。

香典、入院給付金、年金、その他正確に相続財産を知り納得できる分割をしてもらいたいのです。調査の方法を教えて下さい。お願いします。

好川 久治の写真 弁護士の回答好川 久治弁護士 不動産の有無は県税事務所で名寄せすると同県内の亡くなった人名義の不動産が分かります。

銀行は、生前取引のあった銀行、住居近くの都銀、勤務先近くの都銀、勤務先と親密な取引銀行、地銀、信金、ゆうちょ銀行などについて、手当たり次第、名寄せ調査をしてもらうしかありません。証券会社もそうです。

銀行関係の取引履歴が取れれば、記帳の内容から、取引のあった保険会社や証券会社、勤務先などの情報が得られることがあります。また、生前の勤務先が分かれば、会社の厚生年金基金や企業年金の有無が分かる可能性もあります。

なお、生命保険金は受取人が原始取得しますので、遺産には属さないことがほとんどです。おっしゃっているのは、受取人が法定相続人である場合の税務上のみなし相続財産のことだと思いますが、遺産分割の対象となる遺産には含まれません。

不動産や預貯金、証券などの財産は、県税事務所や金融機関、証券会社、勤務先などを調査することで明らかになる可能性があるようです。

借金などマイナスの財産はどうやって調べる?

亡くなった人が借金をしていた場合、その借金も「マイナスの財産」として相続の対象になります。 マイナスの財産があるかどうかは、どのように調べればよいのでしょうか。

相続の内容確認の方法について

相談者の疑問 亡くなった父の債務状況から相続放棄をしようと思っていますが、その父がどの様な相続をしてきたのかがわかりません。それを把握する方法はあるのでしょうか?

また、父がしてきた相続について、時間の経過と共に時効のようなもので消える相続はあるのでしょうか?

鈴木 克巳の写真 弁護士の回答鈴木 克巳弁護士 ◆ お父様の「相続」とお書きになっておられますが、これは、お父様の「債務負担状況」ということですか。また、「遺産がどこにどれだけあるのか」ということですか。

◆ まず、「債務負担状況」ですが、お父様宛の郵便物の調査のほかは、相続人であれば、信用情報機関に問い合わせることによって、お父様がどこからいくら借りていたかなどの開示を求めることができます。

しかし、これは、「相続人」として行う行為なので、相続放棄とは矛盾します。相続放棄をされるのであれば、上記のようなことはするべきではありません。放棄することができなくなってしまいます。

◆ 次に、遺産がどこにどれほどあるかですが、これは、お父様宛の郵便物の調査のほかは、不動産であれば、相続人であることを証明すれば、県税事務所で名寄せ帳というものを閲覧して謄写するということが可能です。

これをしたからといって、イコール相続放棄ができなくなるというものではありません。ただ、相続放棄をすることが決まっているなら、敢えて、する必要もないでしょう。

◆ 消滅時効による債務の消滅ということは、相続の場合も当然あります。お父様が亡くなる前は、まだ時効が完成していなかったけれども、その後時効が完成すれば、その時点で時効の援用をすれば、債務は消滅することになります。ただ、相続放棄をすれば、消滅時効を待たなくても、お父様が負担していた債務の負担から免れます。

借金などマイナスの財産については、亡くなった人宛に届いている郵便物を調べたり、信用情報機関に問い合わせたりすることで、借入先や金額がわかるようです。

遺言書はどうやって探す?

相続の手続きを進めるにあたって、亡くなった人が遺言を残していたかどうかは重要なポイントです。どのようにして遺言書を探せばよいのでしょうか。

公正役場に遺言書があるかさがしたい。

相談者の疑問 亡くなった母から聞いた話によると、離婚した父親が遺言書を残しておくようなことを言っていたそうです。父親とは会ってません。

公正役場に出向けば有無など教えていただけるのでしょうか。内縁の妻がいるようなのでここ数年会ってません。秘密遺言書も含め、遺言書はどのように探したらよいでしょうか?

國安 耕太の写真 弁護士の回答國安 耕太弁護士 公正証書遺言に関しては、被相続人(本件ではお父様)が亡くなった後であれば、遺言書の有無を公証役場で検索してもらえます。

参照:http://www.koshonin.gr.jp/yu.html

自筆証書遺言等の場合は、>遺言書の保管してありそうなところを探してみるよりほかにないです。

遺言書にはいくつかの形式があり、主に使われているのは公正証書遺言と自筆証書遺言です。 公正証書遺言は、公証役場で有無を調べてもらえるようです。 自筆証書遺言は、公証役場では保管されていないため、心当たりがある場所を家族で探してみるしかないようです。

この記事のまとめ

相続の手続きを進めるにあたって、まずは借金などマイナスの財産も含めた全ての財産の内容と、遺言の有無を調べましょう。 財産の調査が不十分だったり、遺言が後から見つかったりした場合、遺産分割の話合いを最初からやり直さなければならなくなる可能性があります。 もれのないように、慎重に調査することがポイントです。

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