遺産分割調停

弁護士監修記事 2017年06月29日

遺産の分け方がまとまらなかったら…遺産分割調停・審判の手続きの流れ

遺産の分け方について、相続人同士の話し合いではまとまらない場合、家庭裁判所で、裁判官と調停委員を交えた「調停」という手続きで遺産の分け方の合意を目指すことになります。 調停でも結論が出ない場合は、「審判」という手続きで裁判所に判断してもらうことになります。

  • 遺産分割調停の仕組み
  • 遺産分割調停の手続きの流れ
  • 審判の仕組み
  • 審判の流れ

この記事ではこうした点について詳しく紹介します。当事者同士の話し合いでは遺産の分け方が決まりそうにないという方は、この記事を参考に手続きの利用を検討してください。

目次

  1. 遺産分割調停・審判とは
  2. 遺産分割調停・審判の流れ
    1. 家庭裁判所に調停を申し立てる
    2. 調停期日の手続きの流れ
    3. 遺産分割審判の流れ
    4. 決定から2週間以内であれば「即時抗告」が可能

遺産分割調停・審判とは

被相続人(亡くなった方)が残した遺産を、複数の相続人でどのように分けるか決める際、遺産の分け方を指定した遺言がなければ、まずは相続人同士で分け方を話し合うことになります(遺産分割協議)。 しかし、遺産の取り分をめぐって相続人同士が対立し、話し合いがまとまらないことも少なくありません。 話し合いでは解決できない場合は、家庭裁判所での「遺産分割調停」という手続きを利用することができます。 調停では、裁判官と専門知識がある調停委員を間に入れて、話し合いで合意を目指すことになります。裁判官と調停委員は、対立している相続人の言い分をそれぞれ聞いた上で、客観的で公平な観点から、財産の分け方についてアドバイスをしてくれます。 ただし、調停はあくまで話し合いでの解決をめざす制度なので、調停委員の示す遺産分割案に相続人のうち1人でも反対した場合は、調停は不成立になり、手続きは終了します。 調停が不成立に終わると、手続きは自動的に審判に移ることになります。審判では、遺産をどう分けるかについて、当事者の主張・立証に基づいて、裁判所が判断することになります。 制度上は、必ずしも調停の手続きを利用する必要はないことになっています。つまり、協議がととのわなければ、いきなり審判を申し立てることができます。 ただ、遺産分割は家族・親族との間の紛争なので、話し合いでの解決がなじむと考えられています。 そのため、実務上は、調停を経ずに審判を申し立てても、裁判所の職権で調停にまわされることが多いようです。

遺産分割調停・審判の流れ

では、遺産分割調停と審判の手続きが、それぞれどのように進むのか確認していきましょう。 遺産分割調停

家庭裁判所に調停を申し立てる

遺産分割調停は、管轄の家庭裁判所に「遺産分割調停申立書」を提出します。 申立書は、裁判所でもらうか、裁判所のホームページからダウンロードして入手できます。ひな形や記入例が用意されているので、それらに沿って必要な情報を書き込みます。 申立書の他には、相続人の戸籍謄本や、遺産の内容に応じた書類(不動産がある場合、登記事項証明書など)などが必要です。 必要な書類をそろえたら、「相手方のうちの一人の相続人の住所地を管轄する家庭裁判所」か、「当事者間の合意で決めた家庭裁判所」へ書類を提出します。

調停期日の手続きの流れ

申立てが受理された場合、裁判所から第1回目の調停期日開催日についての通知が来ます。申立人と相手方は、期日に裁判所に出頭し、裁判官と調停員を交えて話し合いをします。 調停では、「調停室」という部屋に、対立する相続人が交互に入って調停委員と話をします。対立する相続人同士が顔を合わせるのは、調停手続きの説明時や調停が成立した時だけで、原則として、そのとき以外で対面する機会はありません。 1回の期日で話し合いの決着がつかない場合は、第2回、第3回の期日が開催され、話し合いを続けていくことになります。 相続人と調停委員が話し合う内容は、具体的には次のようなことです。

  • 相続人が誰なのか
  • それぞれの取り分はどのくらいなのか
  • どんな遺産があるのか、金銭的評価はどのくらいか
  • 特別受益と寄与分を考慮すべきか
  • どのように遺産を分割するのか

こうした内容について、相続人全員が合意すれば、合意の内容にそった調停調書が作成され、手続きは終了します。 この調停証書の内容に基づいて、預金の名義変更や不動産の登記といった、遺産分割の具体的な手続きを進めていきます。 調停証書には判決と同一の効力があるため、相続人の一部が調書の内容に従わないような場合でも、強制的に手続きを進めることができます。 相続人のうち1人でも合意しない人がいる場合は、調停は不成立となり終了します。この場合、手続きは自動的に審判に移ることになります。

遺産分割審判の流れ

調停から審判に移る際、改めて裁判所に申立てをするなど、新たな手続きをする必要はありません。調停が行われた裁判所で、引き続き審判の手続きを行います。 家庭裁判所から期日について通知がくるので、相続人は、指定された日に裁判所に出頭することになります。 裁判所では、それぞれの相続人が自分の主張をし、その主張を裏付ける資料などの提出を中心に手続きが進んでいきます。

審判中でも、話し合いは可能。話し合いがまとまれば、調停が成立し、審判は終了します。

決定から2週間以内であれば「即時抗告」が可能

審判が告知された日の翌日から2週間たつと、審判が確定します。審判の内容に納得できない場合、この2週間の期間内であれば即時抗告することができます 審判をした裁判所に申し立て、高等裁判所で遺産分割について判断してもらうことになります。

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