相続放棄しても自分が受取人になっている死亡保険金や退職金は受け取れるのか【弁護士Q&A】

相続放棄をすると、亡くなった人の遺産を相続する権利を失うことになりますが、死亡保険金や亡くなった人の退職金も受け取ることはできないのでしょうか。 受け取ることができる場合、相続税はかかるのでしょうか。 「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 相続放棄しても共済の保険金は受け取れる?
  2. 退職金を受け取ることはできる?
  3. 相続税はかかる?

相続放棄しても共済の保険金は受け取れる?

相続放棄する場合でも、共済の保険金を受け取ることはできるのでしょうか。

死亡保険金×相続放棄×税金について

死亡保険金×相続放棄×税金について この度、実父が亡くなりました。配偶者、同居人がおらず私以外に実子がいなかったため、私が共済の死亡保険金の受取人となりました。

実父のお兄さんから聞くところでは、受け取り金は400万ほどあるとは言われていますが、詳しい金額はまだ知りません。実父には多くの負債があるため、相続放棄することになり、手続き中です。

色々と調べてみたところ、全額税金として納めるとに書かれていたのですが、共済受取の手続きが無駄になるなら、それすら放棄したいと思っております。

受け取れるとしたら、実際受け取れる額と課税額を知りたいと思います。この場合の死亡保険金、相続放棄、税金の関係はどうなるのでしょうか?

森田 英樹の写真 弁護士の回答森田 英樹弁護士 相続放棄をすればお父さんの遺産については、お父さんが支払うべき税金も含めすべて支払い義務を免れることが出来ます。

死亡保険金については、あなたが死亡保険金の受取人に指定されている場合は、遺産ではなくあなたの固有財産となりますので、相続放棄をしてもそのまま受け取ることが出来ます。
ただ、死亡保険金の受取人として指定されていない場合は、お父さんの遺産と判断される可能性がありますので、それを受取れば相続放棄ができなくなります。

共済の死亡保険金の受取人が誰であるかを確認されるのが先決です。

死亡保険金400万円についての相続税はゼロです。相続税の関係では 500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額とされています。

死亡保険金×相続放棄×税金について 共済の死亡共済金の受取人に指定されてる訳ではなく、配偶者も同居人もいないので
私に受け取る権利が発生しているようです。

弁護士会に相談したときには、相続放棄しても受け取れると言われたのですが、死亡共済金を受け取ると相続放棄が無効になるのですか?

森田 英樹の写真 弁護士の回答森田 英樹弁護士 共済は、死亡保険金の受取人の指定はできず、契約によって受け取れる順序が決まっていますので、死亡保険金を受け取っても相続放棄には抵触しないといえます。

ただ県民共済から、共済金返戻金及び過納掛金を受取ってはいけません。それは、共済の契約者である被相続人に対して支払われるべきものであるので、その返還を受ける権利が被相続人の相続財産となり、相続放棄に抵触します。

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退職金を受け取ることはできる?

相続放棄しても退職金は受け取れるのでしょうか。また、受け取るときに確認すべき点はどのようなことでしょうか。

死亡したあとの退職金の受け取り区分について

死亡したあとの退職金の受け取り区分について 死亡後に相続人が受け取る退職金について相談です。夫が亡くなりました。保険金3000万と退職金700万円を受け取ることになります。

夫は生前に借金が700万あるので相続放棄をしようと思っています。保険金は相続放棄をしても受け取れると聞きましたが、退職金については相続放棄すると受けとれなくなるのでしょうか?

岡村 茂樹の写真 弁護士の回答岡村 茂樹弁護士 > 保険金は相続放棄をしても受け取れると聞きましたが、
1.相談者が直接の受取人の生命保険であれば、OKです。

> 退職金が700万円を受け取ることになります。
1.死亡退職金は、遺族に直接支給という退職金規程であれば大丈夫ですが、退職金規程を精査する必要があります。
2.被相続人に支給される退職金を、相続人として受給の場合は不可です。

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相続税はかかる?

相続放棄しても、保険金や退職金を受け取った場合は相続税がかかるのでしょうか。

相続放棄とみなし相続税の控除について

相続放棄とみなし相続税の控除について 妻が死亡し、相続放棄の手続きをしております。

規約、又、約款上、死亡保険金と死亡退職金を受け取れる事になったのですが、みなし相続税がかかるという事を知り、何か控除は受けられないものかと調べてみました。(保険金も退職金もまだ受取る手続きはしておりません。)

相続放棄をした場合、非課税制度は利用出来ないが、基礎控除(3000万+600万×法定相続人の人数)と、配偶者控除(16000千万)は適用出来ると書かれているものを読みました。
死亡退職金が約1400万、死亡保険金が約2700万、法定相続人は私を含め2人ですが、共に相続放棄の手続きをしております。

上記が適用出来るとすると、相続税はかからないのでしょうか?申告も必要ないのでしょうか?それとも私の勘違いで、相続税は発生するのでしようか?

受取る予定のものは、おおよそ4100万円。基礎控除が4200万円までなので、みなし相続税はかからないのかなと、思っております。
ご回答よろしくお願いします。

岡村 茂樹の写真 弁護士の回答岡村 茂樹弁護士 課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を計算します。
A 平成26年12月31日以前に相続が開始(被相続人が死亡)した場合
課税価格の合計額-基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)
=課税遺産総額
B 平成27年1月1日以後に相続が開始(被相続人が死亡)した場合
課税価格の合計額-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
=課税遺産総額

(注)
1 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。

2 法定相続人のなかに養子がいる場合の法定相続人の数は、次のとおりとなります。

(1) 被相続人に実子がいる場合は、養子のうち1人までを法定相続人に含めます。

(2) 被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人に含めます。

峰岸 泉の写真 弁護士の回答峰岸 泉弁護士 みなし相続財産であろうと、通常の相続財産であろうと、総額4200万円以下であれば、相続税はかからず、申告すら必要ありません。

配偶者控除も、死亡保険金控除も使うまでもありません。

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