相続

弁護士監修記事 2019年02月25日

家族が相続の手続きをスムーズに進められるように生前にできる対策

「自分は財産も少ないし、家族は仲がよいし、遺言書を残さなくても相続で揉めることはないだろう」と考える人もいるでしょう。 しかし、相続の手続きは面倒なことも多く、何も準備しないでおくと、残された家族の負担は少なくありません。 この記事では、財産を家族が相続するときに備えて、あなたがしておきたい対策について詳しく解説します。

目次

  1. なぜ相続対策が必要なのか
  2. 生前にしておくと相続手続きがスムーズに進むこと
    1. 相続人を調べて一覧表にまとめておく
    2. 財産目録をつくる
    3. 目録には財産の内容やありか、余裕があれば価値も調べる
    4. 複数の銀行口座や不動産を持っている場合、財産整理をした方がよいことも
    5. エンディングノートを利用する方法も
  3. 他にも対策をした方がよいケース

なぜ相続対策が必要なのか

alt あなたが亡くなった後、残された家族が、あなたの財産を受け継ぐことになります。 「相続でもめるのは一部の人だけ」「自分は財産も少ないし、トラブルになることはない」と考え、いざ自分が亡くなった時のための準備は何もしていないという方も少なくありません。 たしかに、遺言を残したり、生前に特定の人に財産を渡しておくこと(生前贈与)は、円満な相続がみこめるならば、必ずしもする必要はないケースもあります。 しかし、円満に相続の手続きが進められる場合でも、残された家族は、「どのような遺産が残されているのか」「相続する人は誰か」ということを、自分たちで調べる必要があります。 そのため、相続でトラブルが起きないと考えている場合でも、残された家族に相続の手続きをスムーズに進めてもらうために、あなたが生前にしておいたほうがよいことがあるのです。 また、あなたが相続は円満に行くはずだと考えていても、相続がもめることになる原因はさまざまです。あなたが考えもしなかった理由で、相続がトラブルに発展する可能性があります。 この記事では、相続の手続きをスムーズに進めるために、あなたが生前にしておいたほうがよいことや、どのような場合にトラブルに発展する可能性があるのかということについて、紹介します。

生前にしておくと相続手続きがスムーズに進むこと

alt あなたが遺言書を残しておかないと、「誰が財産を相続するか(法定相続人)」と「相続する財産の割合(法定相続分)」は、法律のルールで自動的に決まります(法定相続)。 しかし、法律では、「不動産は配偶者に、貯金は長男に」というように、どの財産を誰が相続するかまでは決めてくれません。相続人同士が話し合って決める必要があります。この話合いを「遺産分割協議」といいます。 相続人は、他に相続人はいないのか調べ、あなたにどのような財産があるのか調べてから、財産をどう分けるのかを検討することになります。

相続人を調べて一覧表にまとめておく

alt 遺産分割協議は、相続人全員が参加して話し合う必要があります。相続人が1人でも加わらずに話し合われた協議の内容は、やり直すことになる可能性があります。 そのため、遺産分割協議をはじめる前には、相続人が誰かということをしっかり確認しておく必要があります。 たとえば、あなたに配偶者以外の人との間の子どもがいる場合、その子どもも相続人になります。しかし、子どもの存在を家族が知らないような場合、その子どもを除いて遺産分割協議がされてしまう可能性があります。 後になって、その子どもが相続人の地位を主張したような場合、遺産分割協議をやり直さなくてはならないかもしれません。非常に手間のかかることになる可能性があるのです。 また、相続人を調べるために、家族は、あなたが生まれてから死ぬまでの戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本など、多くの資料にあたり、「誰が相続人なのか」を調べていきます。 あなたが何度も転籍しているような場合、家族は何度も書類を集めなければならず、膨大な時間と手間がかかる可能性があります。 あなたが全ての相続人を調べて一覧表に記録しておけば、家族が、相続人を調べる手間がなくなります。 家族が相続人全員をもれなく把握できれば、後から他に相続人がいたことが発覚して、遺産分割協議をやり直さなければならなくなるリスクも避けられます。 法律のルールでは、誰があなたの財産を受け継ぐ相続人になるのか、以下の記事で確認することができます。

財産目録をつくる

alt 遺産分割協議をするときに、どんな財産があるかがはっきり分からない場合、相続人自身が調査をします。 現金・預金であれば、相続人があなたの自宅を探して見つけられることもあるでしょう。 一方、不動産は、法務局や市町村役場で「固定資産税納税通知書」や、「名寄帳」などを調べて探します。 家族が、あなたの財産を全て調査し終えるまでには時間も手間もかかります。 財産の数や種類が多いと、相続人が調査しきれず、発見されないまま放置される財産も出てくるかもしれません。 あなたが、相続対策として、財産を一覧にした「財産目録」を作成しておけば、相続人は、相続の対象となる財産を一目で確認することができます。 財産目録を作成しておくことで、相続人自身が財産を調査する手間をなくすことができます。発見されないまま放置される財産が出てくるリスクも避けられます。

目録には財産の内容やありか、余裕があれば価値も調べる

alt 財産目録には、現金や預貯金があれば、その金額、お金を預けている金融機関名や口座番号などを書いておきましょう。不動産があれば、名義人や所在地を書いておきましょう。 余裕がある人は、不動産を売った場合の価値(評価額)も調べて書いておくとよいでしょう。価値を調査した日付と、その資料や計算方法も添付しておきましょう。 財産の価値は、相続税を計算をするときに必要です。財産の価値の合計額が一定の基準を超えた場合、相続人は相続税を支払う必要があります。 あなたが財産目録に財産の価値を書いておくことで、相続人は「相続税を支払う必要があるか」「納税額はどのくらいか」ということをスムーズに判断・計算できます。 また、財産調査をした結果、相続税を支払う必要があるとわかれば、相続人の税負担を減らすために、生前から財産を渡しておく、といった対策をするかどうか検討することもできます。 財産目録を作ることや、財産の価値の評価は、弁護士など専門家に依頼することもできますが、自分ですることもできます。次の記事で詳しく解説しています。

複数の銀行口座や不動産を持っている場合、財産整理をした方がよいことも

あなたが銀行口座を複数持っていたり、複数の不動産を持っていたりする場合、その財産を相続する家族は、解約や名義変更などの手続きを何度もしなければなりません。 銀行口座を解約して1つにまとめるなど、生前に財産を整理しておくと、相続の際、家族の手続きの負担を減らすことができます。 財産整理の詳しいやり方は、以下の記事で解説しています。

エンディングノートを利用する方法も

相続人や財産を一覧にまとめるときには、市販の「エンディングノート」に情報を書き込んでもよいでしょう。 エンディングノートとは、あなたが亡くなったときに備えて、財産の分け方や葬儀の形式に関する希望、家族や友人へのメッセージなどを書き込み、信頼できる身近な人に託すものです。 エンディングノートには、預貯金や株式、不動産など、あなたが持っている財産のありかや価値などの詳細を書き込めるページがあります。 家系図を書き込めるようになっているものもあるので、誰が相続人かを整理するときにも役立つでしょう。 誰に財産を渡したいか、という、あなたの希望を書き込めるページもあります。 エンディングノートには、遺言書のような法的効力がないため、必ずしもあなたの希望通りに財産が分けられるとは限りませんが、書いておくことで、遺産分割協議のときに考慮してもらえる可能性はあるでしょう。

他にも対策をした方がよいケース

alt あなたが事前に、この2つの対策をしておくと、家族があなたの財産を相続するときに、手間や時間をかけずにスムーズに手続きを進められるでしょう。 あなたの財産を法律のルール通りに分けて、トラブルが起きないような場合であっても、こうした対策をしておくことで家族の負担を減らせます。 一方、法律のルール通りに財産を分けると、相続人同士でトラブルが発生する可能性がある場合、他にも対策をしておいた方がよいかもしれません。 たとえば、あなたが、不動産や美術品、骨董品など、評価額を決めることが難しい財産を多く持っている場合、法律のルール通りに財産を分けると、相続人同士が財産の分け方をめぐって対立し、話合いがスムーズに進まない可能性があります。 家族が円満にあなたの財産を分けられるようにするには、どのような対策をしておくとよいのでしょうか。詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

また、あなたが、財産の分け方について以下のような希望を持っている場合も、対策が必要かもしれません。 対策をせず、法律のルールで相続が行われることになった場合、あなたの希望通りに財産が分けられない可能性があるためです。 あなたに内縁の配偶者がいて、その人に財産を残したいと思っている場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

同居している子どもや、子どもの配偶者、お世話になった人などに財産を残したいと思っている場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

相続税対策に興味がある人は、以下の記事を参考にしてみてください。家族の負担をなるべく減らせるよう、相続税の金額を抑えるための対策を詳しく解説しています。

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