相続税

弁護士監修記事 2018年12月10日

小規模宅地等の特例を利用するために必要な書類

小規模宅地等の特例の対象となっていれば、土地の相続税評価額を一定割合減額してもらうことができます。 特例を利用するためには、相続税を申告するときに、特例の対象となることなどを示す書類を提出する必要があります。 この記事では、小規模宅地等の特例を利用するために必要な書類について詳しく解説します。

目次

  1. 小規模宅地等の特例を利用するには書類の提出が必要
  2. 小規模宅地等の特例を利用するための必要書類
    1. 相続税の申告期限までに遺産分割協議が終わらない場合
  3. 居住用の土地を相続する場合の必要書類
    1. 相続する土地に居住していた人が特例を利用する場合
    2. 相続する土地に居住していない人が特例を利用する場合
    3. 老人ホームや障害者支援施設などに被相続人が入居していた場合

小規模宅地等の特例を利用するには書類の提出が必要

小規模宅地等の特例は、一定の条件を満たせば、土地の相続税評価額が最大80%減額される制度です。 小規模宅地等の特例の対象となる場合でも、相続税の申告をすれば自動的に土地の相続税評価額が減額されるわけではありません。 小規模宅地等の特例を利用するためには、相続税を申告するときに、特例の対象となることなどを示す書類を提出する必要があります。

小規模宅地等の特例を利用するための必要書類

小規模宅地等の特例を利用するためには、相続税の申告書のうち、以下の書類が必要です。

  • 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(第11・11の2表の付表1)
  • 小規模宅地等、特定計画山林・特定事業用資産についての課税価格の計算明細書(第11・11の2表の付表2)

計算明細書は国税庁のホームページからダウンロードできます。 被相続人が自宅を建てていた土地を相続し、特例を使用する場合は、「小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(第11・11の2表の付表1)」に記入します。 相続する土地が、「特定計画山林の特例」または「特定事業用資産の特例」の対象となる場合は、「小規模宅地等、特定計画山林・特定事業用資産についての課税価格の計算明細書(第11・11の2表の付表2)」も記入します。 計算明細書の記入方法に関しては、記載例が国税庁のホームページで紹介されているので、参考にしてください。 このほか、相続人を確認するための書類や、遺言書または遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書などが必要です。 相続人を確認するための書類は、次のような書類が該当します。これらの書類は、コピーしたもので構いません。

  • 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本 (被相続人が亡くなった日から10日を経過した日以後に作成されたもの )
  • 図形式の法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明制度を利用した場合)

特定事業用・貸付事業用の土地を相続し、特例を利用する場合は、その事業を行なっていたことを証明する書類が必要になります。必要書類の詳細に関しては、税務署などに確認しましょう

相続税の申告期限までに遺産分割協議が終わらない場合

相続税の申告期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。 しかし、申告期限までに遺産分割協議がまとまらず、遺産分割協議書の写しが用意できない場合があります。 このような場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書と一緒に提出するなどの手続きが、別途、必要です。 申告期限までに協議が終わらない場合の相続税の手続きに関しては、この記事の一番下にある関連リンクから確認できます。

居住用の土地を相続する場合の必要書類

居住用の土地を相続する場合、さらに書類が必要です。ただし、被相続人の配偶者が特例を利用する場合は不要です。 必要な書類は、特例を利用する人がその土地に居住していた(被相続人と同居していた)かどうかによって異なります。 必要な書類については、以下に説明します。

被相続人が養護老人ホームや障害者支援施設に入所していたなどの理由から、被相続人自身が自分の土地に居住していなかった場合でも、特例を利用できる可能性があります。このような場合の必要書類についても、後ほど説明します。

相続する土地に居住していた人が特例を利用する場合

特例の適用を受ける土地に居住していることを証明する書類(住民票など)が必要です。 特例の適用を受ける人がマイナンバー(個人番号)を有する場合、この資料を提出する必要はありません。

相続する土地に居住していない人が特例を利用する場合

被相続人が亡くなった日が平成30年3月31日以前か、平成30年4月1日以降かによって利用できる条件が異なるので、必要な書類も異なります。

平成30年3月31日以前に被相続人が亡くなった場合

被相続人が亡くなったのが平成30年3月31日以前の場合には、次のような書類が必要です。 まず、被相続人が亡くなった日からさかのぼって3年間の住所、または居所を明らかにする書類です。住民票などが該当します。 この書類も、特例の適用を受ける人がマイナンバー(個人番号)を有する場合には提出不要です。 次に、被相続人が亡くなった日からさかのぼって3年間居住していた住宅が、自分または配偶者の所有する住宅以外の住宅であることを証明する書類です。借家の賃貸契約書などが該当します。

平成30年4月1日以降に被相続人が亡くなった場合

被相続人が亡くなったのが平成30年4月1日以降の場合には、「被相続人が平成30年3月31日以前に亡くなった場合」の書類に加え、以下の書類が必要です。

  • 被相続人が亡くなった日からさかのぼって3年間に居住していた住宅が、三親等内の親族や、特別の関係がある法人(親族が経営する会社など)が所有する住宅以外の住宅であることを証明する書類
  • 被相続人が亡くなった時点で、自分が住んでいる住宅を過去に所有したことがないことを証明する書類

自分が住んでいる住宅の登記簿謄本などが該当しますが、必要書類の詳細については、税務署などに相談することをおすすめします。

老人ホームや障害者支援施設などに被相続人が入居していた場合

被相続人が養護老人ホームや障害者支援施設に入所していたため、被相続人自身が自分の土地に居住していなかった場合でも、相続人は特例を利用できる場合があります。 このようなケースで特例を利用する場合、以下のような書類が必要です。

  • 被相続人の戸籍の附票の写し
  • 被相続人が要介護認定や要支援認定、障害支援区分の認定を受けていたことを証明する書類(介護保険の被保険者証や障害福祉サービス受給者証の写しなど)
  • 入所していた施設の種類や名称、所在地などが確認できる書類(入所時の契約書など)

被相続人が入所していた養護老人ホームや障害者支援施設の種類によっては、特例を利用できない場合があります。詳細は税務署などに確認しましょう。

  • 関連リンク

国税庁 相続税の申告書等の様式一覧 国税庁 相続税の申告書の記載例

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