遺言の効力

弁護士監修記事 2018年09月29日

不倫相手に遺産を残す内容の遺言書は有効なのか

亡くなった家族が、不倫相手などに遺産を残すことを内容にした遺言書が発見された場合、遺言の通りに財産を渡したくないと考える相続人もいるでしょう。 こうしたケースでは、「そのような内容の遺言の部分は無効だ」と主張して、遺言の一部を無効にできる可能性があります。 この記事では、不倫相手に遺産を残す内容の遺言の有効性について判断した最高裁の判断を紹介します。

目次

  1. 不倫相手に遺産を引き継がせる遺言書は有効か
  2. 最高裁の判断
  3. 遺言の無効を争いたい場合は弁護士に相談を

不倫相手に遺産を引き継がせる遺言書は有効か

alt 遺言書の有効であることの条件のひとつに、「公序良俗に反していないこと」があります。 「公序良俗に反する」とは、簡単に説明すると、社会的・道徳的に認められないことなどを意味します。 結婚しているのに他の異性と関係をもつ不倫は、社会的には道徳に反する行為だと考えられています。 そのため、遺言書の中で、不倫相手への遺贈を内容とした部分は、公序良俗に反しているとして、無効になる可能性があります。

最高裁の判断

alt どのような場合に不倫相手などへの遺贈が公序良俗に反するのか、最高裁の判例をもとに解説します。 この裁判は、被相続人の妻と娘が「不倫相手に遺産を3分の1ずつ引き継がせる」という内容の遺言は無効だと主張して、その確認を求めた裁判でした。 最高裁は、原審である東京高裁の判断を認める形で判断を示しているので、東京高裁がどのような事実認定と判断を示したのかを紹介します。

・被相続人には妻と娘がいた
・被相続人が亡くなる約10年前から妻と娘と別居していた
・被相続人は死亡するまでの約7年間、不倫相手と半同棲していた
・ 被相続人と不倫相手の関係は、被相続人の家族に公然となっていた
・被相続人と妻の夫婦としての実態はある程度失われていた
・遺言書は被相続人が亡くなる約1年2か月前に作成された
・遺言書の作成前後で被相続人と不倫相手の親密度が増減するなど、2人の関係に変化はなかった

このような事実認定のもとで、東京高裁は「遺言書は不倫関係の継続ではなく不倫相手の生活を保全するために作成された」「遺言書は妻や娘の生活を脅かすような内容ではない」と評価して、公序良俗には反していない(遺言は有効)と判断しました。 そして、最高裁もこの結論を支持しました。 簡単にまとめると、不倫関係を続けるためのエサとして遺言書を作成したわけではなく、不倫相手の生活を守るためで、他の相続人の生活が苦しくなるような財産の分け方ではなければ、遺言は有効であると判断したのです。

遺言の無効を争いたい場合は弁護士に相談を

alt 遺言の内容の一部が無効であることを主張して、裁判官に認めてもらうためには、法的に正しい主張を適切に組み立てて、証拠で証明する必要があります。 一般の人が、そうした主張を組み立てて、証拠を集めることは容易ではありません。遺言書の有効性について裁判で争うことを検討している場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

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