相続財産 分割方法

弁護士監修記事 2018年09月30日

遺産分割の3つの方法を詳しく解説 | 現物分割・代償分割・換価分割について

遺産の分け方には、大きく「現物分割」「代償分割」「換価分割」という3種類の方法があります。

  • それぞれの分割方法がどのような仕組みなのか
  • 遺産によってどの方法をとればよいのか

この記事では、これらの点について解説します。

目次

  1. 遺産の分割方法は3つある
  2. 現物分割とは
  3. 代償分割とは
    1. 代償分割をする場合の注意点
  4. 換価分割とは
    1. 換価分割をする場合の注意点

遺産の分割方法は3つある

遺産の分け方は主に以下の3種類です。

現物分割 「妻が不動産は相続し、子ども達が預金を分け合う」など、
遺産をそのままの形で分け合う
代償分割 特定の相続人が遺産を取得し、相続分を超える場合には
他の相続人に現金で支払う
換価分割 遺産を売却し、売却した代金を相続人同士で分け合う

この他、1つの遺産を複数の相続人が共有する形で引き継ぐ「共有分割」という方法もありますが、共有した遺産は自由に扱えないというデメリットがあります。たとえば、土地を共有分割する場合、あとで土地の売却や、建物の建築などを考えても、共有者全員の同意がいるので、手続きに手間がかかる可能性があります。

現物分割とは

現物分割は、「不動産は妻が相続し、預金は長男、株式は次男がそれぞれ引き継ぐ」といったように、遺産をそのままの形で分割する分け方です。 現物分割には、以下のようなメリットがあります。

  • それぞれの遺産を誰が相続したのかが明確になる
  • 遺産をそのままの形で相続できるので、他の分け方よりも手続きが楽

「預貯金1000万円、自宅不動産の評価額が1000万円」というように、同等の価値の遺産が複数あるような場合は、現物分割を選択した方がよいでしょう。 一方で、現物分割は、それぞれの遺産の価値に差があると、相続分のとおりに遺産を分割するのが難しい面があります。 そうした場合は、これから説明する「代償分割」や「換価分割」といった方法を選択することになります。

代償分割とは

代償分割は、特定の相続人が遺産を取得して、他の相続人にはお金(代償金)を支払うという分割方法です。 たとえば、遺産が被相続人の自宅不動産(土地・建物・評価額2000万円)のみで、相続人が2人(妻、子ども)、妻がそのまま自宅に住み続けたいと考えているとしましょう。 この場合、代償分割の方法をとると、土地建物自体は母が相続して住み続け、子どもには1000万円(法定相続分が2分の1)を代償金と支払うという形で分割することになります。 預貯金などの分けやすい遺産が少なく、不動産などが主な遺産の場合は、代償分割の方法を検討するとよいでしょう。 代償分割をする際は代償金を用意しなければならないので、不動産の評価が高額で、代償金を用意することが困難なケースでは、次に解説する換価分割の方法をとるとよいでしょう。 また、代償分割する遺産をどのように評価するかによって、代償金の額が異なってくるので、遺産の評価方法については相続人同士ですり合わせておきましょう。

代償分割をする場合の注意点

遺産の分け方を決める話合い(遺産分割協議)が終了すると、決めた内容を「遺産分割協議書」としてまとめます。 代償分割を行う場合は、遺産分割協議書に代償金の額や支払期限、支払う人と受け取る人などを記載しましょう。 記載がない場合、代償金を受け取る人に贈与税が課される可能性があります。

換価分割とは

換価分割は、遺産を売却して、売却した代金を相続人同士で分け合うという方法です。遺産を現金化するので、相続分のとおりに分割することができます。 遺産に不動産があるけれど、代償金を用意できない場合や、その不動産に思い入れがないような場合も、換価分割の方法をとるとよいでしょう。 一方で、売却して現金化するまでは、ある程度時間がかかる可能性があるので、その点も考慮して手続きを進めていきましょう。 また、被相続人が購入した時の価格より高い金額で遺産が売却されると、売却したお金を受け取る相続人は「譲渡所得税」を支払う可能性があるので注意しましょう。

換価分割をする場合の注意点

換価分割を行う場合も、遺産分割協議書に、換価分割を行うことや売却した代金の分け方を記載しましょう。 記載しないと、現金を受け取る相続人に贈与税が課される可能性があります。

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