相続手続き

弁護士監修記事 2018年09月30日

家族が亡くなったとき葬儀が終わった後にやるべき手続きと進め方まとめ

家族が亡くなったとき、葬儀が終わった後でやるべき手続きと進め方をまとめました。

  • 公共料金などお金に関する手続き
  • 運転免許証の返納などお金以外の手続き
  • 確定申告など税金に関する手続き

費用が発生したり期限がある手続きは早めに、優先順位をつけて、少しずつ進めていきましょう。手続きの方法も詳しく解説します。

目次

  1. 葬儀が終わった後に行う手続き一覧
  2. 契約の解約などの手続き
    1. 電気・ガス・水道などの支払方法を変更する・解約する
    2. 年金の受給を停止する
  3. お金を受け取る手続き
    1. 葬祭費・埋葬料を請求する
    2. 生命保険金を請求する
    3. 高額療養費の払戻しを請求する
    4. 遺族年金を受給する
    5. 児童扶養手当を受給する
  4. 税金に関する手続き
    1. 準確定申告をする
    2. 青色申告をする
  5. お金以外の手続き
    1. 運転免許証を返納する
    2. パスポートの失効手続きをする
    3. 旧姓に戻す
    4. 姻族関係終了届を提出する

葬儀が終わった後に行う手続き一覧

alt 葬儀の後に行う手続きは、大きく分けると、次の4つがあります。

  • 契約の解約などの手続き
  • お金を受け取る手続き
  • 税金関係の手続き
  • お金以外の手続き

契約の解約など、放っておくと料金が発生するような手続きは、早めに済ませるようにしましょう。 期限がある手続きも、なるべく早めに済ませるようにします。 期限がない手続きは、急がなくても大丈夫です。旧姓に戻す手続きなどは、その後の生活に大きな影響を与えるので、じっくりと考えて行いましょう。 ご家族が亡くなってからすぐにやる手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

契約の解約などの手続き

alt 契約の解約などの手続きには、次のようなものがあります。

手続き どんな場合にするか
電気・ガス・水道などの解約・名義変更・支払方法変更 亡くなった方が電気・ガス・水道などを契約していた場合
年金の受給を停止する。
未支給年金がないか確認する。
亡くなった方が年金を受給していた場合

電気・ガス・水道などの支払方法を変更する・解約する

次のような契約は、今後利用しない場合には解約します。

  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • 携帯電話
  • インターネット
  • 固定電話
  • クレジットカード

放っておくと翌月の料金が発生してしまう場合があるので、なるべく早めに手続きするようにしましょう。 今後も利用する場合には、名義変更の手続きをします。 支払方法が口座引落しやクレジットカード払いの場合には、支払方法の変更をします。

銀行にご家族が亡くなったことを伝えると、口座が凍結されます。預金を引き出すことや、料金の引落しができなくなります。料金の支払いは別途対応することが必要です。逆に、口座が凍結されていない状態で解約などの手続きを忘れると、料金の引落しが死後何か月も続くことになり、相続で揉める原因になるので気をつけましょう。

手続きの方法は、電力会社などに電話で連絡します。インターネット上で手続きができる場合もあります。

携帯電話やインターネットを解約する場合には、お店へ行く必要や、戸籍などの書類が必要な場合があります。どのような手続きになるのか電話などで確認しましょう。

固定電話を引き続き使う場合、「電話加入権」という権利を相続人が受け継ぐ(相続する)という手続きが必要になります。NTTで手続きをするほか、相続手続きでは相続財産リストに含まれ、相続税がかかりますので、注意しましょう。

年金の受給を停止する

亡くなった方が年金を受給していた場合、受給を停止する手続きが必要です。 年金は、亡くなった月の分まで受け取ることができます。 それ以上受け取ってしまうと、返還の手続きをしないといけないので、受け取らないように早めに手続きをしましょう。 受給停止の手続きは、「年金受給者死亡届(報告書)」を年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。 日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが登録されている場合には、原則として、書類の提出はいりません。

未支給年金を確認する

受給停止の手続きと一緒に、まだ受け取っていない年金がないか確認しましょう。 年金が支払われるのは、2月、4月、6月、8月、10月、12月の年6回です。 それぞれの支払月には、その前月までの2か月分の年金が支払われます。たとえば、4月に支払われる年金は、2月、3月の2か月分です。 年金は、亡くなった月の分まで受け取ることができます。

年金の支給日 支払対象月
2月15日 12月、1月の2か月分
4月15日 2月、3月の2か月分
6月15日 4月、5月の2か月分
8月15日 6月、7月の2か月分
10月15日 8月、9月の2か月分
12月15日 10月、11月の2か月分

亡くなった日より後に振込みされた年金がある場合、亡くなった月の分までの年金は、未支給年金として受け取ることができます。 未支給年金がまだ振り込まれていない場合には、未支給年金を請求します。 未支給年金を請求する方法は、未支給年金請求書を、年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。必要書類は、ねんきんダイヤルまたは年金事務所に問い合わせましょう。 未支給年金を受け取ることができる遺族は、次の順序で決まっています。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. それ以外の3親等内の親族

未支給年金を受け取ると、受け取った方の一時所得となり、確定申告が必要になる場合があるので、注意しましょう。

お金を受け取る手続き

alt お金を受け取る手続きには、次のようなものがあります。

手続き どんな場合にするか
葬祭費・埋葬費を請求する 亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度・健康保険に加入していた場合
生命保険金を請求する 亡くなった方が生命保険に加入していた場合
高額療養費の払戻しを請求する 亡くなった方の医療費が高額だった場合
遺族年金を受給する 亡くなった方が国民年金・厚生年金に加入していた場合
児童扶養手当の受給を申請する 亡くなった方に18歳以下(障害がある場合には20歳未満)の子がいる場合

葬祭費・埋葬料を請求する

亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合には葬祭費が、健康保険・共済組合に加入していた場合には埋葬料が支払われます。 葬祭費の金額は自治体により異なりますが、3万円〜5万円が一般的です。埋葬費は5万円です。 葬祭費・埋葬費を受け取ることができるのは、葬儀を行った人(喪主など)です。葬儀をしていない場合には受け取ることができません。 葬祭費を請求するには、亡くなった方が住んでいた市区町村役場で申請書を提出します。 埋葬費を請求する場合は、会社などの勤務先が手続きをしてくれる場合があるので、勤務先に手続きを確認しましょう。

生命保険金を請求する

亡くなった方が生命保険に加入していた場合には、保険金を請求します。 生命保険会社に連絡すると、保険金を請求するのに必要な書類が送られてきます。 必要な書類を提出してから5日程度で保険金の支払いを受けることができます。 保険金を受け取ることができるのは、受取人に指定されている人です。

高額療養費の払戻しを請求する

高額療養費制度とは、医療費が1か月で上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です。 亡くなった方が入院や通院をしていた場合で、医療費が上限を超える場合には、高額療養費の払戻しを受けることができますので、請求しましょう。 上限額は、年齢や所得によって異なります。

70歳以上の方の上限額は平成30年8月から変更されるので注意しましょう。

alt alt alt 高額療養費を請求するには、亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合には、亡くなった方が住んでいた市区町村役場に高額療養費支給申請書を提出します。 健康保険・共済組合に加入していた場合には、健康保険組合や協会けんぽに高額療養費支給申請書を提出します。

遺族年金を受給する

亡くなった方が国民年金や厚生年金に加入していた場合、遺族年金がもらえる可能性があります。

国民年金に加入していた場合(自営業など)

亡くなった方が自営業などで国民年金に加入していた場合には、遺族基礎年金がもらえる可能性があります。 遺族基礎年金を受け取ることができるのは、次に当てはまる人です。ただし、子は18歳以下(障害がある場合には20歳未満)で未婚の場合に限られます。

  • 子がいる妻
  • 子がいる夫

遺族基礎年金がもらえない場合でも、「死亡一時金」(亡くなった方が3年以上国民年金に加入していた場合)や、「寡婦年金」(結婚して10年以上になる65歳未満の妻がいる場合)がもらえる場合があります。年金事務所に問い合わせて確認しましょう。

遺族基礎年金がもらえる条件は、このほかにも加入期間など様々なものがあるので、もらえる可能性があると思ったら、年金事務所に問い合わせて確認しましょう。 遺族基礎年金を請求するには、年金請求書を市区町村役場に提出します。そのほかに必要書類として年金手帳や戸籍謄本などがあるので、年金事務所で確認しましょう。 年金請求書を提出してから年金の受け取りが始まるまでに、およそ80日(3か月弱)程度かかります。早めに請求するようにしましょう。

厚生年金に加入していた場合(会社員、公務員など)

会社員や公務員など、厚生年金に加入していた場合、または加入していた期間がある場合には、遺族厚生年金がもらえる可能性があります。 遺族厚生年金を受け取ることができる遺族は、次の順序で決まっています。ただし、子は子は18歳以下(障害がある場合には20歳未満)で未婚の場合に限られます。

  1. 妻、子、55歳以上の夫
  2. 55歳以上の父母
  3. 55歳以上の祖父母

遺族厚生年金がもらえる条件は、このほかにも加入期間など様々なものがあるので、もらえる可能性があると思ったら、年金事務所に問い合わせて確認しましょう。 遺族厚生年金を請求するには、年金請求書年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。そのほかに必要書類として年金手帳や戸籍謄本などがあるので、年金事務所で確認しましょう。 年金請求書を提出してから年金の受け取りが始まるまでに、およそ80日(3か月弱)程度かかります。早めに請求するようにしましょう。

児童扶養手当を受給する

亡くなった方に18歳以下(障害がある場合には20歳未満)の子がいる場合、児童扶養手当がもらえる可能性があります。 遺族年金をもらっている場合でも、年金額が児童扶養手当より低い場合には、児童扶養手当がもらえます。 児童扶養手当をもらうには、市区町村役場で申請手続きを行います。必要書類は市区町村によって異なるので、問い合わせて確認しましょう。市区町村のホームページで確認できる場合もあります。 児童扶養手当は、原則として申請した翌月分から支給されます。受給できる可能性がある場合には、早めに申請しましょう。

税金に関する手続き

alt 税金に関する手続きは、次のようなものがあります。

手続き どんな場合にするか
準確定申告をする 亡くなった方の確定申告が必要な場合(還付を受ける場合も含む)
青色申告をする 亡くなった方から事業を受け継ぐ場合

準確定申告をする

亡くなった方が自営業などで確定申告が必要な場合、相続人が亡くなった方の確定申告をしなければなりません(「準確定申告」といいます)。 会社員などの場合でも、医療費控除がある場合など、還付を受ける場合にも準確定申告をします。 準確定申告が必要なのは、次のような場合です。

  • 自営業だった。
  • 不動産を賃貸していた。
  • 2か所以上から収入を得ていた。
  • 給与以外の収入があった。
  • 公的年金を受給していた。
  • 医療費が高額だった。

準確定申告は、亡くなったことを知った日(基本的には亡くなった日)の翌日から4か月以内にしなければなりません。 準確定申告のやり方は、通常の確定申告と基本的に同じです。ただし、相続人が提出するので、各相続人の氏名などを記入した付表を添付する必要があります。

青色申告をする

亡くなった方から事業を受け継いだ場合、所得税の確定申告が必要になります。あらかじめ青色申告をしておくと、様々な特典を受けることができます。 特典の内容は次のようなものです。

  • 「青色申告特別控除」で最高65万円までの控除が受けられる。
  • 家族への給与を経費にすることができる。
  • 赤字を3年間繰り越すことができる。

青色申告をするには期限があります。 亡くなった方が白色申告をしていた場合には、事業を受け継いだ日から2か月以内です。 亡くなった方が青色申告をしていた場合には、亡くなった日によって異なります。

亡くなった日 期限
1月1日から8月31日の間 亡くなった日から4か月以内
9月1日から10月31日の間 その年の12月31日まで
11月1日から12月31日の間 翌年2月15日まで

青色申告をするには、青色申告承認申請書納税地の税務署に提出します。

お金以外の手続き

alt お金以外の手続きには、次のようなものがあります。

  • 運転免許証、パスポートなどを返納する
  • 旧姓に戻す
  • 姻族関係終了届を提出する

運転免許証を返納する

亡くなった方の運転免許証は、死亡届などを提出したからといって自動的に失効するわけではありません。 何も手続きをしないで放っておくと、有効期限が満了する前に更新の通知が届き、更新手続きができないので失効することになります。 失効する前でも、亡くなった方の運転免許証を返納することができます。最寄りの警察署に、運転免許証と、亡くなったことがわかる書類(死亡診断書のコピーや住民票など)を持っていきます。

パスポートの失効手続きをする

亡くなった方がパスポートを持っていた場合には、パスポートの失効手続きを行います。 最寄りの都道府県の申請窓口(国外の場合には最寄りの在外公館)に、パスポートと、亡くなったことがわかる書類(戸籍謄本など)を持っていきます。

旧姓に戻す

夫・妻が亡くなった場合、結婚する前の姓に戻すか、今の姓を使い続けるかは、自由に決めることができます。 結婚する前の姓に戻したい場合には、市区町村役場で復氏届を提出します。

亡くなった夫・妻が外国人の場合、亡くなった日の翌日から3か月を過ぎてしまうと、復氏届の提出だけでは旧姓に戻すことができなくなります。家庭裁判所に氏の変更許可の申立てをして、裁判所の許可を得る必要があります。

子どもがいる場合、親の姓を戻しても、子どもの姓はそのままです。 子どもの姓も変更したい場合には、家庭裁判所に氏の変更許可の申立てをして、裁判所の許可が得られたら、入籍届を市区町村役場に提出します。

姻族関係終了届を提出する

夫・妻が亡くなった場合、亡くなった方の親族との関係(「姻族関係」といいます。)はそのまま続きます。 姻族関係終了届を提出することによって、亡くなった親族との関係を終了させることができます。 亡くなった方の親族と同居している場合などには扶養義務が発生する場合がありますが、姻族関係を終了させると、そのような扶養義務はなくなります。 姻族関係終了届は、市区町村役場に提出します。亡くなった方の親族の同意は不要です。

子どもがいる場合、姻族関係終了届を提出したとしても、子どもと姻族との関係は終了せずに継続します。

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