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相続

2017年06月30日

遺産分割で親族がもめないために「遺言」で決めておくべきこと

「相続」は、ときに「争族」とも呼ばれるほど、財産の取り分などをめぐって、親族間で争いになることが少なくありません。自分の死後そうならないためには、生前の対策が重要になってきます。 この記事では、生前対策として特に重要な「遺言」について、次のポイントを詳しく紹介します。

  • 遺言で決めておけること
  • どの形式で遺言を作成すればいいのか

「今のうちに準備をしておきたいけど、何を準備しておけばいいのかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 遺言で決めておけること
  2. 遺言はどの形式で作成すればいいのか?
  3. 遺言の内容を実現する「遺言執行者」を指定しておく
  4. 「この人には相続させたくない」と考えたら

遺言で決めておけること

遺産をめぐって相続人同士の争いを起こさないためには、生前のうちに「このように財産を分け合ってほしい」と遺言に残しておくことが大切です。 遺言には、どのような内容を記しておいても自由ですが、その全てに法的な意味が生じるわけではありません。 たとえば、「◯男(長男)は、◯子と結婚しなさい」と子どもの結婚相手を指定するような遺言を残しても、その内容を強制的に実現することはできないのです。 遺言に書いておくと法的に意味がある事項(法定遺言事項)は、ざっくりというと「財産」「身分」「遺言の執行」に関することがらです。たとえば、次のような事柄です。

  • 相続財産の指定(相続の対象になる財産は何か)
  • 遺産分割方法の指定(どの財産を、誰にどのくらい相続させるか)
  • 遺贈(財産の贈与)
  • 遺言執行者の指定(遺言に書いた内容を、誰に実行してもらうか)
  • 未成年後見人の指定(自分の死後、未成年の子どもの面倒を誰に見てもらうか)
  • 生命保険金の受取人の変更
  • 祭祀(さいし)主宰者の指定(お墓の管理を誰に任せるのか)

法定遺言事項以外にも、「なぜこうした財産の分け方にしたのか」ということの理由や、親族への感謝の言葉などを遺言に記しておくこともできます。 こうした事柄は、付言事項(ふげんじこう)といって、法定な効果が発生するわけではありませんが、相続人同士の争いを避けるために一定の意味があるといえるでしょう。 自筆証書遺言

遺言の内容は法律のルールに優先する

法律では、誰が相続人になるかが決まっています。具体的には、配偶者、子、父母や祖父母、兄弟姉妹です。彼らのことを「法定相続人」といいます。 法定相続人には、それぞれ優先順位があり、引き継ぐ遺産の割合も決まっています。この割合は、法定相続分といいます。たとえば、相続人が妻と子の2人だった場合、妻が1/2、子が1/2の割合で相続することになります。 遺言では、こうした法定相続のルールとは異なった財産の分け方を指定しておくことができます。 たとえば、内縁関係の妻・夫やお世話になった人など、法定相続人ではない人にも、遺言で指定しておけば財産を与えることができます。 自治体や法人、団体に財産をあげたいという希望がある場合も、遺言に書いておけば叶えることができます。 法定相続の仕組みについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

法定相続人には「最低限の取り分」がある

遺言の中で、遺産の分け方について指定してあれば、それに従うことが原則ですが、全てを被相続人の思い通りに決められるわけではありません。 民法には、遺言の内容にかかわらず、相続人に最低限の取り分を認める「遺留分(いりゅうぶん)」という仕組みがあるからです。 遺留分を求める権利があるのは、兄弟姉妹をのぞく法定相続人、つまり、「被相続人の配偶者」「子」「父母」です。 たとえば、遺言書に「遺産は全て●●に与える」と書かれていたとしても、兄弟姉妹を除く法定相続人は、自分の遺留分を主張することができます。 遺言書で財産の振り分けを決める際には、各法定相続人の遺留分を侵害していないか注意しましょう。遺留分について詳しくは次の記事をご覧ください。

遺言はどの形式で作成すればいいのか?

遺言に書く内容が決まったら、次はどのような形式で書けばいいのか確認しましょう。 遺言にはいくつかの形式がありますが、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」という形式が多く使われています。 ざっくり説明すると、自筆証書遺言とは、文字通り手書きで作成する遺言です。 公正証書遺言とは、遺言を残したい人(遺言者)が、公証役場で公証人(元裁判官・弁護士など法律の専門家)に遺言の内容を伝えて、それをもとに公証人がまとめたものです。 自筆証書遺言は、費用をかけずに、手軽に作成できることがメリットですが、書き方や形式に細かいルールがあり、少しでも間違いがあると無効になるリスクがあります。 公正証書遺言は、遺言者が、証人2名以上の立ち会いや、公証人が作成する必要があるなど、作成に手間や費用がかかるため、自筆証書ほど手軽につくることはできません。 しかし、専門家である公証人によって作成されるため、無効になるリスクは、自筆証書遺言とくらべてかなり低いといえるでしょう。また、原本が公証役場に保管されるので、なくしたり、偽造されたりする心配がありません。 遺言の形式について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

遺言の内容を実現する「遺言執行者」を指定しておく

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを全て行う人です。 相続の手続きは、相続人が自ら進めることもできますが、中には手続きが複雑なものも少なくありません。また、相続人の一人が勝手に相続財産を処分するなど、トラブルが発生することもあります。 遺言執行者を選任しておけば、トラブルを避け、スムーズに遺言の内容を実現することができます。 遺言執行者は、財産を管理したり預金口座の名義を変えたりと、遺言に書いてあることを実行するために必要な全ての手続きをすることができます。 一方で相続人は、相続財産を売却するなど、遺言の執行を妨げる行為をすることができなくなります。 遺言執行者は、相続人の中から選任することもできますが、遺言執行者となる相続人と他の相続人との間で利害が対立し、トラブルになる可能性があります。 そのため、相続人のうちの一人を遺言執行者に指定する際は、よく検討することをお勧めします。 遺言執行者には、弁護士や司法書士などの専門家を選任することができます。また、信託銀行などの法人を選任することもできます。

「この人には相続させたくない」と考えたら

遺言では、遺産を与える人を決めるだけでなく、「相続させたくない」という人からその権利を奪うこともできます。相続人の「廃除」という仕組みです。 たとえば、子から日常的にひどい暴力を受けていて「この子に財産をあげたくない」と考えたとしましょう。 子は、最低限の取り分である「遺留分」が認められるため、遺言書で財産の分け方を決めおくだけでは、一定の財産を相続させてしまう可能性があります。 こうした場合、生前のうちに、家庭裁判所に子を相続人から廃除する審判を申し立て、子に財産を相続させないことができます。 この廃除の手続きは、遺言で定めておくこともできます。遺言による廃除の意思表示がなされた場合には、遺言執行者によって家庭裁判所に対する廃除の申立てが必要となるため、遺言書で廃除について定めておく場合は、あわせて遺言執行者を指定しておきましょう。

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