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寄与分

2017年07月10日

特別な貢献した相続人の取り分が増える…「寄与分」が認められるための条件

被相続人(亡くなった方)の生前、介護や事業のサポートなどの貢献をした相続人には、法律で決められた取り分より、多くの遺産を引き継げることがあります。「寄与分(きよぶん)」という仕組みです。

  • 寄与分とは
  • 寄与分が認められるケース
  • 寄与分を請求する方法

この記事では、こうしたポイントについて、詳しく紹介します。

目次

  1. 寄与分とは
  2. 寄与分を求める方法
  3. 寄与分の条件・計算は複雑、判断に迷ったら専門家に相談を

寄与分とは

被相続人の生前に特別な貢献をした人に対して、その貢献度に応じて相続分をプラスする仕組みを「寄与分」といいます。 たとえば、生前父親の事業を助けて、事業の発展に大きく貢献した長男と、独立して会社員をしていた次男がいたとしましょう。 この場合でも、父親が遺言を残さずになくなった場合、2人の相続分は同じになります。そうした事態は不公平だとして、是正する仕組みが「寄与分」だと考えられています。 具体的には、次のようなサポートなどをした場合などに、寄与分が認められる可能性があります。

  • 被相続人の事業に関する労務提供 → 長年にわたり、給料をもらわず家業を手伝った
  • 金銭出資等の財産上の給付 → 親の会社が経営難に陥った時に、資金を援助した
  • 被相続人の療養看護 → 病気の親と同居し、つきっきりで看護した

寄与分が認められるための主な条件

寄与分が認められるためには、具体的には次のような条件をみたす必要があります。

  • 相続人の寄与であること
  • 特別の寄与であること
  • 被相続人の財産が維持された・増加したこと

相続人の寄与であること

寄与分が認められるのは、「法定相続人」です。法定相続人とは、民法で定められた遺産を相続する権利がある人たちのことです。配偶者(妻・夫)、子どもなど、被相続人との関係によって、優先順位や相続できる遺産の割合が決まっています。 娘の夫や内縁の妻など、法定相続人にあたらない人は、どんなに被相続人に貢献していたとしても、寄与分は認められません。 ただし、法定相続人ではない人が被相続人のサポートをしていた場合でも、遺言で、その人に財産を与えると記載されていれば、財産を引き継ぐことができます。 また、寄与分とは別に、相続人がいない場合であれば、法定相続人でない者であっても懸命に介護をするなどした場合、家庭裁判所に請求すれば、「特別縁故者(とくべつえんこしゃ)」として相続財産を受け取れる場合があります。 このほか、相続人であっても、全ての財産をもらう権利を放棄する「相続放棄」の手続きをした人、一定の理由で相続する資格を失う「相続欠格」にあたる人や、「廃除」に該当する人にも、寄与分は認められません。 「相続放棄」について、詳しくは次の記事をご覧ください。

特別の寄与であること

「特別の寄与」と認められるためには、「無報酬で行なった」「片手間ではなくかなりの負担を伴った」などの事情が必要となります。 そもそも、家族の間には、お互いに助け合う義務(扶養義務)があります。そのため「特別の寄与」といえるためには、通常の扶養義務の範囲をこえる貢献である必要があります。 具体的には、「被相続人と同居し、つきっきりで介護した」など、片手間ではなく介護などに専念したといえることが必要です。仕事の片手間に、被相続人の家に通って介護したような程度では、認められない場合が多いと考えてよいでしょう。 また、「特別の寄与」といえるためには、無報酬もしくはそれに近い状態で介護などをしたことや、貢献した期間が一定程度継続していたということもポイントになってくるでしょう。

被相続人の財産が維持された・増加した

相続人が被相続人を介護したことで有料の介護サービスなどを利用する必要がなくなり、出費を免れたようなケースがこれにあたります。 一方、被相続人をはげますなど、精神的な援助・協力などは、財産的な効果が生じないため、寄与として考慮されません。

寄与分を求める方法

用意しておくべき証拠

寄与分を主張するためには、自分が特別な貢献をしたことを示す証拠を用意しておく必要があります。 ケース別に必要となる証拠は異なりますが、たとえば次のような証拠を用意しておくとよいでしょう。

被相続人の事業に関して労務を提供した場合 → 働いていたことを示す証拠

  • 被相続人の事業所での勤怠履歴(タイムカードの記録など)

金銭出資など財産上の給付した場合 → 金銭のやりとりを示す証拠

  • 金銭のやりとりを示す通帳の写し、ATMの取引明細書
  • カードの使用履歴
  • 被相続人の領収書など受領の確認文書

被相続人の療養看護をした場合 → 看護していたことを示す証拠

  • 被相続人の診断書・カルテ
  • 要介護認定を受けたことを示す書類
  • 介護日記

まずは相続人同士の話し合い(遺産分割協議で主張していく)

寄与分を主張したい相続人は、まずは相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の中で自分の貢献を主張していくことになります。 ただし、寄与分が認められる貢献をしたかどうかは、他の相続人が客観的に判断することが難しく、話し合いでは解決できないケースも少なくありません。 話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停・審判の手続きを利用することになります。

話し合いがまとまらなければ、調停・審判へ

調停では、調停委員(最高裁判所が任命した、専門的な知識や経験をもつ市民)が、寄与分を主張する相続人とその他の相続人からの聞き取りや、証拠などをもとに、解決案やアドバイスを示すなど、合意に向けた話し合いが行われます。 話し合いがまとまらず調停で解決しない場合は審判に移ります。 審判では、その人が被相続人をサポートした時期、方法、程度、財産の額などを考慮して、寄与分が認められるのか・認められるとすれば、どの程度認められるのかといった点について、裁判所に判断してもらうことになります。 調停・審判について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

寄与分の条件・計算は複雑、判断に迷ったら専門家に相談を

寄与分を主張できる条件をみたしているのかは、個人では判断が難しいケースが少なくありません。具体的な額の算出方法も複雑です。判断に迷った場合は、弁護士をはじめとした専門家に相談することをおすすめします。

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