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「浪費家の娘」ではなく「しっかり者の孫」に全財産を残したい…そんな相続はできる?

財産は、無駄遣いばかりする娘ではなく、しっかり者の孫娘に残したい。どうすればいいのか――。自分が死んだ後の家族のことを考え始めたという女性から、こんな相談が寄せられました。娘を飛ばして孫娘だけに全財産を相続させるというアクロバティックなことができるのか、平野由梨弁護士に解説してもらいました。


金遣いの荒い娘に財産を相続させたくない

娘(40代)は金遣いが荒く、持っているお金は全て使い果たしてしまう浪費家です。一方で、そんな母親を反面教師としてくれたのか、孫娘はまだ若いのに非常にしっかり者です。そのため、全財産を娘ではなく、孫娘に残したいと考えています。

私は70代で、夫はすでに死亡しています。家族は娘と孫娘の2人だけです。娘は離婚しており、今は独身です。娘に最低限の相続分が認められてしまうのでしょうか。遺言などで、孫娘が全財産を相続できるよう、事前に準備しておくことはできないのでしょうか。

遺言で定めても、遺留分を主張される可能性がある

民法で定められた相続のルールからすると、娘さんが唯一の法定相続人として、ご本人の全財産を相続することになります。ただし、「全財産を孫娘に相続させる」という内容の遺言を作成すれば、娘に相続させず、孫娘にだけ財産を相続させることが可能です。

ただ、注意すべきなのは、この場合、娘からは遺留分を主張される可能性があるということです。遺留分は、遺言によっても奪えない権利で、娘さんは、その権利を主張すれば、全遺産の半額を請求することが可能です。

娘さんに遺留分がある場合、相続の開始、すなわち、被相続人が亡くなった事実を知り、さらに、自分の遺留分が侵害されていることを知った時から、1年間の間、遺留分を請求することができます。

娘の浪費が心配なら、信託制度を利用するという手も

こういった紛争を生じさせないよう、遺言書の内容に工夫することが有効です。なぜ孫娘に相続させるのかを遺言書に書いた上で、娘さんにもある程度の納得を得られるように財産を一部、相続させることで、紛争を避けることができる場合もあると思います。

なお、娘さんが、一度に遺産を受け取ることで、財産を浪費してしまうことを心配されるのであれば、遺産を一度に受け取るのではなく、月々一定額を給付する「信託制度」を利用することもできます。

「信託制度」というのは、簡単にいえば、財産を信頼できる第三者に預けて、管理してもらう制度です。委託者、受託者、受益者という3者が登場します。今回のケースで言えば、相談者(委託者)が、信託業務を行う信託銀行(受託者)にお願いして、死後、月々一定額を娘(受益者)の口座に振り込むように遺言で残しておくといったことが考えられるでしょう。

こうした制度を利用することも検討してみてはどうでしょうか。

取材協力弁護士 平野 由梨 (ひらの ゆり)弁護士
藍法律事務所所長弁護士。愛知県弁護士会高齢者・障害者総合支援センター運営委員会委員。名古屋市障害者・高齢者権利擁護センター事業運営委員会委員。
藍法律事務所

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