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生前贈与

生前贈与における贈与契約書の作成方法

贈与は口約束でも成立してしまうため、トラブルを防ぐためにも贈与したという証拠を残しておいたほうがよいです。贈与の際は、財産の引き渡しや名義変更だけではなく、贈与契約書を作成しましょう。特に親族間の贈与では契約書を作らない場合もありますが、トラブルとなりやすいのは相続開始後ですので注意してください。

目次

  1. 生前贈与契約書とは
  2. 契約書作成のポイント
  3. 生前贈与契約書の書き方

生前贈与契約書とは

民法上でいう「贈与」とは、贈与する人の「あげる」意思と贈与を受ける人の「もらう」意思があってはじめて成立するものです。ただし贈与は口約束でも成立してしまうため、トラブルを防ぐためにも贈与したという証拠を残しておいたほうがよいです。

贈与の際は、財産の引き渡しや名義変更だけではなく、贈与契約書を作成しましょう。特に親族間の贈与では契約書を作らない場合もありますが、トラブルとなりやすいのは相続開始後ですので注意してください。

契約書作成のポイント

契約書自体は手書きで作成しなくても構いません。署名については手書きし、捺印しましょう。印鑑は実印が望ましいです。また、不動産を贈与する場合のみ、200円分の収入印紙が必要です。

過去に遡って作成したと思われないよう、より契約書の証拠能力を高めたい場合は公証役場で確定日付をもらうとよいでしょう。1件につき700円の手数料がかかります。お近くの公証役場は「全国公証役場所在地一覧」から探すことができます。

契約書に書く内容

贈与の内容について、以下の内容を記載しましょう。

  • いつ
  • 誰に
  • 何を
  • 贈与する条件
  • 贈与する方法

生前贈与契約書の書き方

現金を贈与する場合

契約書の基本型となります。参考にしてください。

贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎はこれを承諾した。

(1)現金 100万円

・第2条 見本太郎は、当該財産を平成◯年◯月◯日までに見本一郎に引き渡すものとする。


上記契約を証明するため本書を2通作成し、贈与者と受贈者が各1通保有する。


平成◯年◯月◯日

(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

預金を贈与する場合

口座番号まで詳細に記入しましょう。

贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎はこれを承諾した。

(1)普通預金
     ◯◯銀行◯◯支店 普通口座 ◯◯◯◯◯◯◯◯
    口座名義人 見本太郎

・第2条 見本太郎は、当該財産を平成◯年◯月◯日までに見本一郎に引き渡すものとする。


上記契約を証明するため本書を2通作成し、贈与者と受贈者が各1通保有する。


平成◯年◯月◯日

(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

不動産を贈与する場合

登記事項証明書の内容を記載しましょう。また、収入印紙も必要です。

贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎はこれを承諾した。

(1)土地
     所在 ◯県◯市◯区◯丁目
     地番 ◯番◯
     地目 宅地
     地積 ◯◯㎡

・第2条 見本太郎は、当該財産を平成◯年◯月◯日までに見本一郎に引き渡し、移転登記を行うものとする。

上記契約を証明するため本書を2通作成し、贈与者と受贈者が各1通保有する。


平成◯年◯月◯日


(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

200円の収入印紙が必要です。

未成年者に贈与する場合

法定代理人を記載しましょう。

贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎の法定代理人(父:見本次郎、母:見本春子)はこれを承諾した

(1)現金 100万円

・第2条 見本太郎は、当該財産を平成◯年◯月◯日までに見本一郎に引き渡すものとする。


上記契約を証明するため本書を2通作成し、贈与者と受贈者が各1通保有する。


平成◯年◯月◯日


(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

(受贈者の法定代理人:父)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本次郎 印

(受贈者の法定代理人:母)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本春子 印

負担付贈与契約書の場合

負担の内容についても記載しましょう。負担付贈与について詳しくは、「負担付贈与とは:負担の実例と利用するメリット」をご覧ください。

負担付贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎はこれを承諾した。

(1)普通預金
      ◯◯銀行◯◯支店 普通口座 ◯◯◯◯◯◯◯◯
      口座名義人 見本太郎

・第2条 見本一郎は、当該財産を受け取る代わりに、負担として見本太郎の実母である見本春子に対し、その扶養料として平成◯年◯月から見本春子の生存中に、毎月◯日に金◯◯円ずつを、見本春子の住所に持参して支払わなければならない。

・第3条 見本一郎が前条の負担義務を履行しないときは、見本太郎は本契約を解除できる。


上記契約を証明するため本書を2通作成し、贈与者と受贈者が各1通保有する。


平成◯年◯月◯日


(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

死因贈与契約書の場合

執行者を指定しない場合、所有権移転の手続きをする際に贈与者の相続人全員の印鑑が必要となりますので注意しましょう。死因贈与について詳しくは、「死因贈与とは:遺贈との違いやメリット」をご覧ください。

死因贈与契約書贈与者・見本太郎と受贈者・見本一郎の間で下記のとおり死因贈与契約を締結した。


・第1条 見本太郎は、所有する下記の財産を見本一郎に贈与することを約束し、見本一郎はこれを承諾した。

(1)普通預金
      ◯◯銀行◯◯支店 普通口座 ◯◯◯◯◯◯◯◯
      口座名義人 見本太郎

・第2条 本件贈与は贈与者の死亡を停止条件として効力を生じ、かつ贈与した財産の所有権は当然受贈者に移転する。

・第3条 贈与者は下記の者を死因贈与の執行者に指定する。
     住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
     氏名 弁護士太郎 印


当事者は、この死因贈与契約の締結を証明するため、ここに署名・捺印する。


平成◯年◯月◯日


(贈与者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本太郎 印

(受贈者)住所 ◯県◯市◯区◯丁目◯番◯号
氏名 見本一郎 印

相続開始後に贈与契約書が必要となる場面があります。生前に贈与する人とされる人の間で契約書を作成しておき、死後にトラブルが起きないように備えましょう。

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