亡くなった父 賃貸の相続放棄

公開日: 相談日:2021年05月10日
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【相談の背景】
父と母は離婚して家には父が一人暮らしをしています。ちなみに賃貸で父名義です。まだ父は生きていますが高齢なので万が一の時に備えて質問をさせたください。
恥ずかしながら父の家はトイレもお風呂と壁も色々が壊れています。父は貯金もありません。おそらく自己破産をしているかと思います。遺産もないでしょう。諸々を修理するようなお金は母、私、妹とありません。
父の家の連帯保証人がいるのかどうか、それが誰なのかは分かりません。

【質問1】
父が家で病死や孤独死をした場合相続放棄をすれば払わないで済むのでしょうか。

【質問2】
そして私も子供がいるのですが私の子にも相続権がきてしまう場合があるのか

【質問3】
母、妹、私とみんなが相続放棄したらどうなるのか教えていただきたいです。

1025057さんの相談

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    【質問1】
    父が家で病死や孤独死をした場合相続放棄をすれば払わないで済むのでしょうか。

    賃貸物件についての原状回復費や滞納賃料という意味であれば、相続放棄をすれば、それらの支払義務はなくなります。

    【質問2】
    そして私も子供がいるのですが私の子にも相続権がきてしまう場合があるのか

    あなたが相続放棄をすれば、あなたのお子さんに相続権がくることはありません。

    【質問3】
    母、妹、私とみんなが相続放棄したらどうなるのか教えていただきたいです。

    お母様はすでに離婚していれば、相続人ではありませんが、相続人が誰もいないということになれば、家主が賃貸物件についての原状回復費や滞納賃料を負担することになるでしょう。ただ、お父様の遺体の引取りや処理は、遺族であるあなた達に市役所から要請されることになると思います(なお、あなた達が引取らないということになれば、市役所の方で処理することになるでしょう)。

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    色々とご心配でご負担になっておられると思います。
    少しは,ご安心いただければと回答いたします。

    ・質問1
     「相続放棄」の内容をどこまでご存知かわかりませんが,相続放棄は,原則として「お父様が亡くなられたことを知ってから,3ヶ月以内に」お父様の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きをする必要があります。
     この手続きをして,裁判所に認められれば,手続きをした方は「相続人として存在しなかった」扱いとなります。
     つまり,財産も債務もすべて,相続人として引き継ぐことはありません。

     ですので,お父様の債務を支払う必要はないこととなります。

    ・質問2
     お孫さんにあたる質問者のお子さんは,失礼な話ですが,質問者が被相続人より先に亡くなる等で「代襲相続」とならない限り,相続人とはなりません。
     先に説明した相続放棄をした場合,「相続人として存在しなかった扱いとなる」というのは,代襲相続の規定に該当しませんので,お子さんには,相続権は発生しません。

     ですので,結論としては,代襲相続とならない限り(質問者の方が被相続人であるお父様より先に亡くなる等以外),質問者のお子さんは相続人とはなりません。

    ・質問3
     相続放棄は,各人ごとにでき,その結果として,「相続人として存在しなかった」扱いとなります。
     つまり,もし質問者の方だけが相続放棄した場合は,他の相続人であるお母様と妹さんが相続することとなります。
     
     次に,お母様,妹さんも含めて,全員相続放棄された場合は,法定相続人の順序に従い,次の相続人に相続権が発生します。
     お父様のご両親がご存命であれば,ご両親に行きますし,ご両親がおられない場合は兄弟に行きます。
     さらに,兄弟も先に亡くなられた場合は,兄弟の子が代襲相続人となります(但し,兄弟の子の子は代襲相続人とならない)。

     結果,次の相続人の方は,先順位の相続人が相続放棄したことを知ってから(自身に相続権が発生したことを知ってから)3ヶ月以内に相続放棄をしないと,債務まで引き継いでしまうことになります。

     よって,質問者の方から,お父様のご親族の方に,「自分たちが相続放棄したこと」と「債務を引き受けたくないのなら,相続放棄の手続きをそちらもしたほうがよい」ということを伝えることをご検討されればよいと思います(義務ではありません)。

  • 相談者 1025057さん

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    お二方、ご回答ありがとうございます。とても安心しました。
    もう一つ質問なんですが 相続放棄について調べていたら、相続放棄したのに裁判にかけられて負けて払うことになった の記事がありました。滅多にないことのようですが、私や妹もそうなる可能性があるのでしょうか…

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    笠中です。

    先ほどの私の回答ですが,「母と離婚」の部分を読み飛ばしてしまい,すでに離婚されているお母様に相続権があるように記載してしまいました。

    「離婚した配偶者は相続人とならない」のは,村上先生のご説明のとおりですので,訂正いたします。

    追加のご質問ですが,そういう例はあると思います。
    つまり,「一度家庭裁判所で認められた相続放棄が,後日になって無効と判断される」例です。

    その理由は,家庭裁判所の相続放棄の手続きは,かなり簡略化して審理される一方,その後,債権者から「相続放棄は無効である」と争われると,証拠に基づき審理されるので,家庭裁判所の最初の判断が覆る場合があるからです。

    つまり,家庭裁判所の相続放棄の手続きは,相続放棄を申立てした方からの説明に対し,証拠を求めたり,債権者に照会するようなことは基本的にありません。
    ですので,「自分は『相続をした』と評価されるようなことはしていない」と申告すれば,そのまま通ることがほとんどです。

    ただ,実際は,相続放棄の手続きをされる方の一部には,「相続をした」と評価されるようなことをすでにされている方もいます。

    典型的な例は,実際は,被相続人の預金や現金等の財産を受け取りつつ,それらを隠して,債務から逃れようと相続放棄の手続きはしてしまおうとするようなケースです。

    そして,このようなケースでも,相続放棄の審理の中では,裁判所は,相続人が預金や現金を相続した事実を詳細に確認等はしないので,相続放棄が認められることがあります。

    このようなケースで,債権者が,「相続放棄が不当」と考えた場合,民事訴訟で相続人に対し,支払の請求をすることがあります。つまり,債権者は,「相続人は,『相続財産の取得等,相続をしている』ので,相続放棄はできないはずだ。よって,相続放棄を家庭裁判所が認めているのは無効である」と主張して,請求をしてくるのです。

    この請求訴訟では,きちんと証拠に基づき,審理をされますので,債権者が相続人の「相続した」と評価されるような行為を立証しきると,「相続放棄は無効」とされて,債権者が勝訴するケースがあります。

    ですので,相続放棄を検討されている方は,決して,「相続をした」と評価されるような行為はしないようにすることが大切です。

  • 相談者 1025057さん

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    笠中先生ご丁寧にありがとうございます。
    現金等の財産を受け取りつつ、というのは父の亡くなった後にということでしょうか?生前にも微々たる金額をいただいたとしてもそうなるのでしょうか?
    相続をしたという評価にならないためには生前から父と関わらない方がいいということなのでしょうか。
    いくつも質問をしてしまって申し訳ありません。ご回答よろしくお願いします。

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    「相続した」とされるのは,あくまで,お亡くなりになられた後の話です。

    ですので,生前にいくら関りがあろうと,「相続した」とされることはありません。
    (但し,多額の債務等を負って,「支払不能の状態」の方が,財産を譲渡した場合,相続放棄とは別に「詐害行為取消」という問題はありえます。)

    ご高齢のお父様がご心配の様子ですので,できる範囲でご配慮されればよいと思います。
    (但し,保証人になったりすると,いくら相続放棄をしても,保証人としての責任が残りますので,それは回避してください)

    あと,お亡くなりになられた後,どのような行為が「相続した」(相続財産の処分をした)と評価されるのかということですが,正直なところ,完全に判別することは困難です。

    もちろん,例に挙げた現金や預金の取得は,間違いなく「相続した」とされるでしょうが,では,形見のような服や記念の品を受け取るのはどうでしょうか。

    さらに,賃借していた借家やマンションの事後処理(部屋の明渡や解約,残置物の処理等)はどうでしょうか。

    ここらあたりは,非常に悩ましいところで,相談を受けてもいつも返答に困るところです。

    つまり,相続放棄した(相続人ではなくなった)以上,できるだけ関わらない(というより「相続人でない以上関わることもできない」)のが良いことは当然ですが,そうも行かない場合も多いと思います。

    ですので,結局は,相続財産の処分をしたとされるのかは,債権者に対する誠実性の問題であり,非難可能性の問題かと思います。

    その「誠実性」や「非難可能性」の問題が,相続放棄の手続きをした後も問題となりえ,「誠実性がない」等とされてしまうと「相続放棄が無効」となる結果,「相続人としての債権者への支払義務が発生しうる」とご理解ください。

    ただ,細かいところは,相続が発生した後で,実際に処理を悩まれたところで,弁護士にご相談されたうえで,ご判断されるのがよいと思います。


  • 相談者 1025057さん

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    詳しくご回答いただきありがとうございます。
    保証人になったりすると相続放棄をしても保証人としての責任がある とのことですが、仮に父が住んでいる賃貸の保証人が母の場合は相続放棄しても母は保証人としての責任を取らないといけないということでしょうか。

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    訂正させていただいたとおり,お母様は,すでに離婚されていますので,相続人とはなられません。

    ですので,相続放棄の問題ではありません。

    次に保証人になられている場合ですが,保証人は,基本的に,「借主と同様の義務を負う」とされます。

    ですので,借主であるお父様が残された債務は,原則,そのまま保証人が負うこととなります。

    よって,もしお母様が保証人になられている場合は,「すでに離婚をしたから,保証人から外してください」と貸主に申し出て,貸主がそれに応じてもらうのがベストです。
    ただ,あくまで交渉であり,相手が応じないと強制的に外す方法はないと思います。
    そして,そう簡単に貸主は保証人を外してくれないのが実情です。

    とりあえずは,お母様が保証人になっておられるのかどうかの確認だけはされて,その後,もしなっている場合は,保証人から外してもらう交渉をするということになります。

  • 相談者 1025057さん

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    そうなのですね。ありがとうございます。
    母が外国人で法律等の知識が無く、恥ずかしながらそういったお金を母は持っていないので仮に保証人になってた場合を考えると不安でしかないですね。
    父に確認してみようかと思います。

この投稿は、2021年05月時点の情報です。
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