相続放棄の際の交通事故保険金について

公開日: 相談日:2021年03月22日
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【相談の背景】
母親が交通事故でなくなり、親には借金があったので相続放棄の予定です。相続放棄すると交通事故のこちらでかけていた人身傷害保険は貰えず、相手方の自賠責の会社に遺族分の慰謝料を直接請求するしかないのでしょうか? 母親に重過失があったので、かなり減額されるようです。こちらの会社からは、単純承認にしないためにはその方法しかないと言われました。保険金を貰うと債権者にも分かってしまうという仕組みもよく分からないのですが…

【質問1】
こちらの保険会社の言ってることが法律上正しいのかを教えて下さい

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    1 人身傷害補償保険は、損害賠償を補填する傷害保険です。ということは、損害賠償と保険との二面性があると言うことです。
    2 死亡による損害賠償請求権は被相続人であるお母様に発生して、それを相続人が承継することになりますから、放棄をすれば権利はなくなります。他方で保険、例えば生命保険は被相続人の死亡を条件に指定された相続人に固有に発生する権利ですから、仮に相続放棄をしたとしても生命保険は受領することができます。人身傷害補償保険は、このどちらの面を重視するかというのが論争点になっています。
    3 実は、盛岡地裁平成21年月30日判決(「盛岡地裁判決」)東京地裁平成27年月10日判決(「東京地裁判決」)との二つの下級審判決で、いずれも、人身傷害保険の死亡保険金の請求権は、法定相続人の固有財産に帰属する(=相続財産に含まれない)と判断しています。
    上記裁判例の事案は、旧商法が適用される保険に関する裁判例ですが、その後、保険法が施行されました。保険法は、人身傷害保険を「(傷害疾病)損害保険」というカテゴリーに含まれると解されています。
    このように、人身傷害保険は損害保険の一類型と解釈されるため、現在の保険法下では、人身傷害保険金は相続財産に含まれると解釈される可能性が高いと考えられています。
    4 したがって、保険会社の担当者の解説は保険実務の現在の取り扱いを示すものと思われます。つまり、お気の毒ですが、法律上正しいことをいわれていると考えられます。

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    > 【質問1】
    > こちらの保険会社の言ってることが法律上正しいのかを教えて下さい

    人身傷害保険金について、令和2年4月施行の改正保険法以前の判例では、生命保険のような定額保険と同様に、法定相続人の固有財産に帰属する(=相続財産に含まれない)と判断され、実務上もそのように扱われていましたが、改正保険法では、人身傷害保険は、「傷害疾病損害保険」(保健法2条7号)に含まれると解され、人身傷害保険金は相続財産に含まれると解釈される可能性が高いと考えられています(まだ判例は出ていませんが)。そうすると、保険会社の言っていることが法律上正しいということになるのではないかと思います。

この投稿は、2021年03月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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