遺産分割調停後の不当利得返還請求権について

公開日: 相談日:2021年07月02日
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【相談の背景】
遺産分割調停初回が終わったのですが、主な遺産は土地のみです。
相続人は3人です。それぞれ
A B Cとします

土地が3つあります
a b c とします。

問題は相続人Aが被相続人が高度痴呆症の状態〈診断書、看護経過記録で明らかな証拠はあります。〉で土地aを売却してしまいました。売却金は被相続人の口座に入ったのですがそのお金を全て使ってしまったようです。使い道は不明です。

【質問1】
仮に遺産分割調停で土地aは相続人Aの相続と決まった場合、相続人Bである私は相続人Aに対して土地aに関する不当利得返還請求をおこす権利はなくなってしまうのでしょうか?

1041466さんの相談

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    遺産分割はあくまで「相続時に存在している財産」を分ける手続なので、死亡時に存在しない土地aは分ける対象になりません。
    ただ、「被相続人の土地を無断で売った」のであれば、「土地を勝手に売った」こと(不当利得というよりは不法行為)による損害賠償請求権を被相続人がAに対して取得していたことになり、その権利は法定相続分でA,B,Cが1/3ずつ相続します(Aの分は自分に対する権利なので消滅します)。そのため、B及びCがAに対して損害賠償請求をすることは可能であり、遺産分割を経る必要はなく、最初から訴訟を起こすことになります。

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    追記

    先の回答はA、B、Cがいずれも子どもであると想定した法定相続分の説明でした。その点が異なると相続分は異なります。

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    土地aはすでにないわけですから、分割のしようがありません。家裁でも遺産というときは、あくまで被相続人の死亡時に存在する財産を指しています。
    Aが被相続人死亡前に勝手に売ったのであれば、あなたは相続人として被相続人からAに対する損害賠償請求権なりを法定相続分に応じて承継していることになります(法定相続分は3分の1)。よってAに対し遺産分割調停ではなく、損害賠償請求権等を行使することになります。その場合、当該請求の調停でも訴訟でも起こせますが、通常は話し合いでは解決しないでしょうから、最初から訴訟を提起することになります。

    一応、遺産分割調停でAが勝手に売りその利益を自分のものにした、だからその分を考慮して遺産を分割する、例えばAの相続分は0で残ったものをBCで分ける、といった合意をすることもありえなくはないですが、Aが応じなければ時間が無駄になるだけですし(そしてその可能性が高いでしょう)、その時は結局は訴訟で請求しないといけなくなります。さらに勝手に売買したことの決着がつかなければ遺産分割も止まってしまうでしょうから、やはり結局は最初から訴訟を起こすのがベターということになります。

  • 相談者 1041466さん

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    加藤先生、後藤先生
    丁寧にかつ詳細にご回答いただきありがとうございます。

    相続人Aは被相続人の配偶者です。
    説明不足で申し訳ありません。

    ですので、例えば土地aの売却額が1200万円だった場合は、相続人Aの取り分は半分の600万円になるかと思います。


    加藤先生
    >遺産分割を経る必要はなく、最初から訴訟を起こすことになります。

    後藤先生
    >通常は話し合いでは解決しないでしょうから、最初から訴訟を提起することになります

    両先生がおっしゃるように最初から訴訟を提起することが本筋なのかもしれませんが、すでに調停一回目は済んでいるのと、調停員は相続人Aは確かに悪いことをしているが、長引くとお互いまた精神的に大変だから

    相続人A=土地a
    相続人B(私)=土地b
    相続人C=土地c


    というように、所有を決めましょう、と言っています。
    私も土地の管理費が発生しているので所有を先に決めて自分の取り分の土地は早めに売却したいと思っています。

    しかし遺産分割調書をまとめてしまった後は、相続人B、CはAに対して土地aの不当利得返還請求を提起する権利はなくなってしまうのでしょうか?
    可能であれば土地aはすでに売却されてるので土地の返還はできなくても、やはり不法行為で財産を手に入れているので、相続人Aに対し金銭での損害賠償請求をおこしたいと思っております。

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    所有を決めるというよりは、Aがaを売っていたので、遺産分割としては何も取得せずに、bcをBCが取得するということですね。
    法的にはそのような遺産分割をしても、損害賠償請求権は遺産分割の対象外なので請求できるといえますが、合意の趣旨からすれば、損害賠償請求も含めて解決する意味と言えるので、請求できなくなることはあります。また、調停条項の定め方次第では損害賠償請求を含めて解決済みになることもあります。
    そもそも、それぞれの土地の価値次第ですが、同じくらいの価値ならその提案で損害賠償まで解決としても損ではないと思います。
    ネットの相談では限界もあるので、資料を持って弁護士に相談する方が良さそうに思われます。

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    相続人について失礼しました。そうすると、相続分は配偶者Aが2分の1、BCが子だとするとそれぞれ4分の1ずつ、になりますね。

    追加の質問について
    そのように合意することは可能でしょう(実質的にはAが取得する相続分はなし、残りをBCで分割する、という内容かと思います)。その場合、不当利得返還請求が可能かは、理屈上は遺産分割とは関係のない請求なので可能とも考えられますが、調停条項にそうした点も含め全て解決済みという条項を入れるのではないかと思います。また、そもそもAが合意するのかにもよります。

    仮にAが合意するとして、それぞれの不動産の価値がどれくらいかが分からないと損か得かは分かりません。訴訟を選択した場合、その後再度の遺産分割を行う時間や不当利得返還請求の勝訴の見込み、そうしたことも検討すべきです。全体として損でないとなれば、調停で全て解決してしまう(不当利得返還請求はしない)ことも選択肢となるでしょう。

  • 相談者 1041466さん

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    加藤先生、後藤先生、迅速かつ明確な回答大変ありがとうございました。

    加藤先生
    >調停条項の定め方次第では損害賠償請求を含めて解決済みになることもあります。

    後藤先生
    >調停条項にそうした点も含め全て解決済みという条項を入れるのではないかと思います

    上記の件、よくわかりました。要は「調停条項」に入れなければ、損害賠償請求は遺産分割とは別物なので不当利得を提起するのは可能ということですね。
    調停員、相続人Aが同意するかはまた別の話ではありますが。

    よくわかりました。丁寧にご説明いただき大変ありがとうございました。

  • 弁護士ランキング
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    ベストアンサー
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    あくまで私見ですが、、、
    理論上は可能かもしれませんが、おすすめはしませんし、裁判所が難色を示す可能性があると思います。また、仮にそうした条項で調停成立しても、あなたが思っているようにはことが進まない可能性もあるので、不当利得の請求をされたいなら、やはり調停とは別で訴訟を起こすべきと考えます。その理由は次のとおりです。

    Aが遺産を取得せずにBCが現存するbcを分割するという分け方の実質は、aの点はAが実質取得済みなので新たに遺産を取得することなく、残りをBCで分けましょう、というものかと思います。そうすると、ある意味aのことは解決済みという前提(実質Aは自分が取得したaを処分したようなかっこうになる)がどうしても含まれてくるのではないでしょうか。aはAが取得するが(実際は分割で相続分0にする、ということですが)a処分の責任は追及する、というのは上記の分割状況と矛盾するように捉える余地が残ると思います。
    少なくともAはそうした認識になることが予想されますし、その上でこの件は解決済みというような趣旨の条項に合意するなら、後の請求も放棄したと解釈される余地が残ります。
    であれば、そもそもそのような不安定な合意はすべきではないと考えられますし、あなたはできると思っていても、後日請求した際に上記のような解釈論で調停で全て解決済みと判断されるおそれが残ります。
    実際の場面で裁判所側やAがどう考えるかは分かりませんし、上記はあくまで私見なのですが、いずれにせよ使い込み等の返還請求をする場合、遺産の話と切り離して別途の手続で行うか、返還請求の解決も含めて調停で解決するか、どちらかで行うのがセオリーと存じます。

  • 相談者 1041466さん

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    後藤先生

    いつも丁寧で詳細な回答ありがとうございます。
    理論上は可能でも、裁判所が難色を示すということですね。

    土地の管理費が増え続けることを考えると遺産分割でまとめたいのが本音ではありますが、先生のアドバイスを頭に入れ、注意して調停に臨みたいと思います。場合によっては訴訟も考えたいと思います。

    本当にありがとうございました。

この投稿は、2021年07月時点の情報です。
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