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「ずっと好きだった」結婚式で男友達がウソ告白…真に受けた新婦に、新郎「もう離婚だ」
画像はイメージです(mits / PIXTA)

「ずっと好きだった」結婚式で男友達がウソ告白…真に受けた新婦に、新郎「もう離婚だ」

ずっと前から好きだったーー。新婦の男友達が放った嘘の告白で、結婚式を台無しにされたと怒れる新郎を目撃した男性から弁護士ドットコムに質問が寄せられました。

男性によると、結婚式で男友達が、余興のつもりで「実は前から好きだった」と妻に告白。妻は本気で略奪しようとしていると思い込み、「実は私も好きだった」とその男友達に駆け寄ったそうです。

しかし、男友達はふざけて言っただけで全く奪う気などありませんでした。それを知った妻は、夫に「好きなのはあなただけ」「あれは本気じゃなかった」と言い訳し、結婚式での出来事をなかったことにしようとしています。

この出来事がきっかけで夫は妻に愛想がつき、離婚しようと思った場合、離婚の理由として認められるのでしょうか。また、夫は冗談で告白した妻の男友達に対し、慰謝料を請求することはできるのでしょうか。鶴岡大輔弁護士に聞きました。

●離婚が認められるかは具体的な状況によって変わる

「妻の結婚式での行動で離婚が認められるかは、その時の具体的な状況によって変わります」

鶴岡弁護士はそう指摘します。今回のケースで、妻は「私も前から好きだった」と男友達に駆け寄ったようです。

「例えば、妻の行動で結婚式が中止になったとか、それ以後の式の進行に大きな影響があったとか、結婚式の直後に別居をしているということであれば、離婚が認められる可能性が高いでしょう。

ただ、妻の『前から好きだった』という行動はあっても、男友達が取り合わなかったため余興のネタとして会場全体が受け取って最後まで結婚式自体は行われたという場合や、結婚式後も夫婦が何か月も同居を継続しているという場合は、離婚が認められない可能性が高くなります。結婚式が台無しということですが、どのように台無しになったのかということや、結婚式後の状況が大切です」

こんなことが起きたら、夫はやり直す気になれなさそうです。

「相談者からすると、妻は“本気”で『前から好きだった』と言ったように感じたのかもしれません。でも妻は現在『本気じゃなかった』という言い分なのですから、結婚式の最中もしくはその後の具体的な状況から妻の本気度や、妻の行動から夫婦関係が破綻したことを証明する必要があります。

相談者の方が離婚したいのであれば、結婚式のビデオや写真を見返して何があったのか思い出すとともに、今すぐ別居をした方がいいでしょう。早く別居をすればするほど、結婚式の妻の行動で夫婦関係が破綻した言いやすくなり、『婚姻を継続しがたい重大な事由』(民法770条1項5号)に該当するとして離婚が認められやすくなります」

●男友達への慰謝料請求は認められない可能性が高い

原因を作った妻の男友達に対して、慰謝料請求は認められるのでしょうか。

「妻の男友達に対する慰謝料請求は認められない可能性が高いと思います。

男友達は余興でふざけて言っただけで、妻が応じるとは思っていなかった様子です。相談者と妻の結婚を壊そうという意図(故意)はなかったと考えられます。

また、男友達は自分が結婚式の余興で『前から好きだった』と言ったとしても、まさか新婦がそれに応じるとは予測できないと思います。そうすると、男友達に法的な意味での落ち度(過失)もなかったといえます。

そのため、妻の男友達に対しての慰謝料請求は認められない可能性が高いでしょう」

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プロフィール

鶴岡 大輔
鶴岡 大輔(つるおか だいすけ)弁護士 弁護士法人とびら法律事務所
代表を務める弁護士法人とびら法律事務所は、千葉市にて累計4000件以上の離婚相談を実施。離婚、慰謝料、親権、養育費、面会交流、子の引渡し、婚姻費用など、夫婦親子に関する問題を得意とする。

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