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逃げ得は許さない…「養育費の一括請求」でダメ夫に確実に支払わせたい

離婚後、夫から養育費を受け取っている母子世帯は、5人に1人。厚生労働省「平成23年度全国母子世帯等調査」の調査で、そんな事実がわかりました。8割の夫たちは、一時期しか支払っていなかったり、まったく支払わずにいるのです。

女性にもお金にもダラシない夫との離婚が決まった女性から、弁護士ドットコムの法律相談に、「これまでの経験から、ダメ夫は絶対に支払いません。どうしたら確実にもらえるのでしょう?」との相談が寄せられました。

夫は浪費家ではあるものの、収入も高く、親から相続した不動産など財産もあるようです。そこで「養育費の一括請求をしてもらいたい」と考えているようです。

養育費は一括で請求できるのか。また、一括払いでは課税対象となるのでしょうか。森本 明宏弁護士に詳細な解説をしていただきました。

A.  贈与税の課税対象になる場合があることに注意

養育費は、子の成長段階に応じた必要な監護養育のための費用であり、月々具体的に発生するものです。原則として一括払いの請求は認められず、定期金による支払(毎月ごとの支払)をするよう家庭裁判所は判断を示しています。

夫婦間で養育費の一括払いの合意が成立すれば、一括請求は認められます。しかし、後で述べますとおり、課税上の問題を検討する必要があり、注意が必要です。

養育費は、原則として子が成人に達する月まで支払が継続されます。離婚時の子の年齢によっては離婚後10年、15年、20年近くの期間をかけて毎月支払われることになります。

したがって、その間に養育費を支払う者が、亡くなったり、職を失って収入が途絶えたり、再婚により、新たに扶養すべき子が産まれたりするなど、養育費の支払いが滞ることも十分に考えられます。

そこで、長期間にわたる確実な履行が期待できない場合、養育費の一括払いを受けることには大きなメリットがあるとも言えるでしょう。しかし、一括払いを受けた場合、贈与税の課税対象になる場合があることに注意すべきです。

毎月ごとに支払われる養育費は原則として課税されません。

しかし、将来の養育費はまだ具体的に発生していないため、支払を一括で受けた場合には贈与にあたると判断されるためです。

ただし、一括払いを受けた場合でも、信託銀行との間で、毎月一定額の均等割り給付を受けるものとする金銭信託契約を締結。一方的な信託契約の解約をできないようにして、支払われる養育費の一定額が「子の年齢その他一切の事情を考慮して相当な範囲内のもの」であれば非課税とされています

ところで、「月々の支払」の場合、不払いがあった時には、支払期限が到来していない養育費についても給料等に対する差押が可能です。

2003年の法律改正前は、養育費が生じるたび、給料等の差押の申立てを行う必要がありました。

しかし、手続的な負担を軽くするため、養育費の支払いの一部が不履行となったら、支払期限が到来していない養育費についても一括して、給料等に対する強制執行できるよう法改正されたのです。

ただし、未払いが生じるたびに差押手続きの申立てを行う必要がなくなったということであり、将来分について一括して支払を受けることができるようになるということではありませんので、ご留意ください。

取材協力弁護士 森本 明宏 (もりもと あきひろ)弁護士
愛媛弁護士会所属(2002年弁護士登録)。2010~2011年度、愛媛弁護士会副会長。愛媛地方最低賃金審議会公益委員・日本スポーツ法学会会員。
四季法律事務所

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