養育費

弁護士監修記事 2018年06月26日

「自己破産して養育費を払えない」…滞納した分を支払ってもらえる?

元配偶者から、「自己破産をしたので養育費が支払えない」と言われた場合、どうすればよいのでしょうか。それまでの滞納分や将来の養育費は請求できなくなってしまうのでしょうか。「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 「自己破産したから養育費が払えない」と言われたら?
  2. 自己破産されたら強制執行は取り下げなければならない?
  3. 破産前と破産後、どちらの養育費も請求できるのか
  4. まとめ

「自己破産したから養育費が払えない」と言われたら?

alt 離婚後に元配偶者が自己破産し、「養育費が支払えない」と言ってきた場合、将来の養育費を請求することはできないのでしょうか。

離婚後の夫の自己破産。養育費の滞納はどうなる?


相談者の疑問
離婚した際に、養育費を取り決め公正証書を作成しました。

支払いの期日が守られないため元夫に連絡すると、「自己破産の申立てをして管財人がついた。養育費は支払えない。破産が確定し残ったら支払う」と言われました。

子どもたちのためにも何とか養育費を確保したいのですが、私はこのまま夫の破産が決定するまで待つしかないのでしょうか?


沢田 貴人弁護士
御主人と離婚された後、監護するお子さんの養育費を合意したにも関わらず、養育費の滞納があるとのことでご不安な気持ちお察しします。

ご質問に対する回答ですが、養育費の支払い義務は、破産法上の非免責債権に当たりますので、仮に、支払い義務者である御主人が破産手続きにより免責許可を得たとしても、養育費の支払い義務がなくなるわけではありません。

もっとも、養育費の請求権に関しても、破産手続きの中では破産債権として他の債権者と同じに扱われることから、たとえば、破産手続き開始決定前に発生した養育費の滞納分に関しては、破産手続きに債権者として参加するため、裁判所に対して、債権の届け出をする必要があります。

他方、今後発生する月々の養育費に関しては、元夫の方に対して、お子さんの養育費は破産手続きによっても影響を受けない非免責債権だということを説明したうえで、破産手続中においては月々の養育費を任意に支払うように請求し、仮に、御主人が理解せず、任意に養育費を支払わないようであれば、時間はかかりますが、最終的に免責許可についての裁判が確定した後、改めて元夫の方の給料の差押えなどの強制執行手続きをとることになると思います。

養育費は、自己破産しても免除されることはありません。自己破産をしたとしても、養育費を請求することはできるようです。

自己破産されたら強制執行は取り下げなければならない?

alt 養育費の支払いが滞り、強制執行をしているケースで、元配偶者が自己破産を申し立てた場合、強制執行を取り下げる必要はあるのでしょうか。

自己破産と養育費の強制執行について


相談者の疑問
元旦那からの養育費の振込が滞り、公正証書に基づき強制執行の手続きをし、会社から直接未払い分も含めて振込してもらうようになりました。

その後、元旦那が自己破産の手続きをすると連絡があり、弁護士と契約したと言われました。弁護士からは、私の強制執行を取り下げた方がよいと言われたそうです。

強制執行を取り下げる必要はあるのでしょうか。


森田 英樹弁護士
養育費は非免責債権で将来分の差押えは有効ですので、自己破産開始決定が出ても取り下げる必要はないです。

相手が自己破産を申し立てたとしても、強制執行を取り下げる必要はないようです。

破産前と破産後、どちらの養育費も請求できるのか

alt 自己破産前の養育費滞納分と、自己破産後に発生した養育費滞納分、どちらも請求は可能なのでしょうか。

養育費の回収について。自己破産後の滞納分は回収できますか?


相談者の疑問
離婚後、子どもは私が引き取り、養育費について取り決めた公正証書があるのですが、取り決めた満額は入金されず、滞納もありました。

その後元旦那は1年半前に自己破産をし、破産後も養育費の入金はありません。

自己破産前の滞納分と、自己破産後の滞納分を、どちらも回収できますか?


川添 圭弁護士
養育費の支払い義務は破産・免責の対象外です(非免責債権)。よって、公正証書によって毎月の支払額が確定している養育費は、破産の前後を問わず、滞納分については全額請求できます。

公正証書の場合、通常は執行認諾文言が付与されていると思いますので、滞納分について強制執行が可能です。相手方の勤務先がわかっている場合は、給与を差し押さえるのが最も簡単です。

補足ですが、養育費を月額で決めている場合、支払い予定日から5年で時効消滅すると解されていますので(民法169条)、滞納分について請求できるのは5年前に支払うべき分からということになります。

公正証書によって毎月の支払額が確定している養育費については、自己破産の前後を問わず全額請求できるようです。 ただし、養育費を月額で決めている場合、養育費を請求できる権利は支払い予定日から5年で消滅すると考えられているので、注意しましょう。

まとめ

養育費の支払い義務は自己破産をしても消滅しないため、元配偶者に対して、破産の前後を問わず養育費を請求することができるようです。 ただし、養育費を月額で決めている場合、請求できる権利は支払い予定日から5年で消滅すると考えられているため、注意しましょう。

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