財産分与

弁護士監修記事 2018年06月18日

離婚時にペアローンの残債がある場合の注意点と返済ができない場合の対処法

住宅ローンをペアローン(夫婦でローンを組むこと)で組んでいて、離婚時に残債がある場合、返済義務は自分と配偶者とでどのように負うことになるのでしょうか。 返済ができなくなってしまった場合の対処法はあるのでしょうか。 これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 離婚時にペアローンの残債がある場合、どうすればよい?
  2. 離婚後に返済ができなくなったらどうなる?
  3. まとめ

離婚時にペアローンの残債がある場合、どうすればよい?

alt 家のペアローンの残債がある場合の離婚で、一方が家に住み続けることはできるのでしょうか。返済義務は自分と配偶者とでどのように負担することになるのでしょうか。

離婚に伴う自宅(ペアローン)の処理方法について


相談者の疑問
ペアローンで残債4500万円の自宅があります。売却した場合、売却損が700万円ほどになる見込みです。共有の財産はほとんどないので、通常の売却はできない状態です。

夫年収600、妻年収400万円ほどです。夫は、この家に引き続き住みたい。自宅ローンは全額自分で支払うと言っています。加えて、養育費も支払ってくれるようです。

もし処分するなら任意売却になってしまうと思うので、夫がそうしてくれるならそれがいいと思ったのですが、万が一、夫が住宅ローンを払えない状態になったときなどの、リスクを知りたいです。


早坂 英雄弁護士
ご自宅の売却と離婚とは別問題ですので、売却しないで離婚ということは法律上可能です。

ご自宅に、離婚後もご主人が住み続けるということであれば、2本の住宅ローン(ペアローン)の支払いは、ご主人が負担するのが通常だと思いますが、そのうち1本は妻名義のローンですので、ご主人が支払わないと、最終的には、債務者である妻が債務不履行責任を負うことになります。

その場合、自宅は任意売却か競売となることが想定され、売却後も債務が残った場合には、最後には、預金の差押えなどを受ける可能性があります。

これを回避するためには、妻名義のローンを完済してしまうことができればベストです。たとえば、ご主人に、銀行といわゆる「借換え」を交渉してもらい、新たに借り入れたお金で、妻名義のローンを全額返済してしまうことができればよいと思います。

また、もし妻が、夫名義のローンについて連帯保証人になっている場合も同じリスクがあります。この場合、通常はなかなか認めてもらえませんが、銀行と交渉して、別の保証人を入れて、妻の連帯保証を外してもらうことを試みることになると思います。

住宅ローンがペアローンの場合、家に住み続ける方が返済を負担することが通常のパターンとして考えられるようです。 ただし、住み続ける方がローンの返済を怠った場合、もう一方にも、預金を差し押さえられるなどの影響が及ぶ可能性があることに注意しましょう。

離婚後に返済ができなくなったらどうなる?

alt 離婚後、ペアローンの残債を返済することができなくなってしまった場合、どのような事態が発生するのでしょうか。対処法はあるのでしょうか。

ペアローンで離婚した場合の処理方法


相談者の疑問
ペアローンで離婚する予定です。夫は離婚に承諾はしているのですが、ほぼ全額残っている家の処理について、最善の方法が何なのか分からず困っています。

1年前に家を購入し、お互いが連帯保証人で債務者のペアローンを3100万円の35年ローンで組みました。夫1800万円、私1300万円 家の権利はそれぞれ1/2。夫の年収額面400万円弱、私は300万円弱です。

家は夫が住み続けたいと希望。現在私と長女10歳は実家で生活していますが、築40年の古い家。夫の希望は夫が住み続け、ローンは私の分を払うが、名義は夫1人に変更したい。また養育費は住宅ローンを払うから払えないとのこと。

ただ、夫には帰る実家がなく、自分の生活費で精一杯だから、住宅ローンを支払ってもらえる可能性はないように思います。これから離婚調停申し立てをしようと考えているのですが、家の処理はどうしたら良いのでしょうか?


川崎 政宏弁護士
住宅ローンほぼ全額が残っているため、とても悩ましい状況ですね。

お2人とも離婚後にとても払っていける状況ではないでしょうから、最終的にはローンの支払いができず、抵当権を実行されて第三者の手に渡ることは想定しておく必要があるかと思います(銀行も夫があなたの債務引受けをすることを認めないでしょうし、連帯債務を外してもくれないはずです)。

その場合は、お2人とも売却後の残ローンについて、やむを得ず自己破産で切り抜けるしか方法がなくなると予想されます。

養育費は非免責債権なので、養育費の支払義務はきちんと定めておいた方がよいでしょう。

いつローンが払えなくなるかの不安を抱えたままでの生活を送るよりも、今後の生活をみすえて財産関係を整理しておいた方がよいのかもしれません。破産の場合は、保有資産は債権者に配当されてしまうので、現在すぐにとなるとお2人とも何も残らないことになります。

財産隠しはできないものの、どういう方法がお子さんたちのために1番よいのか、お2人で考えたうえで、離婚協議をされることをお勧めします。

離婚後に住宅ローンの返済ができなくなると、抵当権が実行され、家は競売にかけられてしまう可能性があります。 また、競売代金で残りの住宅ローンを完済できなければ、自己破産という選択肢も視野に入れることになるでしょう。

まとめ

ペアローンの残債がある場合、離婚する際には、売却するのか、住み続ける場合は誰が返済を負担するのかを、慎重に検討する必要があるでしょう。ローンの返済が滞ると、競売や自己破産というリスクが出てくる可能性もあるようです。

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