DV

弁護士監修記事 2018年05月29日

子どもを虐待する配偶者に慰謝料請求できるか

配偶者が子どもを虐待している場合、子どもの身の安全を守るために、離婚に踏み切る人もいるでしょう。

  • 子どもを虐待した配偶者に慰謝料を支払わせることはできるのか
  • 親権はどうなるのか

これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 虐待を理由とする慰謝料請求は認められるのか
  2. 子どもを虐待した配偶者が親権者になる可能性はないのか
  3. まとめ

虐待を理由とする慰謝料請求は認められるのか

alt 配偶者が子どもを虐待したことを理由に離婚をする場合、配偶者に慰謝料を支払わせることはできるのでしょうか。

児童虐待を理由に離婚訴訟で慰謝料請求できますか


相談者の疑問
離婚の裁判で、児童虐待を理由に、親が慰謝料請求できるか相談させてください。

離婚の調停を続けていましたが不成立になりました。私(妻)が申立人でした。お互い離婚することは認めていたのですが、親権で話がまとまりませんでした。

これからは離婚の裁判をすることになります。裁判では慰謝料も請求できると聞きました。

今回の離婚をすることとなった原因の1つに、夫の、子どもに対する性的虐待があったのですが、慰謝料を請求するとき、児童虐待を理由に慰謝料請求はできるのでしょうか? 

私の心ももちろん痛みましたが、実際に被害を受けたのは子どもなので、私が離婚の裁判で慰謝料請求なんてできるのか気になりました。


藤田 康貴弁護士
児童虐待の被害者は、お子様自身ですので、慰謝料を請求できるのもお子様自身であって、親ではないのが原則であると思われます。

民法上には近親者の慰謝料請求権が定められていますが、慰謝料が認められるのは、死亡した場合および死亡に近しい精神的苦痛を被った場合と考えられており、本件での性的虐待が、その程度まで至っている場合には、ご相談者様に慰謝料請求権が発生すると思われますが、その程度に至っていないと判断される場合には、慰謝料請求はできないと考えます。

もっとも、性的虐待が行われていたことにより婚姻関係が破たんし離婚に至った場合には、そもそも、離婚自体について慰謝料が発生すると考えられますので、その意味では慰謝料請求できます。

子どもが受けた虐待を理由に慰謝料を請求できるのは、原則として子ども自身であるようです。 親が請求できるのは、虐待が原因で子どもが死亡した場合など、限られたケースになるようです。 ただし、配偶者が子どもを虐待したことによって夫婦関係が破たんし、離婚せざるを得なくなったような場合、離婚自体を理由として慰謝料を請求することができます。

子どもを虐待した配偶者が親権者になる可能性はないのか

alt 未成年の子どもをもつ親が離婚する場合、子どもの親権者を決める必要があります。配偶者が子どもを虐待したことを理由に離婚する場合、親権者はどうなるのでしょうか。虐待をした配偶者が親権者になる可能性はあるのでしょうか。

虐待妻と離婚するには。また、最初にどうしたら良いですか?


相談者の疑問
まだ、調停などはしてません。子ども2人に対する暴力、家事、育児の放棄、親への依存など、多数問題がある妻なのですが、私は週末しか帰れない仕事をしてます。

離婚成立までには毎日帰れる仕事を見つけますが、収入が落ち込むことで親権が妻へ有利に動くことが心配ですぐに動けません。また、私の給料などはすべて妻が隠し口座に入れているとのことで貯蓄などはありません。

子どもたちは週末に会うたび、助けを求めてきます。子どもたちの言葉を書面にして控えたり、家事放棄の証拠にするためゴミ屋敷となった部屋の写真は押さえてあります。私は子どもたちとともに妻と別れることができますか?


平野 由梨弁護士
親権の問題については、これまでどちらの親御さんが主に世話をされてきたかが判断のポイントになります。

もちろん、引き取った際の家庭環境、収入、育児を補助する人が居るかどうか、お子さんのご意向(15歳以上ですとお子さんの意向が最大限尊重されます。それに近い年齢でも尊重されます)なども重要ですが、お子さんの年齢が乳幼児ですと、母親が優先される傾向にはあります。

これまでの状況、別居する場合のその後の生活など、様々な事情をもとに判断されることになりますので、一度、面談での法律相談に出向かれることをお勧めします。

年齢からすると、お子さんの意向により親権が決まるということにはならないと思います(親権判断の一材料にはなると思います)。

ただ、お子さんの調査(家庭裁判所での手続きが始まると通常行われます)などにより、お子さんへの暴力などの事実が出てくれば、奥さんは親権者として不適格ということになる可能性があります。

夫婦の話合いで親権者をどちらにするか決まらない場合、調停や裁判で決めることになります。その際は、「どちらの親が主に子どもの世話をしていたのか」「引き取った際の家庭環境」「親の収入」など、様々な事情が考慮されるようです。 子どもに対する家庭裁判所の調査によって、虐待の事実が明らかになれば、子どもを虐待した配偶者は親権者として適切でないと判断される可能性があるでしょう。

まとめ

配偶者が子どもを虐待したことによって夫婦関係が破たんし、離婚せざるを得なくなったような場合、その配偶者に対して慰謝料を請求することができます。 一方、虐待によって精神的苦痛を受けたことを理由とする慰謝料は、原則として、虐待を受けた子ども自身に請求する権利があります。親など近しい関係の人が代わりに請求できるのは、限られたケースのようです。 虐待を理由に離婚する場合、未成年の子どもがいれば、親権者を決める必要があります。話合いで決まらなければ調停や裁判で決めることになります。 裁判所の調査で、虐待の事実が明らかになれば、虐待をしていた配偶者は親権者として適切でないと判断される可能性があるでしょう。

関連記事

お悩みの解決策を探す

今するべきことがわかります

今するべきことがわかります 離婚・男女問題のやること診断

解決までの全記事

必要な情報を詳しく知りたい方へ

離婚・男女問題の「トラブル体験談」

Aさん(30代女性)

DVを繰り返す夫から自由に - 2人の子どもの親権と養育費を勝ち取ったAさんの体験談

  • DV
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流

結婚11年目のAさんは、パートで働きながら8歳と10歳の子どもを育てる母親でした。会社勤めをしている夫は、家事や育児に協力しないだけでなく...

Bさん(20代女性)

性格の不一致から夫との生活が苦痛に - うつ病を患いながら離婚を成立させたBさんの体験談

  • 性格の不一致による離婚
  • うつ病
  • 新居の処分

結婚1年目のBさんは、夫と共働きの二人暮らし。当時仕事に追われていたBさんは、家庭内での夫の態度に違和感を覚えるようになっていました。B...

Cさん(40代女性)

育児・家事に無関心な夫と離婚 - 3人の子どもの親権・養育費を争ったCさんの体験談

  • 親権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 年金分割

Cさんは、3人の子どもを育てる専業主婦でした。公務員の夫は、結婚当初から家庭内のことに無関心でした。「子どもが生まれたら変わるかな」と...

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

DV・暴力を扱う弁護士を探す

DVに関する法律相談

  • dv、お互いされていた場合、接近禁止命令に関して

    過去に付き合ってた女性に対して暴力をふるったことが有ります。その後にも彼女側からの暴力もありました。 なお彼女の方は当時住んでた家で包丁まで向けることが有りました。その彼女とは別...

    3弁護士回答
  • 力を振るう彼との離婚について。

    離婚を視野に入れて検討しています。 結婚式の前日口喧嘩をしました。 彼はその時期繁忙期であり、仕事からの帰宅も遅い時もあり、私が仕事を早めに切り上げ、結婚式の準備はほとんど私がし...

    1弁護士回答
  • 夫からの生活費が少なく、離婚を考えています。

    よろしくお願いいたします。 夫…手取り30~40万くらい、家賃、光熱費、保育料、夫の保険代、車代、 私…手取り10万くらい、食費、日用品、その他雑費 長男…小学生 次男…保育園 去年まで年間1...

    2弁護士回答
  • DV外国人(永住者でない)夫との安全な別れ方

    ・夫:在留資格3年、配偶者ビザ(離婚後に勤務先が夫に今年4月に新設されたビザを斡旋しない限り離婚後は強制退去か) ・私は安定した正社員で、主に家計を担う。家賃や携帯など全ての契約...

    1弁護士回答
  • dv条令の住民票閲覧

    役所の住民票をdv条令で特定の人から閲覧できないようにしました。弁護士や司法書士が特定の人から依頼を受けた場合、閲覧できるように、なるのでしょうか?

    2弁護士回答
1 2 3 4 5 ... 30 ... 50

相談を絞り込む

DVの法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

離婚・男女問題のニュース

  1. 妻に不倫された夫が「もう一度、ホテルへ行っ...
  2. 教員の30代夫が「職場不倫」、相手は「50代女...
  3. 「胸を見せて!」夫がハマったライブチャット...
  4. 交際中の人妻が妊娠、一緒になりたいのに夫が...
  5. 既婚の彼と結婚したい!「駆け落ちしちゃえば...
  6. 既婚男、出会い系で知り合ったシンママを妊娠...
  7. 「離婚調停に協力して」頼んできたのは、不倫...