親権

弁護士監修記事 2017年07月31日

子どもの親権者の変更が認められるケースと手続の流れ

いったん親権者を誰にするか決めた後は、親の都合で勝手に変更することはできません。 しかし、親権者が適任ではなく子どもの成長に悪影響があるなどの場合、親権者を変更できることがあります。 この記事では、親権者を変更できるケースと、その手続きについて詳しく解説します。

目次

  1. 親権者を変更できるのはどのような場合?
    1. 子どもが親権者から虐待などを受けている場合
    2. 親権者が死亡、行方不明の場合
  2. 親権者を変更するための手続き
    1. まずは調停を申し立てる
    2. 調停が不成立になった場合は審判へ

親権者を変更できるのはどのような場合?

alt 親権とは、未成年の子どもを育てたり、世話をしたりする権利・義務です。結婚していれば、父母が共同して親権を行使しますが、離婚をする場合、どちらの親が親権者になるかを決めなければなりません。 一度決めた親権者は、そう簡単に変更することはできません。しかし、永久に変更できないかというと、必ずしもそうではありません。 民法には、子どもの利益のために必要な場合、家庭裁判所は、子どもの親族(親権者ではない方の親や祖父母など)からの請求により、親権者をもう一方の親に変更することができると定められています。 つまり、離婚調停や離婚訴訟において、他方の親が親権者となったことに納得がいかないからといって、それだけを理由に親権者を変更することはできないということです。

子どもが親権者から虐待などを受けている場合

たとえば、子どもが親権者から虐待を受けているなどの場合、その親権者に子どもを育てさせることは、子どもの成長に悪影響を与えます。 このような場合に、子どもの親族が裁判所に親権者変更の調停を申し立て、話し合いがまとまれば、親権者を変更することができます。 親権者の変更は、あくまでも「子どもの利益」のために行われます。そのため、「再婚するから子どもが邪魔になった」「母親が親権者になったことに納得できず、奪い取りたい」などの理由では、変更は認められません。

親権者が死亡、行方不明の場合

また、離婚するときに親権者となった人が死亡したり、行方不明になり、親権者を変更することが子どもの成長にとってよいと考えられる場合にも、変更が認められます。 親権者が死亡すると自動的にもう一方の親に親権が移るわけではありません。 親権を行使する者がいなくなった場合、後見が開始するのが原則ですが、後見人の就任の有無にかかわらず、他方の親などの申立てにより、家庭裁判所で親権者変更の手続きを行うことができます。

親権者を変更するための手続き

alt 離婚するときに親権者を決める場合は、父母の話し合いで誰を親権者とするか定めることができます。 しかし、一度決めた親権者を変更するときは、夫婦の話し合いだけでは決められません。 家庭裁判所で調停か審判を行い、裁判所の関与の下で親権者を変更する必要があります。

まずは調停を申し立てる

親権者を変更するには、まず家庭裁判所に調停を申し立てます。申立て先は、原則として現在の親権者の住所地の家庭裁判所か、当事者の合意で決めた家庭裁判所です。 申立てには次の書類が必要です。

  • 申立書とその写し1通(裁判所のホームページからダウンロードできます。書き方のサンプルもあるので参考にしてください)
  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)

申立て前に戸籍を手に入れることができない場合は、申立て後に追加で提出することもできます。 また、申立てには次の費用がかかります。

  • 子ども1人につき収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手

親権者変更調停で重視されること

親権者を変更できるのは、家庭裁判所が子どもの利益のために必要があると認めるときに限られます。 調停では、申立人が親権者を自分に変更することを希望する事情や、現在の親権者の意向、今までの養育状況、親権者についての合意と事情の変更、父母それぞれの経済力や家庭環境などが考慮されます。 また、子どもの年齢や性別、性格、就学しているかどうかといったことも考慮されます。年齢が15歳以上の場合には、裁判所は子ども本人の意向を必ず聞くことになっています。15歳未満でも、その意向が考慮される場合があります。 こうしたやりとりを通して、各種事情・状況を把握し、子どもの利益を考えた取り決めができるように、話し合いが進められます。

調停が不成立になった場合は審判へ

調停での話合いがまとまらず、調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が始まります。 審判では、裁判官があらゆる事情を考慮して、親権者変更を認めるべきかどうか判断を下します。 親権者が行方不明などで調停に出席できないようなときは、調停を行わず、親権者変更の審判を申し立てることができます。 調停や審判の結果、新たに親権者になった人は、調停成立・審判確定の日から10日以内に市区町村役場で親権者変更の届出をします。

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