裁判離婚

弁護士監修記事 2017年07月31日

裁判で離婚するための手順…「離婚裁判」の手続きの流れ・期間・費用

夫婦で話し合っても離婚に合意ができず、離婚調停でも決着がつかなかった場合、離婚したい夫婦の一方は、裁判で離婚を求めることになります。 裁判では、離婚するか否かの判断と同時に、親権者の指定、養育費や慰謝料の額、財産分与の割合なども裁判官に判断してもらうことができます。 この記事では、離婚裁判の流れや、裁判で必要な「法定離婚事由」などについて詳しく解説します。

目次

  1. 離婚訴訟(離婚裁判)とは
  2. 調停との違い〜離婚裁判は公開の法廷で行われる
  3. 裁判で離婚を争うには「法定離婚事由」が必要
  4. 具体的な手続の流れ
    1. まず「訴状」を提出する
    2. 訴状提出から約1か月後に「第1回口頭弁論」
    3. 2回目以降も証拠をもとに審理が行われる
    4. 裁判の途中で、和解を勧められることもある
  5. 弁護士に依頼するべき?

離婚訴訟(離婚裁判)とは

alt 家庭裁判所での調停が不成立に終わった場合、また、審判に対して異議申立てがあった場合には、離婚したい当事者は、裁判を起こすことになります。 反対に、いきなり離婚訴訟を提起することはできず、まずは家庭裁判所で調停を行い、話し合いによる解決を図らなければなりません(調停前置主義)。 裁判では必ず判決または和解によって解決が図られるため、長きにわたる争いに決着をつけることができます。 ただし、納得がいかない判決が出たとしても、裁判官の判断に従わなければなりません。 どうしても判決に納得できない場合は、控訴・上告し、裁判のやり直しを求めることになります。 裁判では、離婚するか否かの判断と同時に、未成年の子どもがいる場合の親権者の指定、養育費や慰謝料の額、財産分与の割合などについても判断してほしいと申し立てることができます。

調停との違い〜離婚裁判は公開の法廷で行われる

alt 離婚調停は、非公開の調停室で、調停委員を前に、当事者が交互に話をする形で進行します。 調停委員は、法律等の専門家に限らず、地域社会に密着して幅広く活動してきた人など、社会の各分野から選ばれた一般の方です。 一方、離婚裁判は、原則として、公開の法廷で裁判官を前にして手続きが進められるもので、訴訟記録は第三者も閲覧できることになります。

裁判で離婚を争うには「法定離婚事由」が必要

alt 裁判で、当事者の意思にかかわらず、強制的に離婚を認めてもらうためには、法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)が必要です。 具体的には、離婚したい理由が、以下の5つのどれかに当てはまる必要があります。

  • 不貞行為…結婚している人が、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと

  • 悪意の遺棄…配偶者が、正当な理由がなく同居しなかったり、最低限の生活費を渡さなかったりするなど、生活の保障をしないこと

  • 3年以上の生死不明…配偶者の失踪や家出などにより、3年以上生死が分からない状態が続いていること

  • 強度の精神病…配偶者の精神障害について回復の見込みがなく、夫婦が互いに協力し合う義務を充分に果たせないこと

  • 婚姻を継続し難い重大な事由…上記の離婚理由には当てはまらないものの、夫婦関係が破たんし、やり直すことが不可能な状態のこと

離婚裁判では、離婚を求める側が「こうした事情が離婚事由にあたる」と主張し、主張を裏付ける証拠を示す必要があります。 その結果、裁判所が「この夫婦には法定離婚事由がある」と判断した場合に、離婚が認められます。

具体的な手続の流れ

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まず「訴状」を提出する

裁判を起こすためには、まず裁判所に「訴状」を提出します。訴状とは、裁判を起こす人が、自分の言い分をまとめた文書のことです。 訴状の書式は、裁判所のホームページからダウンロードすることができます。 離婚調停と離婚裁判は別の手続きなので、調停での記録は裁判に引き継がれません。そのため、離婚調停において調停委員に説明したことを、改めて離婚裁判において、裁判所に対して主張・立証しなければなりません。 訴状の提出先は、夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所です。調停を行った家庭裁判所を指定できる場合もあります。 訴状を提出するときに、以下の書類とそれぞれのコピーを一緒に出します。

  • 離婚調停不成立調書
  • 夫婦の戸籍謄本
  • 証拠書類(不貞に関する写真、DVによる負傷に関する診断書など)
  • 年金分割を併せて求める場合には、年金分割のための情報通知書

また、訴え提起には以下の費用がかかります。ケースごと(離婚だけでなく、慰謝料、財産分与なども求めるか否か)に金額が異なるので、訴状を提出する家庭裁判所に確認しましょう。

  • 収入印紙(1万3000円〜)
  • 郵便切手

訴状提出から約1か月後に「第1回口頭弁論」

訴状を提出すると、数週間後に、離婚の裁判を起こした人(原告)に対し、裁判所から、「第1回口頭弁論」の日程調整の連絡があります(第1回口頭弁論期日は提訴して1~2か月後)。 その後、裁判の相手(被告)に対し、家庭裁判所から、訴状が送付され、「第1回口頭弁論」の日時が通知されます。 被告は、第1回口頭弁論期日の前に、「訴状の内容を認めるかどうか」「認めない場合、それはなぜか」を書いた書面(答弁書)を家庭裁判所と原告に送ります。 第1回口頭弁論期日では、裁判官が、訴状と答弁書に書かれたことについての原告と被告の主張を確認し、争いになっていること(たとえば、不貞行為があったかどうかなど)を整理します。 その後、原告と被告それぞれが、裁判官の前で、自分の主張を裏付ける証拠を提出します。 争いとなっていることについて、裁判官が、原告と被告それぞれの証拠をもとに、どちらの主張が正しいかを検証し、明らかにします。

2回目以降も証拠をもとに審理が行われる

その後も月に1回ほどのペースで口頭弁論が行われていきます(非公開の部屋で行われる「弁論準備」という手続きで審理が進むこともあります)。 2回目以降の期日でも、原告と被告それぞれが主張・証拠を出し合い、原告が主張する事実があったか、被告の反論が正しいかなどが審理されます。 双方の主張が尽きると、「本人尋問」が行われます。これは、原告と被告それぞれが、自分側の弁護士と相手側の弁護士、そして裁判官からの質問に答えることです(弁護士をつけない本人訴訟の場合には、もちろん弁護士からの質問はありません)。 本人尋問は、原告と被告それぞれが提出した「陳述書」の内容が事実かどうかを答えていく形で進められます。陳述書とは、これまでの結婚生活や離婚までの経緯などをまとめた文書です。 ひととおりの審理を行った後、裁判官が、原告が主張する離婚原因が存在するかを判断し、離婚を認めるか否か(慰謝料や親権、養育費等も求めた場合には、それらの事項も)の判決が下されます。 判決に不服があれば、2週間以内に高等裁判所に控訴し、裁判のやり直しを求めます。判決が確定した場合は、10日以内に「判決書謄本」と「確定証明書」を離婚届と一緒に役所に提出し、離婚が成立します。

裁判の途中で、和解を勧められることもある

離婚の裁判を進めていく中で、裁判官から、判決を待たずに話し合いで解決(和解)してはどうかと提案されることがあります。 原告と被告が和解を受け入れ、離婚の各条件に合意すると、和解が成立します。その後、和解調書が作成され、10日以内に離婚届を提出すれば離婚が成立します。 和解調書には判決と同じ効力があり、養育費や慰謝料の取り決めをしたのに支払われないときには強制執行(相手方の財産を差し押さえて支払いに充てること)が可能となります。 裁判官から和解を提案されても、これに必ず従わなければならないわけではなく、納得ができなければ応じる必要はありません。 しかし、このまま裁判を続けても先が見えない場合や不利な判決が予想される場合、長期化することを避けたい場合は、和解に応じた方がいいこともあります。 和解の申入れは、裁判が続いている間であればいつでも可能です。

弁護士に依頼するべき?

alt 離婚裁判となった場合、絶対に弁護士に依頼しなければならないわけではなく、提訴する本人が訴状を作り、手続きを進めることもできます。 ただ、裁判に勝つためには法律の専門知識や法廷闘争のテクニックが必要です。ある事実をどのように評価して法定離婚事由に該当するとするのか、また、ある証拠からどのような事実が証明されるのか、といったことは、やはり一般の方では判断が難しく、法律の専門家に任せるべき場合も多いでしょう。 特に、証拠上有利と思っていても、相手方が弁護士に依頼した場合、弁護士をつけないで闘おうとすると、劣勢に立たされる可能性が大いにあります。 また、弁護士に依頼をすれば、弁護士が代理人として代わりに裁判所に行くので、平日の日中に行われる口頭弁論などに本人が出席する必要がない、というメリットもあります。 離婚裁判の弁護士費用は、弁護士やケースごとに様々ですが、相場としては、着手金(依頼するときに払うお金)が30万円前後、報酬金(望む結果が得られた場合に払うお金)は50万円前後が一般的です。 ただし、慰謝料や財産分与等も併せて求める場合には、経済的利益に従った着手金・報酬金が加算されることが多いです。 弁護士費用については、初回の相談でおおよその目安を教えてもらうとよいでしょう。

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