養育費

弁護士監修記事 2017年07月31日

養育費を増額できるケースと必要な手続き

「これまで働いていたが失業して経済的に苦しくなった」「子どもが病気をして継続的に医療費がかかるようになった」ーー。離婚の際に養育費について取り決めたとしても、後で事情が変わり「金額を増やしてほしい」と悩んでいる方もいるでしょう。 このような場合、親権を持つ親(親権者)は、親権のない親(非親権者)に対して、養育費の増額を求めることができます。ここでは、以下のポイントについて詳しく解説します。

  • 養育費の増額が認められるケース
  • 養育費を増額するための手続きの流れ

目次

  1. 養育費の金額は後から変更できる場合がある
  2. 話し合いで合意したら公正証書として残そう
  3. 話し合いでまとまらない場合、調停を利用する
    1. 増額は、予想しなかった事情変更があったときに認められる
    2. 調停の手続の流れ

養育費の金額は後から変更できる場合がある

離婚によって、法的な夫婦の関係は解消されますが、親子の関係は続きます。離婚して子どもと離れて生活するようになった親にも、子どもを扶養する義務があります。 そのため、親権を持つ親(親権者)は、親権のない親(非親権者)に対して、養育費を請求することができます。 養育費とは、子どもを養い育てるための衣食住の費用や教育費、医療費など、子どもが社会的自立を果たすまでに必要な費用のことです。 養育費の額などの条件は、夫婦の話し合いか、話し合いで結論が出なければ、家庭裁判所の調停や審判で決めます。一度決めた額は変更できないわけではなく、場合によっては増額や減額ができます。

話し合いで合意したら公正証書として残そう

増額を求めるために、相手と話し合い、合意できた場合は、増額分など新たに決まったことを公正証書の形で文書にしておくことをおすすめします。 公正証書とは、公証役場で 、裁判官などの法律の専門家から選ばれた公証人に作成してもらう文書です。公正証書には高い信用性があるため、のちに裁判などに発展した場合、強力な証拠になります。 また、「強制執行認諾文言」という文言を記載しておけば、養育費が約束通りに支払われなくなった場合に、裁判などの手続きを経なくても、強制執行により預金、給料、不動産等を差し押さえることができます。 強制執行認諾文言とは「ここに書かれた取り決めを破ったら、強制執行を受けても文句は言いません」と約束させる一文です。

話し合いでまとまらない場合、調停を利用する

話し合いで合意ができない場合には、養育費の額の変更を求めて、家庭裁判所の「養育費請求調停(増額)」を利用することができます。

増額は、予想しなかった事情変更があったときに認められる

養育費の算定については、裁判所が金額についての目安(養育費算定表)を公表しています。 この算定表において、考慮されているのは次のような事情です。

  • 子どもと生活を共にしていない親(養育費を支払う親)の年収
  • 子どもと生活を共にしている親(養育費を受け取る親)の年収
  • 子どもの人数
  • 子どもの年齢

そして、この算定表を基礎に、個々の事情を加味して具体的な養育費の金額が判断されます。 したがって、算定時に考慮されたこのような事情に変更があった場合、養育費の増額が認められる可能性があります。たとえば、次のような事情です。

  • 養育費を受け取る親の失業や病気、事故などにより経済状態が悪化した
  • 物価が大幅に上昇した
  • 子どもの進学や授業料の値上げで教育費が増加した
  • 子どもの病気やけがによって、継続的に医療費がかかるようになった。

このように、養育費について決めた後で予想外の事情変更があり、従来の金額では子どもを育てていくことが難しくなった場合に、養育費の増額を求めることができる可能性があります。 もっとも、非親権者に、増額に応じられるだけの経済力があるかどうかもポイントです。 非親権者の収入からすると、これまでよりも多い養育費を支払える見込みがなければ、増額が認められる可能性は低いでしょう。

調停の手続の流れ

調停は、親権者が、非親権者の住所地の家庭裁判所に申し立てることでスタートします。 調停では、弁護士や医師など豊富な経験や専門知識を持つ「調停委員」が当事者の間に入り、「どのような事情変更があったのか」「どのくらい増額するべきか」といったことを中心に話し合いながら、お互いが納得できる着地点を探っていきます。 最終的に合意ができれば「調停調書」が作成され、その後は調停調書に書かれた内容に沿って養育費が支払われることになります。 調停調書があれば、支払いが滞ったときなどに、非親権者の給料、預金口座や不動産等を差し押さえる「強制執行」ができます。 調停での話し合いがまとまらなければ、調停は不成立となり、自動的に審判の手続きに移行します。審判では、裁判官が一切の事情を考慮して、増額を認めるかどうか、いくらの増額を認めるかの判断を下します。

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