離婚調停に提出する「陳述書」とは

離婚調停では、「陳述書」という書類を提出することができます。調停を進めるために絶対に必要な書類ではありませんが、提出することで調停を円滑に進められる可能性があります。

  • 陳述書はどういうものなのか
  • どうやって書けばいいのか
  • 提出すると調停で有利になるのか

そんな陳述書への疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた、実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。陳述書の定義や書き方、どんな場合に必要なのかを知りたい人は参考にしてみてください。

目次

  1. 陳述書ってどんなもの? どうやって書けばいいの?
  2. 離婚調停に陳述書は必要?
  3. 陳述書を相手に見られたくない場合、どうすればいいのか?

陳述書ってどんなもの? どうやって書けばいいの?

まず、陳述書とはどんなものか確認しましょう。裁判所のウェブサイトには次のように記載されています。

陳述書とは、事件に関してあなたが経験したり認識したりした事実を時系列に沿って述べたものをいい、あなたの言い分を裁判所や相手方が理解し、事件の経緯や問題の所在を把握するために用いられるものです。

裁判所HP

このように、陳述書とは、自分の主張を補足するために、離婚調停を申し立てるに至った経緯をまとめた書類です。 では、どのように書けばいいのでしょうか。書き方のルールがあるのでしょうか。

モラハラ離婚調停の際に書く陳述書

相談者の疑問 離婚調停がもうすぐ始まります。陳述書の具体的な書き方がよくわからず、どのようにどれくらいの量を書けばよいのでしょうか?書く事や書かない事にメリットやデメリットはあるのでしょうか?

鮎川 泰輔の写真 弁護士の回答鮎川 泰輔弁護士 書き方に形式や制限はありませんが、住所氏名を記載し押印するのが一般的です。

あなたが離婚したいと考える原因となった事案を具体的に裁判所に伝えるような内容がよいでしょう。
いつ・どこで・誰が・誰に対して・何をしたのかという要素は入れた方が分かりやすいかと思います。

川崎 政宏の写真 弁護士の回答川崎 政宏弁護士 調停段階では、提出した書面は、原則として相手も閲覧可能となるので、内容によっては、紛争が激化する懸念もあります。

調停委員にだけ理解してもらいたいことは口頭で伝える方がよいでしょう。

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離婚調停に陳述書は必要?

このように陳述書は、内容によっては相手方を刺激し、紛争をこじれさせる可能性があるようです。それでも陳述書は提出したほうがよいのでしょうか。

離婚調停申し立ての際、陳述書は必要ですか?

相談者の疑問 離婚調停を申し立てる際、裁判所から指定されている付属書類以外に、離婚を決意した経緯や自分の主張など陳述書という形で自分が作成したものを提出したほうがよいのですか?

市村 和也の写真 弁護士の回答市村 和也弁護士 離婚調停の申し立てに際して陳述書は必要不可欠なものではありません
調停の際には、調停委員から経緯やご自身の主張を聞かれることになるので、そこで説明することができれば、陳述書は不要です。

しかし、あらかじめ調停委員に事情を知っておいてもらいたい、ということがあれば、陳述書を申立ての際に提出することも考えられます。また調停を進める中で、経緯が長くなる場合や、事情が複雑で口頭での説明が困難である場合等には、提出が必要となることもあります。

ただし、陳述書を提出すると相手方も見ることが考えられるので、記載内容には十分気をつけてください。調停はあくまで話し合いなので、不必要に相手を挑発するような記載は控えるべきでしょう。

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陳述書を相手に見られたくない場合、どうすればいいのか?

陳述書の提出には、知られたくない相手方に内容も見られるリスクがありますが、陳述書を相手方が閲覧できないようにすることはできないのでしょうか。

離婚調停の提出書類について

相談者の疑問 離婚調停の際に裁判所に提出する書類について、相手に見せないでもらいたいという旨を伝えて、相手に送ってもらう文書とは別に作成して、提出することは可能でしょうか?

森田 英樹の写真 弁護士の回答森田 英樹弁護士 原則として裁判所に提出された書面は相手方にも開示されます。
ただ居所を知られたくないなどの特別の事情がある場合には例外も認められているので、担当書記官に確認するのがよいと思います。

緒方 直人の写真 弁護士の回答緒方 直人弁護士 調停委員によく理解してほしいということであれば、提出しないことを明示して、文書を示しながら説明し、説明が終われば文書を引き下げるという方法もあるかと思います。

相談者の疑問 調停時に調停委員の方に提出し、相手方に見せないでほしいとのことで返してもらった書類は、裁判官は読まず、調停委員からの説明のみを聞くということでしょうか。

森田 英樹の写真 弁護士の回答森田 英樹弁護士 調停は、調停委員2名と裁判官1名で調停委員会が構成されており、調停時の出来事について調停委員だけで判断できない事項は、中間評議といって、調停中に裁判官の指示を仰ぐことがよくあります。

あなたが提出され、相手方へは非開示を希望される書類の取り扱いについても、調停委員だけで判断できない場合は、裁判官にその書面を見せ、あなたの希望を伝え、その取り扱いをどうするか判断を仰ぐことになると思います。

調停は話し合いの場ですし、弁護士を依頼せず、ご本人で調停に臨まれる方も多いので、あまり心配しなくても調停委員が適切に対処アドバイスしてくれると思います。

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