離婚協議で妻から養育費の支払いを一括で求められたら応じる必要あるのか?【弁護士Q&A】

離婚に向けた協議では、養育費の金額や支払い期間についても話し合うことになります。妻が、失業などを理由に支払いが滞ることを危惧して、養育費の一括での支払いを求めてきた場合、応じる必要はあるのでしょうか。 また、妻名義の住宅ローンの支払いや子どもの習い事の費用も養育費として認められるのでしょうか。 こうした疑問について、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 養育費の一括払いに応じる必要はある?
  2. マンションのローンや子どもの習い事の費用も支払う必要ある?

養育費の一括払いに応じる必要はある?

退職金が支払われたことを知った妻が、現在失業中の夫に対して養育費の一括請求を求めてきた場合、要求に応じる必要はあるのでしょうか。

退職金からの養育費の前払い請求

退職金からの養育費の前払い請求 妻と別居して離婚協議中です。私は失業中で、精神の障害者2級です。ここ数年は手当で暮らしてきました。家計には影響ないよう対応しました。

おそらく、私の養育費が将来入ってこないと見なした妻側から、私が2月に退職をしていることに目をつけて、退職金の1/3を養育費の前払いとして要求してきました。私の退職金は約1000万円です。つまり330万円もの大金を要求しています。

これは不当要求でしょうか?どのように断ればよいのでしょうか?

中井 陽一の写真 弁護士の回答中井 陽一弁護士 法律的には、養育費を前払いで支払う義務はなく、あなたが同意・承諾しない限り、養育費の前払いは認められません。

そもそも法的義務がないことですから、断る理由は何でもよく(理由がなくても構いません)、「養育費の前払いの義務はない」とか、「前払いをするつもりはない」程度で構いません。

妻が調停などを申請してきたとしても、裁判所でも、養育費の前払いを強制的に認めることはまずありませんので、その点は心配されなくてよいと考えます。

もっとも、退職金については、婚姻期間に応じて、財産分与として一定割合を妻に分与しなければならない可能性があります。たとえば、就職と同時に結婚したような場合ですと、退職金について妻側にも2分の1の財産分与請求権があるという結論になる可能性もあります。

養育費の前払いについては法的義務がないので、それほど不安にならなくてもよいものの、財産分与の関係などもありますので、もしまだ弁護士と会ってじっくりと相談をされていないのであれば、現段階でお近くの法律事務所等で、離婚をよく扱っている弁護士と会ってしっかりと相談をしておくべきかと思います。

退職金からの養育費の前払い請求 妻も四年前に退職し、退職金を得ており、貯金、保険、有価証券などは財産分与としない旨、一応の合意を得ております。

中井 陽一の写真 弁護士の回答中井 陽一弁護士 そうでしたか。
財産分与については争点となっておらず、あくまで養育費の前払いのみが争点なのであれば、仮に調停となったとしても、養育費の前払いが強制されることはないと考えてよいですので、不安になられる必要はないかと思われます。

「不満なら自分で弁護士に相談してみるか、家庭裁判所に調停を申し立ててくれ」と言うのも一つの方法かもしれません。

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マンションのローンや子どもの習い事の費用も支払う必要ある?

妻名義のマンションのローンの支払いや、子どもの習い事の費用も支払う必要があるのでしょうか。

養育費の金額について、あまりに高額でも認められるのかな?

養育費の金額について、あまりに高額でも認められるのか 中学生の子供が一人います。妻と私は公務員で、年収も同じくらい。700万ちょっとです。離婚の話の中で、今の分譲マンションから私が出て、妻がマンションの支払いをしてます。名義も妻です。

そこで、離婚条件で、マンションの支払いや習い事、今後の学費の為に、毎月8万、ボーナスで12万の年2回、合計年120万を払えと言ってます。常識的には、4万から6万くらいと早見表で認識していたのであまりの内容にビックリです。
こんな支払いを認めなくてはならないのでしょうか?

川崎 政宏の写真 弁護士の回答川崎 政宏弁護士 現在の算定表を基本として月4~6万円をきちんと主張されたらよいです。

マンションについては、妻名義で妻が現住していますから、妻がローンを払って自らの資産形成をしているだけなので、養育費算定上は考慮する必要はありません。

また習い事は養育費に織り込み済みです。そして、将来の学費の貯蓄分は現時点で考慮する必要はありません。

審判や判決では通らない先方の主張ですが、協議・調停段階ではあくまで要望として提示されているものと言えます。

※2019年12月23日に、裁判所が新しい養育費の算定表を公表しました。今後の実務では、これまでよりも高い養育費が認められる可能性があります。 ▶ 離婚・男女問題を扱う弁護士を探す

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