【嫡出否認と認知】新しい夫の子が元夫の子と推定されてしまうときに必要な手続き

再婚した夫との間に子どもが生まれても、タイミングによっては、出生届が受理されない可能性があります。離婚した時点から300日以内に生まれた子どもは、前の夫の子どもと推定するルールがあるからです。 離婚後に妊娠したことが確実ではない場合、出生届は、いったん元夫との子どもとして提出します。その後、元夫に「嫡出否認(ちゃくしゅつひにん)」という手続きをしてもらい、親子関係を法的に否定した上で、新しい夫に認知してもらう必要があります。 この記事では、嫡出否認と認知の手続きについて詳しく解説します。

目次

  1. 嫡出否認とは
  2. 嫡出否認の調停の流れ
  3. 新たなパートナーとの親子関係を生じさせるには「認知」が必要

嫡出否認とは

嫡出否認の手続きは、法律上は親子と推定される父親が、「生まれた子どもが自分の子どもではない」と裁判所に認めてもらうための手続きです。家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。 申し立てることができるのは元夫だけなので、元夫に調停を申し立てるよう依頼することになります。

別れた夫とコンタクトをとることに抵抗がある方や、協力を得られるか不安な方もいるでしょう。しかし、元夫としても、親子関係を否定しないと、その子どもを扶養したり、自分の財産を相続させたりしなければならないため、協力してもらえる可能性は十分あるでしょう。

調停での話合いで合意ができ、裁判所が調査して問題がなければ、子どもは法律上、元夫の子どもではなくなります。 一概には言えませんが、調停が終わるまでにかかる期間の目安は、1か月から3か月ほどで、あなたや元夫が裁判所に行く回数は1〜2回程度と考えておくとよいでしょう。その間、子どもは元夫の戸籍に入ることになります。 嫡出否認の調停では、元夫と子どもとの親子関係がないことを明らかにするために、DNA鑑定を行う場合もあります。 DNA鑑定の費用は、原則として元夫が負担することになります。金額は個別の事案によって異なりますが、10万円程度が目安と考えておくとよいでしょう。

嫡出否認の手続きは、元夫が子どもの出生を知った時から1年以内に始める必要があります。調停で解決できない場合は裁判で判断してもらうことになります。

嫡出否認の調停の流れ

調停は平日に行われ、1回にかかる時間は2時間ほどです。あなたと元夫はそれぞれ別の待合室で待機し、交互もしくは同時に調停室に入ります。 調停では、調停委員(弁護士や医師などの専門家)のアドバイスを受けながら、話合いを進めていきます。 嫡出否認の調停で、あなたと元夫が話し合い、子どもが元夫の子どもではないという合意ができ、裁判所が調査して問題ないと判断すれば、嫡出否認の手続きは完了です(合意に相当する審判)。 嫡出否認の手続きが完了した後、市区町村役場で、子どもの戸籍訂正の届出をします。 このとき、裁判所から発行される、調停(または判決)の謄本と確定証明書を一緒に提出する必要があります。 戸籍訂正の届出をすると、子どもは元夫の戸籍から外れ、あなたと、あなたと再婚した新しいパートナー(ほんとうの父親)の戸籍に入ることになります。

新たなパートナーとの親子関係を生じさせるには「認知」が必要

嫡出否認の調停で元夫との親子関係を否定できても、そのままでは、子どもと新たなパートナーとの法律上の親子関係は生じません。 子どもと新たなパートナーとの間に法律上の親子関係を発生させるには、新たなパートナーに子どもを「認知」してもらう必要があります。 認知によって、子どもと新たなパートナーの間には法律上の親子関係が発生し、新たなパートナーは子どもを養い育てる義務を負います。 将来あなたがパートナーと別れることになった場合でも、認知してもらっていれば、子どもを育てていくために必要なお金(養育費)を請求できます。 また、認知によって法律上の親子関係が生じていれば、新たなパートナーの死後、子どもはその財産を相続することができます。 新たなパートナーが認知に同意している場合には、市区町村役場に認知届という書類を提出すれば、手続きが完了します。 一方、何らかの理由で、新たなパートナーが認知を拒否している場合には、あなたが裁判所に認知調停という手続きを申立てて認知を求めることになります。調停で解決しない場合、最終的には裁判を起こして、裁判所の判断を求めることになります。

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