
事実婚の相手に養育費を支払ってもらえる?
事実婚の状態にある男性との間に子どもが生まれた場合、子どもを育てるために必要なお金を支払ってもらうことができるのでしょうか。
- 事実婚の相手に養育費や保育園代を請求できるのか
- 養育費の金額の目安はどのくらいか
- 連れ子の養育費も請求できるのか
これらの疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。
事実婚でも養育費や保育園代を請求できるのか
事実婚の相手との間に子どもが生まれた場合、子どもを育てていくために必要な養育費を支払ってもらえるのでしょうか。保育園代なども請求できるのでしょうか。
相談者の疑問
相手と一緒に暮らしていて、相手との間に2歳と6か月の子どもがいます。
養育費と仕事を見つけたいので、一時保育園代を支払ってほしいと頼んだのですが、養育費は払うが一時保育園代は難しいとか払う義務がないと言われて困っています。
弁護士の回答大林 真悟弁護士
事実婚と法律婚の違いは、婚姻届を出しているかどうかの違いだけで、夫婦として生計をともにしているのであれば、事実婚になると思います。
今回、お互いの合意の上で、子どもを2人作って、生活も一緒の財布で行っていたのであっれば、夫婦として生計をともにしている状態といえる可能性はあると思います。
養育費だけでなく、生活費についても相手方に求めることができると思いますよ。
事実上の夫婦として生計をともにしていて、相手との関係が事実婚といえる場合、養育費に加えて、保育園代などの生活費も、相手に対して請求することができるようです。 ただし、事実婚の相手に養育費を支払ってもらうには、相手と子どもとの間に法律上の親子関係を発生させる「認知」という手続きが必要です。
養育費を請求できる範囲
事実婚の相手ではなく、別の人との間に生まれた連れ子がいる場合、連れ子の養育費も請求できるのでしょうか。
相談者の疑問
現在、籍は入れず共に生活をして6年の男性がいますが、関係を解消しようと思っています。
私の連れ子が2人。9才と6才。この人との間の子どもが1人います(認知済みです)。
慰謝料の請求は考えていません。別れたあとの生活のため、養育費はほしいのですが、請求は可能でしょうか?
弁護士の回答内田 智宏弁護士
相手方との間の子に関しては、養育費を請求できます。
連れ子に関しては、当然に養育費を請求できるわけではなく、相手方と子どもたちが養子縁組している場合であれば請求できます。
養育費の金額については、裁判所が双方の収入を基準に、子どもの人数・年齢ごとの目安額を公開しています(養育費算定表)ので、そちらを参考にしてみるのがよいと思います。
なお、養育費の金額は、相談者様の仕事復帰後の収入によっても変わってくる可能性があります。
相手との間の子どもについては、認知がされていれば養育費の請求ができます。一方、別の人との間に生まれた連れ子については、相手と養子縁組をしていなければ、養育費の請求ができないようです。 養育費の金額は、裁判所が公開している養育費算定表という表を目安に決めることになるでしょう。
まとめ
事実婚の場合でも、相手との間に生まれた子どもで、認知もされているのであれば、養育費を請求することができます。保育園代なども請求できるでしょう。 養育費の金額は、一般的には裁判所が公開している養育費算定表という表をもとに決めることになります。自分と相手との収入、子どもの人数や年齢によって目安となる額が異なります。 別の人との間に生まれた連れ子がいる場合は、相手と子どもが養子縁組をしている場合に請求することができます。