DV

弁護士監修記事 2018年11月09日

DV別居後に生活費を確保する方法…緊急時に利用できる審判前の保全処分とは

配偶者からDVを受けている場合、身の安全を確保するために、一刻も早く別居することが重要です。 しかし、収入が少なく、配偶者に生活費を請求することも難しい場合、別居後の生活に困窮する可能性があります。 この記事では、DV被害で別居した場合に生活費を確保する方法について、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. DVから避難した後に生活費を確保するには?
  2. 少しでも早く生活費を確保するには?
  3. まとめ

DVから避難した後に生活費を確保するには?

alt DVを受けて別居した後、配偶者に直接生活費を請求することが難しい場合、生活費を確保するためにどうすればよいのでしょうか。

DV夫と離れたい。別居した場合生活費は請求出来ますか?


相談者の疑問
結婚して23年、夫と離婚したいと思っています。物に当たる暴力は今までも何回もあり、私の体調不良も出てきているので今回別居したいと思います。

私の月収は約12万円、娘は約15万円です。貯金はほとんどなし。今は夫から生活費を17万円もらっています。別居した場合も、生活費は請求できますか?また離婚した場合、慰謝料はもらえますか?


川崎 政宏弁護士
長年の生活に限界を感じて別居を考えるものの、経済的な点がご不安なのですね。

別居後、離婚協議あるいは調停の申立てをされるにあたり、離婚までの間の生活費を請求することはできます。婚姻費用を分担する義務があるからです。

ただ、夫の現在の収入と、あなたの収入とを比べて、分担額をきめますから、夫の収入いかんでは現在入れてもらっている生活費より少なくなる可能性もあり、試算が必要です。

長年にわたり暴力や威圧的言動に耐えてきた点は、離婚慰謝料としてきちんと請求されたらよいでしょう。

また、離婚にあたり、お二人で築いた財産を半分ずつに清算しますから、退職金、不動産を含め、財産分与の請求をきちんとすることも大切です。

婚姻費用分担請求調停はご自身でも申立てはできます。

離婚調停と同時でもよいですし、後からでもよいです。婚姻費用は申立て月から最終的に判断されるので、婚姻費用は早めに申し立てた方がよいでしょう。

弁護士への依頼は、相手の動きに対応して防波堤の役割をしてもらえると心強いと思います。以前相談された女性センターなどで法律相談を行っていることもありますから、精通した弁護士に橋渡しをしてもらうこともできるでしょう。

生活費を確保するための方法として、婚姻費用分担請求調停を申し立てることが考えられます。 婚姻費用分担請求調停は自分で申し立てることもできますが、DVを受けている場合、弁護士に間に入ってもらった方がより安全で確実に請求できるでしょう。 調停では、家庭裁判所の算定表を目安に、夫婦双方の収入などから婚姻費用の金額を決めます。 場合によっては、別居前に受け取っていた生活費よりも金額が低くなる可能性もあるようです。事前に算定表を確認し、自分の場合はどのくらいの金額が認められそうか試算をしておくとよいでしょう。

少しでも早く生活費を確保するには?

alt 調停を申し立てた後、実際に婚姻費用が支払われるまでにはある程度の時間がかかります。 すぐにでも生活費を支払ってもらわないと生活が困窮してしまうような場合、できるだけ早く生活費を確保するためにはどうすればよいのでしょうか。

会社勤めの旦那に生活費を要請したい


相談者の疑問
旦那のDVで警察に別居を要請され、ホテル暮らしをしています。生活費を払ってくれないのですが、支払えと旦那の会社に電話した場合、違法になりますか?


田中 勇輝弁護士
名誉毀損などと言われる可能性がありますし、会社に電話したから支払うというものでもないと思います。

別居中の生活費の請求であれば、婚姻費用分担請求調停を起こした方が効果的だと思います。また、すぐに生活費が必要という場合であれば、保全処分なども検討することもあり得るでしょう。

緊急の場合には、家庭裁判所の「審判前の保全処分」という手続きを利用することができます。 審判で請求が認められる可能性が高いことと、保全の必要性があることを疎明(そめい・「一応確からしい」と裁判官を納得させること)できれば、配偶者に対して、婚姻費用として仮に一定額を支払うように決定が下されます。

まとめ

DVを受けて別居した後、生活費を確保するためには、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てるという方法があります。自分で申し立てることもできますが、弁護士に依頼することで、より安全・確実に配偶者に対して生活費を請求できるでしょう。 すぐにでも生活費が支払われないと困窮するような場合、「審判前の保全処分」という手続きを利用することで、配偶者に、生活費として仮に一定額を支払うよう決定を下してもらえる可能性があります。

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