調停離婚

弁護士監修記事 2018年10月01日

離婚調停とは?手続きの仕組みや流れ

離婚について、配偶者と話し合ってもなかなか折合いがつかない場合、家庭裁判所の離婚調停という手続きを利用することで、解決を目指せる可能性があります。

  • 離婚調停ではどんなことを行うのか?
  • 利用するためにはどうすればよいのか?
  • 解決までにかかる期間や費用は?

この記事では、離婚調停に関する上記のようなポイントを詳しく解説します。

目次

  1. 離婚調停とは
    1. 裁判を望む場合でもまずは離婚調停を利用することが原則
    2. 離婚調停ではどんなことをするのか
  2. 離婚調停の流れと利用方法
    1. 家庭裁判所に申し立てる
    2. 必要な書類
    3. どの裁判所に申し立てればよいのか
    4. 調停はどのように進むのか
    5. 離婚調停から弁護士に依頼するとよいケース

離婚調停とは

alt 離婚調停とは、離婚について夫婦間の話合いがまとまらない場合に、家庭裁判所で「調停委員」という第三者にアドバイスをもらいながら、話合いで解決を目指す手続きです。 「離婚をするかしないか」「子どもはどちらが育てるのか」といった離婚の条件について、お互いに納得できる着地点を探っていきます。 離婚調停には、弁護士や医師など、豊富な専門知識や経験をもつ「調停委員」が2人(一般的には男女1人ずつ)参加します。 調停委員は夫婦それぞれの言い分を聞き、ニュートラルな立場で、解決策やアドバイスを提示します。 調停は必ずしも離婚成立を目指すものではありません。調停で話合いを進めた結果、夫婦がお互いにもう一度やり直したいという気持ちになれば、離婚をせず、関係を修復させる方向で進めることもできます。 話合いの結果、調停を続ける必要がなくなったときは、調停を申し立てた人が、途中で申立てを取り下げることもできます。

裁判を望む場合でもまずは離婚調停を利用することが原則

「1日も早く離婚したい」と望む人の中には、調停をせず、すぐに裁判を起こして決着をつけたいと思う人もいるかもしれません。 しかし、離婚のような家庭内の問題は、できるだけ夫婦間の話合いで解決を目指すことが望ましいと考えられています。そのため、調停をせずにいきなり裁判を起こすことは、原則としてできません。 配偶者が行方不明であるなど、調停を行うことが不可能な場合には、最初から裁判を起こせる場合もあります。配偶者が単に話合いを拒否しているだけの場合は、裁判ではなく、まずは調停を申し立てることが原則です。 離婚調停では、夫婦双方が裁判所での話合いに参加して、問題の解決を目指します。配偶者が話合いを拒否したり、調停に参加しなかったりする場合は、調停委員会から出席するよう働きかけてもらえます。 それでも配偶者が応じなければ、調停は不成立となり終了します。この場合、離婚をするためには裁判を起こさなければなりません。

離婚調停ではどんなことをするのか

離婚調停では、調停委員が夫婦の間に入り、それぞれの言い分を聞きながら、お互いが納得できる着地点を探っていきます。 離婚するかしないかという話合いだけではなく、親権者を誰にするか、財産分与の割合や慰謝料、養育費の額といった、離婚に関するさまざまな条件に関する話合いもできます。 合意できた内容は、「調停調書」にまとめられます。調停調書は裁判所の判決と同じ効力を持ちます。後になって調停で決めたことを相手が守らなかったとしても、調停調書があれば強制的に実現することができます。 調停では、夫婦が直接顔を合わせて話すことはありません。調停委員を介して間接的にやりとりを進めていきます。 ただし、調停が行われる日の開始時と終了時には、夫婦それぞれが同時に調停室に入り、調停について説明を聞くことが原則的な運用です。 相手と顔を合わせたくない場合は「進行に関する照会回答書」に事情(たとえば、相手からの暴力が予想されるなど)を書いておくと、考慮してもらえることがあります。 調停は夫婦それぞれの合意があってはじめて成立します。合意できなければ調停は不成立となり、離婚を求めたい場合は、改めて裁判を起こして、裁判所に判断を委ねることになります。

離婚調停の流れと利用方法

alt 離婚調停は、以下の図のような流れで進んでいきます。 離婚調停

家庭裁判所に申し立てる

離婚調停の手続きは、自分か配偶者のどちらかが家庭裁判所に申し立てることで始まります。

必要な書類

離婚調停を申し立てるときには、以下の書類が必要です。

  • 申立書3通:裁判所用、相手方用、申立人用の控えの3通を作成します。裁判所のホームページからダウンロードできます。

  • 夫婦の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)1通:(3か月以内に発行されたもの)

  • 年金分割のための情報通知書:年金分割割合についての申立ても行う場合に必要。発行日から1年以内のもの

これらの書類以外にも、ケースに応じて、別の書類が必要になる場合もあります。また、申立ての費用として、収入印紙1200円分と連絡用の郵便切手が必要です。 申立書を書くときに専門的な知識は必要なく、自分で書くことができます。裁判所のホームページで書き方のサンプルを見ることができます。 申立書には、子どもの親権者を誰にするかの希望や、財産分与、慰謝料、養育費などについて、相手に支払ってほしい金額を記入します。調停を申し立てた理由なども記入します。 不動産などの財産がある場合には登記簿謄本、預金があれば通帳のコピー、相手から暴力を受けてケガをしたのであれば診断書のコピーも証拠書類として提出できます。

どの裁判所に申し立てればよいのか

離婚調停を申し立てる裁判所は、原則として、配偶者の住所地の家庭裁判所か、当事者が合意して決めた家庭裁判所です。 住所地とは、生活の本拠、つまり「主に生活をしている場所」のことです。本籍地とは関係ありません。たとえば、配偶者が別居してアパートを借りている場合や、実家に戻ってそこで主に生活している場合には、その場所が住所地となります。

調停はどのように進むのか

申立てから約1か月後に1回目の調停が行われる

1回目の調停は、裁判所から日時が指定され、夫婦それぞれに通知が届きます。申立てから、およそ1か月~1か月半後に1回目の調停が行われます。場合によってはもう少し先になることもあります。 家庭裁判所は、土日祝日は開いていないため、離婚調停は平日に行われます。時間は、もっとも早い場合でも原則として午前10時からです。 指定された日時にどうしても都合がつかない場合は、「期日変更申請書」を提出すれば、日時を変更してもらえます。 2回目以降の調停の日程は、夫婦双方と調停委員、裁判所のスケジュールを調整して決めます。

夫と妻が交代で調停委員の質問に答える

1回目の調停では、申立人から先に、調停室という部屋に入ります。申立人は、調停を申し立てるまでのプロセスや夫婦の状況などについて調停委員に説明します。時間は30分ほどです。この間、相手方は別の控え室で待機しています。 その後、申立人と交代して、相手方が調停室に入り、調停委員の質問に答えます。申立人はこの間、調停委員に呼ばれるまで別々の控え室で待機します(待機する階が別になっている家庭裁判所もあります)。 調停委員は夫婦の状況を把握した上で、それぞれに対して解決策やアドバイスを提示します。調停での話し合いは、1か月に1回ほどのペースで、数回にわたって行われます。1回の調停にかかる時間はおおむね2時間ほどです。 調停の結果、夫婦がお互いに離婚とその条件に合意すれば、調停調書が作成され、調停離婚が成立します。 申立人は、調停離婚が成立した後10日以内に、夫婦の本籍地または届出人の住所地の市区町村長に、調停で離婚をした旨の届出をする必要があります(「相手方が戸籍の届出をする」という調停が成立した場合は、相手方が提出します)。

調停離婚の場合の離婚届の書き方のポイントや手続きの流れについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

調停でも折合いがつかない場合

調停を数回行っても合意に至らず、裁判所や夫婦自身が解決の見込みがないと判断した場合は、調停は不成立となり終了します。 調停が不成立となった場合でも、「夫婦の意見にわずかなズレがあるだけで、離婚は認めた方がよい」など一定の条件に当てはまる場合、家庭裁判所の裁量により、審判で離婚が認められることになります。 当事者から2週間以内に異議申立てがなければ、離婚が確定します。 審判離婚が行われないケースで、調停が不成立になっても離婚をしたいという気持ちが変わらない場合は、裁判で離婚を求めていくことになります。 裁判で離婚を認める判決を得られたら、次に離婚届を提出する必要があります。

裁判離婚の場合の離婚届の書き方のポイントや手続きの流れについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

離婚調停から弁護士に依頼するとよいケース

ここまでのポイントを振り返ってみましょう。重要なことは次の3点です。 alt 離婚調停は、離婚に関するトラブルを夫婦の話合いで解決することを目指します。弁護士に依頼している場合でも、本人が出席することが望ましいと考えられています。 財産分与や慰謝料、養育費などの離婚条件をめぐって夫婦で対立しているなど、裁判離婚になる可能性が高いなら、調停の段階から、弁護士に依頼することを検討してもよいかもしれません。 弁護士費用はケースごとに異なりますが、着手金(依頼する際に払うお金)・報酬金(事件が解決した場合に支払うお金)はそれぞれ20万円〜・40万円〜程度が一般的です。 弁護士費用が心配な場合は、初回の相談でおおよその目安を教えてもらうとよいでしょう。

弁護士に依頼することで受けられるサポートや、弁護士費用の目安などは、この記事の下の「あわせて読みたい関連記事」で詳しく説明しています。

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