有責配偶者からの婚姻費用請求は認められるか

不貞行為や暴力など、結婚生活を破たんさせる原因をつくった配偶者を「有責配偶者」といいます。 有責配偶者が別居に伴って婚姻費用を請求したり、子どもの親権者になったりすることはできるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

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目次

  1. 有責配偶者からの婚姻費用請求は認められるのか
  2. 有責配偶者が親権者になれるのか
  3. まとめ

有責配偶者からの婚姻費用請求は認められるのか

alt 不貞行為によって離婚原因を作った有責配偶者でも、婚姻費用を支払ってもらえるのでしょうか。

婚姻費用が認められない

相談者の疑問 不貞による有責配偶者(妻)です。別居を考えていますが夫は婚姻費用は払わないと言っています。

不貞相手とは2年前に終わっています。権利の濫用とはどういうことでしょうか。この場合もそれにあたり、婚姻費用はもらえないのでしょうか。

池田 達彦の写真 弁護士の回答池田 達彦弁護士 権利の濫用とは、権利の存在自体は認められたとしても、具体的場面においてこれを行使することに正当性が認められない場合に、権利の行使が濫用に当たるとして制限する法理です。

婚姻費用を請求できる根拠は、夫婦間における同居協力扶助義務に求められます。そのため、一般には、一方配偶者は、他方配偶者に対し、夫婦間における同居協力扶助義務に基づき、生活費などの婚姻費用を請求することになります。

もっとも、婚姻費用を請求なさる方が不貞行為に及んだ場合には、請求なさる方ご自身が同居協力扶助義務に違反している、すなわち有責性が認められるとして、婚姻費用の請求が権利濫用として制限される場合があります。

権利の濫用という考え方は、あくまで個々の場面ごとに判断されるため、不貞行為に及んだからといって必ずしも請求自体制限されるとは限りませんが、制限される可能性は否定できませんので、ご留意ください。

なお、婚姻費用の請求が権利濫用として制限されるとしても、たとえばお子様がいらっしゃる場合に、お子様には何らの責任もありませんので、養育費相当額については請求が認められるでしょう。

有責配偶者からの婚姻費用請求が制限される可能性はゼロではないようです。ただし、子どもがいる場合、養育費にあたる分については請求が認められるでしょう。

有責配偶者が親権者になれるのか

alt 不貞行為によって離婚原因を作った有責配偶者が、子どもの親権者になれる可能性はあるのでしょうか。

有責配偶者が親権を求めることについて

相談者の疑問 不倫をした有責配偶者です。私が離婚を希望し、主人が合意した場合、離婚となりますが、お互いが親権を求めています。

7歳と5歳の子どもがおります。ここまで私が主として子育てをしてきました。主人は仕事が忙しいせいもあり、特に子どもがもっと小さい頃は子育てに非協力的でした。

しかし、離婚となり、親権を求め始めました。私の年収は100万円ほど。主人は600万円。恐らく私は子どもの学区内でアパートを借りることになり、引っ越しは免れません。

この状況で、私が親権を取れる可能性はどのくらいでしょうか。

中間 隼人の写真 弁護士の回答中間 隼人弁護士 不貞があったことは親権者の判断にはさしたる影響を与えません。
また年収も関係ありません(相手からの養育費の支払いや母子手当などの公的扶助があるため)。

あなたが今まで主たる監護者であったことは親権者の判断において極めて重要な要素になります。可能であれば、監護補助者(あなたの親族など)のサポートを得たいところですが、サポートが不十分でも、あなたが親権をとれる可能性は低くないでしょう。

親権者の争いになる場合、紛争が長期化する傾向にありますし、法的に適切な主張をする必要がありますので、法テラスなどを利用して弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

不貞行為があったことは、親権者を決めるうえでそれほど影響しないようです。これまで子どもを主に養育していたのが誰かということが、親権者を決める重要なポイントとなるでしょう。

まとめ

不貞行為によって離婚原因を作った有責配偶者からの婚姻費用請求は、必ずしも認められるわけではないようです。ただし、子どもがいる場合、養育費にあたる分は請求が認められるでしょう。 親権者を決めるうえでは、有責配偶者であることはそれほど影響しないようです。これまで誰が子どもを主に養育してきたか、といった点がポイントになるでしょう。

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