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2015年03月11日 00時50分

国籍喪失定めた「国籍法12条は合憲」最高裁が初判断――「時代に合わない」と弁護士

国籍喪失定めた「国籍法12条は合憲」最高裁が初判断――「時代に合わない」と弁護士
国籍法12条の合憲性をめぐる最高裁判決の後、記者会見を開いた原告側弁護団

日本人の父とフィリピン人の母の子どもとしてフィリピンで生まれ、いったんは日本国籍を取得したが、3カ月以内に親が必要な届け出をしなかったために、日本の国籍を失った。そんな子どもたち15人が、根拠となっている「国籍法12条」は憲法違反だとして裁判を起こしていたが、最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は3月10日、「国籍法12条は合憲」という判断を初めて示し、上告を棄却した。原告敗訴の1審・2審判決が確定した。

●3カ月以内に届出がなければ「国籍喪失」

子どもたちは、全員が日本人の父とフィリピン人の母の嫡出子として生まれ、もともとは日本国籍があった。しかし、親が国籍留保届を出さなかったため日本国籍を失った。子どもたちは全員フィリピン在住。現在7歳〜28歳で、男性4人、女性11人という。

国籍法12条は、海外で生まれて海外の国籍を取得した日本国民は、出生から3カ月以内に国籍留保届を出さないと、出生時にさかのぼって日本国籍を喪失する、と定めている。ただし、国籍法17条1項・3項では、子どもが20歳未満なら、日本に住所をもったうえで法務大臣に届出をすれば、国籍を再び取り戻すことができるとしている。

子どもたちの弁護団の近藤博徳弁護士らは、国籍法3条のルールで、日本人の父母が認知した20歳未満の「非嫡出子」の場合、海外生まれ・海外在住で日本に住所がなくても、大使館・領事館に届出をすることで、日本国籍を得られるという点に着目。非嫡出子との取扱いに差があることや、もし子どもたちが生まれたのが日本なら、当然日本国籍を持っているケースであることなどを理由に、国籍法12条は法の下の平等を定めた憲法14条1項に反する、と主張していた。

●子どもたちには「日本の名前」がついている

一方で、最高裁第三小法廷は、国籍を与えるかどうかの要件設定は「立法府の裁量判断に委ねる趣旨のもの」だと指摘。国籍留保の届出に3カ月という期間が設けられていることや、国籍法17条1項・3項による国籍再取得の手続があることに触れ、日本国籍の形骸化や二重国籍を回避する目的で取扱いを区別しても「合理的理由のない差別には当たらない」として、憲法14条1項違反にはならないと判断した。

判決後の記者会見で、近藤弁護士は最高裁の判断を批判した。

「最高裁判決の内容は非常に簡略で、残念だった。日本に来て国籍を再取得すれば良いというが、20歳未満の日本国籍のない子どもが日本にやってきて、住むところを確保し、届出をするのは、相当ハードルが高い。

家族で来日するとなれば、仕事や住居、言葉、学校などの問題がある。ビザの取得にはしっかりとした身元保証人を確保しなければならないし、少しでも書類に不備があれば容赦なく却下される。

いまは、人の動きが国際的・流動的になっている。たまたま親が届けを出しそびれたからといって、子どもの国籍が固定されるのは時代に合わない」

また、宮内博史弁護士は「今回上告人となった方々は、みんな日本の名前がついている。それを理由に、学校でいじめに遭ったという人もいる。日本人のアイデンティティを意識し、意識せざるを得なかった人たちだ。国籍には、個人のアイデンティティや権利という側面もある。今回の裁判で、そうした側面が認められなかったのは残念だ」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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