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別居

2017年08月18日

離婚に向けて別居したい…法的に注意しておくべきことまとめ

自分は離婚をしたいのに、相手が応じてくれない。日に日に関係が険悪になってストレスが溜まる一方だし、子どもに対立する姿を見せたくない…。 そうした場合に、配偶者と「別居」することで、お互いの間に距離ができ、冷静に話合いを進められる場合があります。 この記事では、以下のようなポイントを詳しく解説します。別居を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

  • 別居のメリット・デメリット
  • 別居前に準備すべきこと
  • 別居をするときに持ち出した方がいいものリスト

目次

  1. 離婚前の「別居」は有効?
  2. 別居のメリット・デメリット
  3. 別居する前に準備しておいた方がいいこと
  4. 別居する際に持ち出しておくとよいもの

離婚前の「別居」は有効?

夫婦間で話し合っても離婚に合意できない場合、別居することによって、「本気で離婚したい」という強い意思を配偶者に伝えることができます。 配偶者に暴力を振るわれたり、子どもが虐待を受けているようなケースの場合、身の安全を確保し、冷静に離婚に向けた手続を進めていくためには別居が有効といえるでしょう。

別居が「同居義務違反」になる可能性も

ただし、「相手が嫌いだから」「一緒の空間にいるのが生理的に無理」といった理由で勝手に家を出てしまうのは早計です。 法律のルールでは、夫婦は同居し、互いに助け合って生活しなければならないとされています。夫婦には、同居する義務があるのです。 別居は、一見すると、このルールに違反する行為です。そのため、正当な理由もなく、一方的に別居を強行すると、「同居義務違反」となる可能性があります。 また、配偶者の気持ちを無視した一方的な別居は、法律で定める離婚理由(法定離婚事由)の1つである「悪意の遺棄」にあたる場合もあります。 離婚の争いが調停や裁判に発展した場合、別居を強行したことは「同居義務違反」や「悪意の遺棄」だとされ、家庭裁判所から、あなたが一方的に離婚原因を作ったと評価されてしまうかもしれません。 そうすると、自分からの離婚請求が認められなかったり、配偶者から慰謝料を請求されたりするなど、苦しい状況に追い込まれる可能性があります。

別居することに夫婦が合意している場合は、同居義務違反や悪意の遺棄にはあたりません。

一方的な別居には「正当な理由」が必要

別居は、原則として、一方の独断ではなく夫婦の合意のもとで行った方が、同居義務違反などに問われるリスクは少ないといえます。 ただし、別居するのもやむを得ないと客観的にいえる「正当な理由」があれば、一方的に別居できることもあります。 たとえば、以下のような場合です。

  • 自分や子どもが配偶者から暴力を受けている場合
  • 配偶者が生活費を渡してくれない場合
  • 配偶者の不貞を理由に別居したい場合
  • 配偶者が長期間家に帰らず、家庭を顧みない場合

別居のメリット・デメリット

離婚後の生活をイメージできるなどのメリットあり

夫婦間で離婚についての話合いがヒートアップした場合に、別居によってお互いの距離を取り、自分の気持ちを見つめ直すことで、本当に離婚すべきかどうかをじっくり考えることができるでしょう。 他にも、別居には以下のようなメリットがあります。

  • 離婚後の生活をイメージできるため、離婚という選択が正しいのか考えるきっかけになる
  • 短期間の別居であれば、夫婦の関係を修復できる可能性がある
  • 配偶者の暴力や虐待から避難することができる
  • 子どもに夫婦が対立する姿を見られなくて済む

別居を理由に裁判で離婚が認められる可能性がある

離婚の争いが裁判に発展した場合、別居の期間などによっては「婚姻を継続し難い重大な事由」という法定離婚事由にあたると判断され、離婚が認められる可能性があります。 「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、夫婦関係が破綻してすでに修復不可能になっている状態をいいます。 ただし、別居をしていれば必ず夫婦関係が破綻していると認められるわけではなく、別居期間が何年になれば破綻が認められるというはっきりした基準もありません。 夫婦関係が破綻しているかどうかは、別居期間だけではなく、様々な事情を総合的に考慮して判断されます。 別居期間が3年以上に及んでも、夫婦関係が完全に破綻しているとまでは認められないとしたケースもあれば、別居期間が1年ほどでも、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると認められるとして、離婚を認めたケースもあります。

後戻りできなくなるかも、という覚悟も必要

別居には、必ずしもメリットばかりがあるわけではなく、たとえば、以下のようなデメリットも考えられます。

  • 働いていない場合、別居後すぐには仕事が見つかるとは限らず、経済的に困窮する可能性がある
  • 夫婦のどちらが子どもと一緒に住むかをめぐって争いになる可能性がある

一時の感情で後先考えず別居に踏み切ると、後で「やっぱり離婚したくない。関係をやり直したい」と思っても、配偶者が愛想を尽かして応じてくれない…という状況も考えられます。 後戻りできなくなるというリスクもあるということを心に留めた上で、別居すべきかどうか、慎重に考えた方がいいでしょう。

別居する前に準備しておいた方がいいこと

「よく考えてみたけれど、やっぱり別居したい」という結論に至った場合、実際に別居に踏み切る前に、準備しておいた方がいいことがいくつかあります。

よほどの事情(DVなど)がない限り配偶者の同意を得ておく

既に述べたとおり、なるべく相手の合意を得てから別居を始めるようしましょう。無用なトラブルを避けられます。

お金や仕事の確保、住まい探しも並行して行う

別居を開始する前から、別居後と離婚成立後の収支をあらかじめシミュレーションしておくことで、ある程度心の準備ができた状態で新たな生活を始めることができます。 毎月の衣食住にかかるお金のほか、通信費や医療費、子どもの教育費などがどのくらいか、わかる範囲で全て書き出してみましょう。 必要と考えられる生活費に対して、収入が足りないことが予想される場合は、就職・転職をすることや、仕事を増やすことなどを考える必要があります。 別居は、安定した収入を確保した上で始めることが理想的ではありますが、急を要する場合は、実家に戻って家賃や生活費の負担を抑えることを検討してもいいかもしれません。 ただし、相手方配偶者も、実家に戻ったことをまずは疑うため、相手方配偶者の暴力等から逃げようという場合には、実家以外で生活を始める必要があるので、別居後の経済面については、きちんと計画を立てるべきでしょう。

子どもがいる場合に必要な準備

子どもがいる夫婦が離婚する場合、必ず親権者を決めることになります。親権者を決めるときの判断のポイントの1つが「子どもの現在の生活状況が変わらないかどうか」(継続性の原則)です。

なお、子どもを連れて別居する場合には、転校や転園の手続が必要になることがあります。どこの学校や保育園・幼稚園に通わせればいいのか、どんな手続が必要なのか、といったことを事前に調べておくといいでしょう。 転校や転園によってなるべく子どもに負担をかけないよう、進学時期などに合わせて、別居のタイミングを決めるというのもひとつの方法です。

別居中も配偶者に生活費を請求できる

冒頭で、夫婦には同居し、助け合って生活する義務があると述べました。 この義務を果たすために、夫婦は、それぞれが同じくらいの水準で生活し続けるために必要な費用を分担しなければなりません。 この費用には、衣食住にかかるお金のほか、子どもの養育費、医療費、交際費なども含まれます。これらの費用をまとめて「婚姻費用」といいます。 別居中であっても、法的には婚姻関係が続いているため、この義務があることを理由に、相手方配偶者に対して婚姻費用を請求することができるのです。 別居している側に収入がない場合はもちろん、配偶者より収入が少ない場合などの場合は、婚姻費用を請求できます。 婚姻費用について夫婦の話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てて、合意に向けた話合いを進めることができます。

別居する際に持ち出しておくとよいもの

別居する理由にもよりますが、一度家を出てしまった後は、そう簡単に帰ることはできないでしょう。 そこで大切なのは、別居をするときに家から持ち出すものをリストアップしておくことです。 現金や自分名義の通帳、実印、身分証明書などはもちろん、配偶者の不貞や暴力などの証拠も、確保している場合は忘れずに持ち出しましょう。 また、別居中に財産を勝手に処分される可能性があるので、別居する前に残高がわかる預金通帳のコピーなど、財産を証明できる資料、証拠などを持ち出すことも大切です。

  • 現金
  • 自分名義の預貯金通帳・印鑑・キャッシュカード
  • パスポート、運転免許証
  • 健康保険証、年金証書(年金手帳)
  • 預貯金通帳、不動産権利証、保険証券などのコピー(財産を証明する資料のコピーとして)
  • 株券、債券などの証券類(コピーでも可)
  • 不貞・DVなどが原因で別居する場合にはその証拠
  • 子どもの持ち物
  • 知人や子ども関係の連絡先

結婚後に買ったものは勝手に持ち出さない方がよい

別居するとき、電化製品などを持ち出したい、と思う人もいるかもしれませんが、それが結婚した後に買ったものの場合、注意が必要です。 法律のルールでは、結婚後に購入したものは、夫婦2人の財産と考られています。 たとえば、自分のお金で買った電化製品でも、それが結婚後に買ったものであれば、原則として、夫婦2人が協力して手に入れた「共有財産」と考えるのです。 これを持ち出しても犯罪として処罰されることにはなりませんが、配偶者の心証を悪くして離婚に向けての話合いが進みにくくなる可能性があります。自己判断で勝手に持ち出さず、相手と合意できた範囲で持ち出すのが賢明です。 ちなみに、結婚前から持っていたものや個人的にもらったものは、夫婦2人の財産ではないので、別居をするときに相手の同意を得ずに持ち出しても問題ありません。

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