配偶者からの悪意での遺棄とは?

配偶者からの悪意での遺棄とは具体的にはどのような行為のことを指すのでしょうか?
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。

(裁判上の離婚)
第七百七十条  夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一  配偶者に不貞な行為があったとき。
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四  配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2  裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
2015年05月05日 15時44分

みんなの回答

高橋 淳
高橋 淳 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 東京都6 離婚・男女問題に注力する弁護士
ありがとう
相手を捨てて家出する、相手を追い出すなどです。

2015年05月05日 16時01分

大貫 憲介
大貫 憲介 弁護士
離婚・男女問題に注力する弁護士
ありがとう
単に別居をしただけでは、「悪意の遺棄」には該当しません。経済的、疾病などの理由で、自立が難しい配偶者を見捨てて、別居した場合、悪意の遺棄に該当する可能性があります。残された配偶者が健康な場合であっても、不貞相手と同居する目的での別居の場合、悪意の遺棄に該当するとした高裁の判決例があります。

2015年05月05日 16時03分

相談者
不貞相手との同居ですか、それなら単に「配偶者に不貞な行為があったとき」を理由に離婚できるようにも思いますが。
また、遺棄されつつも遺棄された側の者が生活力がない場合、離婚に踏み切らないことも多いのでしょうか?

2015年05月05日 16時06分

大貫 憲介
大貫 憲介 弁護士
離婚・男女問題に注力する弁護士
ありがとう
>1、不貞相手との同居ですか、それなら単に「配偶者に不貞な行為
>があったとき」を理由に離婚できるようにも思いますが。

ご指摘のとおりです。離婚裁判の実務においては、「悪意の遺棄」主張が意味を持つのは、極めて限られていると思います。

>また、遺棄されつつも遺棄された側の者が生活力がない場合、離婚
>に踏み切らないことも多いのでしょうか?

そうですね。離婚を求めずに、生活費(法律上、婚姻費用といいます)の請求をする方が経済的に有利なことが多いと思います。

2015年05月05日 16時11分

相談者
では、実務上、離婚理由として取り上げられることの少ない規定だ、ということですか?

2015年05月05日 16時13分

森田 英樹
森田 英樹 弁護士
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ありがとう
遺棄されつつも遺棄された側の者が生活力がない場合、離婚に踏み切らないことも多いのでしょうか?

夫が全く生活費を支払わないため やむを得ず妻が子を連れて別居した場合 悪意の遺棄に該当するでしょうが 夫に婚姻費用支払い能力がある場合には婚姻費用を受け取りながら離婚をせずに生活されている妻子はおられます。

2015年05月05日 16時16分

大貫 憲介
大貫 憲介 弁護士
離婚・男女問題に注力する弁護士
ありがとう
多くの離婚裁判で、「悪意の遺棄」が主張されますが、離婚判決において、「悪意の遺棄」が認定されることは少ないといえます。
妻が子を連れて別居したことを夫による「悪意の遺棄」と認定する事例は少ないと思います。

2015年05月05日 16時20分

高橋 淳
高橋 淳 弁護士
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離婚理由としては包括規定の5号だけを考える方が生産的ですね。

2015年05月05日 16時47分

相談者
>多くの離婚裁判で、「悪意の遺棄」が主張されますが
認定されにくいにも関わらず主張する人が多いのはなぜなのでしょう?
ほかの規定よりも認められた際の慰謝料等が多かったりするんですか?

2015年05月05日 17時33分

森田 英樹
森田 英樹 弁護士
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認定されにくいにも関わらず主張する人が多いのはなぜなのでしょう?

・悪意の遺棄は不法行為にも該当します。

ほかの規定よりも認められた際の慰謝料等が多かったりするんですか?

・婚姻関係破綻であれば不法行為の有無は問題ではないですが 悪意の遺棄ということであれば慰謝料請求が認められます。

2015年05月05日 18時49分

相談者
他は不法行為にはなりえないんですか?
たとえば「配偶者に不貞な行為があったとき。」など

2015年05月05日 18時51分

高橋 淳
高橋 淳 弁護士
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他は不法行為にはなりえないんですか?
たとえば「配偶者に不貞な行為があったとき。」など

→ なりますね。

2015年05月05日 18時55分

相談者
では、なおさらこの規定に固執する必要はないということになりますか?

2015年05月05日 18時57分

森田 英樹
森田 英樹 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 大阪府4
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1号の不貞行為は当然不法行為に該当します。

では、なおさらこの規定に固執する必要はないということになりますか?

そうです。不貞行為・悪意の遺棄等様々な事情を加え5号での認定を求めることが多いです。柔道の合わせ一本というところです。

2015年05月05日 19時01分

高橋 淳
高橋 淳 弁護士
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ありがとう
では、なおさらこの規定に固執する必要はないということになりますか?

→ 理論的にはそうでしょう。しかし、気持ちの問題として別居していった相手に対して「悪意の遺棄」との主張をしたいという方は多いですね。家事事件ではロジックや合理性だけで割り切れない事象があります。

2015年05月05日 19時02分

相談者
刑法の遺棄罪等で追求すれば良いようにも思うのですが、これはまた別の概念なんですか?

   第三十章 遺棄の罪

(遺棄)
第二百十七条  老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)
第二百十八条  老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)
第二百十九条  前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

2015年05月05日 19時30分

森田 英樹
森田 英樹 弁護士
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ありがとう
刑法の遺棄罪の保護法益は生命・身体の安全で 民事上の悪意の遺棄とは異なります。

2015年05月05日 19時49分

相談者
   構成要件も全く違うんですか?

2015年05月05日 19時58分

田島 直明
田島 直明 弁護士
ありがとう
ウリンクスさん
はじめまして、弁護士の田島と申します。

ご質問の件につき、ご回答いたします。

「悪意の遺棄」とは、夫婦の同居義務、協力義務、助け合う義務に違反した場合をいいます。このような場合も離婚の理由となり、離婚に伴い、配偶者に対して慰謝料を求めることができます。
具体的には、以下のような場合には「悪意の遺棄」に該当します。
・配偶者が理由も無いのに同居を拒否する
・夫が専業主婦の妻に生活費を渡さない
・家出を繰り返す
・夫が理由も無いのにアパートを借りて暮らしている
・夫が妻を追い出したり、家を出ざるを得ないようにしむける
・妻が姑との折り合いが悪いために実家に帰ったままである
・夫が健康であるにもかかわらず働こうとしない

なお、悪意の遺棄が肯定された場合には慰謝料請求も認められるのが一般的ですが、慰謝料の金額は、同居義務・協力義務・扶助義務違反の程度によって変わってきます。
たとえば、1年間別居しているのと10年間別居しているのとでは後者の方が、同居義務違反の程度が重いので慰謝料の金額は高額になる傾向にあります。
また、別居期間中に婚姻費用を支払っていたか否かでも慰謝料の金額に差が出てきます。別居解消のための努力をしていた否かという点でも差がでます。
結局、夫婦として果たすべき義務をどの程度怠ったかという点が慰謝料の金額に大きく影響することになります。
悪意の遺棄の場合の慰謝料の相場はおよそ100万円から300万円程度と言われていますが、あくまで相場であって、慰謝料がいくら認められるのかはケースバイケースです。

少しでも、ご参考になれば幸いです。

2015年05月05日 21時56分

相談者
それらは刑法の遺棄罪の要件とは全く異なるものなんですか?

2015年05月06日 00時36分

高橋 淳
高橋 淳 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 東京都6 離婚・男女問題に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
それらは刑法の遺棄罪の要件とは全く異なるものなんですか?

→ 異なります。刑法の遺棄罪における遺棄は、要扶助者に対して場所的離隔を生じさせる場合をいいますから、田島先生の例のうち、少なくとも、
・夫が専業主婦の妻に生活費を渡さない
・妻が姑との折り合いが悪いために実家に帰ったままである
は、刑法上の遺棄には該当しません。

2015年05月06日 07時10分

相談者
他、該当しそうなものも特にないですか?

2015年05月06日 11時34分

この投稿は、2015年05月05日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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