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離婚原因

2017年07月24日

裁判で離婚するときに必要な「法定離婚事由」…どんな場合に認められる?

夫婦で話し合っても離婚に合意ができず、調停でも決着がつかなかった場合、離婚したい夫婦の一方は、裁判で離婚を求めることになります。 裁判で離婚を認めてもらうためには、法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)が必要です。この記事では、法律で定められた離婚理由は何か、どんな場合に認められるのか、詳しく解説します。

目次

  1. 法定離婚事由とは
  2. 不貞行為
  3. 悪意の遺棄(配偶者が結婚の義務を意図的におこたること)
  4. 3年以上の生死不明
  5. 強度の精神病
  6. 婚姻を継続しがたい重大な事由

法定離婚事由とは

夫婦が「離婚したい」と考えた場合、話し合ってお互いに合意すれば、どのような理由でも離婚することができます。 しかし、夫婦の話し合いがまとまらず、裁判で離婚を争う場合には、離婚をしたい理由が法律で定められた5つの離婚理由(法定離婚事由)のどれかにあてはまる必要があります。 以下が、法律のルールで決まった「5つの離婚理由」です。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病
  • 婚姻を継続しがたい重大な事由

離婚の裁判では、離婚を求める側が「こうした事情が離婚理由にあたる」と主張し、主張を裏付ける証拠を示す必要があります。 その結果、裁判所が「この夫婦には離婚事由がある」と認めた場合に、離婚は認められることになります。 それぞれ、どんな場合にあてはまるのか、詳しくみていきましょう。

不貞行為

「不貞行為」とは、結婚している人が、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことです。 不倫相手と性行為をするだけではなく、風俗店等での性行為も不貞行為となります。 一方で、一般的には性行為を伴わなければ不貞行為にはあたりません。 たとえば、「不倫相手に愛情を抱いているが、性的関係はない」「いつか性的行為をしたいと考えているが、現状性的関係はない」といったケースは不貞行為にはあたらないと判断される可能性が高いでしょう。 もっとも、度を越えた親密な交際は、配偶者間の信頼関係を破たんさせるとして「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたる可能性があります。 不貞行為となるのは当事者の自由な意思で性的関係を持った場合なので、「意思に反して強姦された」という場合は不貞行為にはなりません。ただし、配偶者が異性を強姦した場合、その配偶者の行為は不貞行為となります。

不貞行為を証明するために、どんな証拠が必要なのか

不貞行為を理由に離婚したいという場合、裁判で離婚を認めてもらうためには、配偶者が自分以外の者と性的関係を持ったことを証明する証拠を集める必要があります。 証拠となりうるものは、性的関係のもったことを推測できる現場を押さえた写真やビデオなどの映像です。 ラブホテルなどに出入りする写真であれば、性行為があったことを推測できるため、有効な証拠となる可能性があります。 こうした証拠は自力で集めることが難しいので、調査会社などに依頼することを検討してもよいでしょう。

調査会社によっては、費用が高額になる一方、訴訟等で使える証拠を作成もらえなかったといったトラブルになることもあります。費用・調査内容・成果物等について十分に検討した上で依頼するようにしましょう。

他に証拠となりうるのは以下のようなものです。

  • 性的関係があったことが推測できるメールやメモ、日記
  • 性的関係があったことが推測できる領収書やクレジットカードの明細(ラブホテルなど)
  • 配偶者や相手が、不倫・性的関係があったことを認めた発言の録音

悪意の遺棄(配偶者が結婚の義務を意図的におこたること)

「悪意の遺棄」とは、配偶者が、正当な理由がないのに同居しなかったり、最低限の生活費を渡さなかったりするなど、結婚に伴い夫婦が負う3つの義務(同居・協力・扶助の義務)に違反する行為をいいます。

  • 同居義務:夫婦が一緒に住む義務
  • 協力義務:夫婦が力を合わせて、生活を維持する義務
  • 扶助義務:夫婦が生活費を出し合って、お互いが同じ水準の生活ができるようにする義務

ただし、悪意の遺棄にあたるのは、これらの義務を怠れば相手が困るとわかっているのに、「夫婦関係を破たんさせてやろう」と考えてわざと怠っているか、そこまで意識していなくても「義務を怠ることで結婚生活が破綻してもかまわない」と考えている場合等、社会的・倫理的に非難される場合です。 過去の裁判例では、半身不随となった妻を夫が充分に看護せず、突然離婚を求めたうえ家出し、その後全く生活費を送っていなかったといったケースが、悪意の遺棄と判断されました。 一方、家出をしたケースでも、不貞行為を繰り返す夫を反省させるために、妻が一時的に家を出て別居しているというケースでは、別居に正当な理由があるとして、悪意の遺棄とは認められませんでした。 このように、正当な理由による別居かどうかは、別居した目的や期間、別居中の相手の生活状況などを総合的に考慮した上で判断されます。

「悪意の遺棄」を証明するためにどんな証拠が必要なのか

悪意の遺棄の証拠となるのは、たとえば次のようなものです。

  • 相手だけが引っ越したことを示す住民票
  • 別居先の住まいの賃貸借契約書
  • 別居の経緯を書いたメモ

3年以上の生死不明

配偶者の失踪や家出などにより、3年以上生死が分からない状態が続いているというケースも、法律で定められた離婚理由の1つです。

行方不明であっても、居場所がわからないだけで、生きていることが推定される場合は当てはまりません。

強度の精神病

強度の精神病とは、配偶者が強度の精神病になり、回復の見込みがなく、夫婦が互いに協力扶助し合う義務を充分に果たすことができない場合をいいます。 もっとも、「精神病」と規定される以上、「強度の精神病」として認められる可能性があるのは、総合失調症や躁うつ病などです。 アルコールや薬物などの依存症や、ノイローゼなどの神経症は当てはまらないとされています。 認知症については、「強度の精神病」には当てはまらないとしつつ、次に説明する「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして離婚を認めた判例があります。 強度の精神病」にあたるかどうかは、専門医による鑑定等に基づいて判断されることになるため、「強度の精神病」を理由とした離婚が認められることのハードルは高い傾向にあります。 離婚を簡単に認めてしまうと、病気を患っている人の離婚後の生活が危ぶまれるなどの事情があるためです。 そのため、過去の裁判例などでは、精神病にり患した配偶者の療養や生活のためにできる限りのことをして、今後の具体的な見通しがつく状態になっていなければ離婚を認めない傾向にあります。

婚姻を継続しがたい重大な事由

「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、これまでに述べた4つの離婚理由には当てはまらないものの、夫婦関係が破たんし、やり直すことが著しく困難な事情がある場合のことです。 これまでの裁判例では、次のようなケースで離婚が認められています。

  • 性格の不一致
  • DV(暴力や精神的な虐待)
  • 配偶者の親族との不和
  • 過度な宗教活動
  • 性行為の拒否・強要
  • 重大な病気・障害
  • 働く意欲がない・浪費

「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかは、ケースごとの事情を総合的に考慮して判断されます。 そのため、これらの事情があったからといって、ただちに「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると判断してもらえるわけではありません。

「婚姻を継続しがたい重大な事由」を主張するために必要な証拠

「婚姻を継続しがたい重要な事由」として離婚が認められるためには、夫婦関係が破たんし、やり直すことが著しく困難であることを証明する証拠が必要です。 さまざまな事情があたりうるので、証拠を一般化することは難しいですが、たとえばDVを理由に離婚したいと考えた場合、次のような記録が証拠となる可能性があります。

  • 配偶者から暴力を受けた時の録音や録画、ケガの写真、診断書
  • その事情によって、生活がどれほど耐えがたい状態かを記録した日々のメモ、日記
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