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離婚原因

2016年05月26日

育児放棄で離婚が認められる条件や児童虐待への対処法

パートナーの育児放棄が続いていたら、信頼や愛情は失われ、子どもの健全な成長のためにも離婚を考えてしまうこともあるでしょう。しかし、一口に育児放棄と言ってもその程度は様々で、必ずしも法的に離婚原因として認められるわけではありません。自身の状況が離婚原因に当てはまるのかを確認し、離婚手続きの流れを理解しておきましょう。

目次

  1. 離婚原因に認められる場合
  2. 離婚原因に認められない場合
  3. 児童虐待やモラハラがある場合
  4. 育児放棄の場合の離婚方法

離婚原因に認められる場合

育児放棄は必ずしも法的な離婚原因と認められているわけではなく、離婚原因となりうる育児放棄の実態は限られています。では、どのような状況であれば法的に認められるのでしょうか。 それは専業主婦(夫)が、子育てができる能力・状況があるにも関わらず、子育てを行なわず、場合によっては児童虐待に及んでしまうようなケースです。育児放棄の具体的な例としては、以下の様な状況があります。

  • 保育園や学校に通わせない
  • 十分な食事を与えない
  • 下着の交換など身の回りの世話をしない
  • パチンコなどの娯楽に興じ、子どもを放置する

また、共働きの夫婦の一方が子育てに協力しない場合にも、離婚原因になり得ます。夫婦には同居・協力・扶助義務があり、共働きの場合には「子育て」や「家事」も分担する義務があります。そのため、一方が理由もなく子育てに協力しないことは、夫婦の義務に違反する「悪意の遺棄」という離婚原因に該当します。

離婚原因に認められない場合

一方で、育児放棄が離婚原因として認められない場合もあります。親に子育ての意思はあるけれど、理由があって十分な子育てができない場合には、離婚原因とはなりません。例えば以下のような状況が挙げられます。

  • 経済力がなく十分な食事を与えられない
  • 育児・産後ノイローゼを患ってしまった
  • 知識がないため看病ができない

また、片方が専業主婦(夫)でもう一方が働いている場合は、働いている方が子育てに協力的でなくとも、離婚原因とは認められません。その場合、労働によって夫婦の協力義務を果たしていると考えられるためです。 ただし、子育てに協力する義務自体はなくならないため、時間に余裕があるのであれば協力しなければなりません。その場合でも、一方の協力が足らないことを客観的に評価することは難しく、程度の問題であるため、一概には離婚原因となるとは言えません。 また、特に父親の場合には、子どもに愛情が芽生えるのが母親に比べて遅い傾向にあります。今後愛情が芽生え、子育てへの貢献が期待できる場合には、裁判でも離婚が認められないケースもあり、離婚できるかどうかの判断は非常に難しいと言えるでしょう。

児童虐待やモラハラがある場合

残念なことに子育てに協力しないだけではなく、子どもに暴力を振るったり、満足に食事を与えない親も少なくありません。児童虐待がある場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」としてただちに離婚が認められます。 児童虐待の疑いがある場合には、早めに児童相談所に相談しましょう。子どもの身に危険がある場合には、保護してもらうことも可能です。相談所での相談履歴は、離婚する際の証拠にもなるため、一人で悩まず、まずは相談することが重要です。 また、子育てへの協力を頼み、断られる際には、「モラハラ」に当たる辛辣な言葉を浴びることも多くあります。

  • 「子育てなんて働くよりも楽だろう」
  • 「子育ても一人でできないのか」
  • 「子どもの発育が悪いのはお前のせいだ」

このような言葉を執拗に受ける場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。モラハラについて詳しくは「モラハラによる精神的苦痛を離婚原因とする場合の慰謝料相場」をご覧ください。

育児放棄の場合の離婚方法

離婚時には夫婦でよく話し合い、決めるべき様々なことに対して合意を得ておくのが理想です。しかし、育児放棄が起きている夫婦はそもそも話し合いが難しく、感情的になってまとまらない場合も多いでしょう。そのような場合には「離婚調停」を申し立て、裁判所に話し合いを仲裁してもらいます。 また、児童虐待により子どもの身に危険が及んでいる場合には、何よりも子どもの保護が優先です。別居や児童相談所に保護してもらうことも検討しましょう。子どもの安全が確保できたら、調停を申し立て離婚手続きに入ります。 離婚調停に関して詳しくは「離婚調停の基礎知識 - 流れ・期間・費用」をご覧ください。

児童虐待・育児放棄の証拠

離婚調停になった場合は、証拠は必須ではありませんが、調停委員の判断材料となり、パートナーが離婚に応じるよう説得してくれる可能性が高まります。また、もし調停が不成立に終わり、裁判を起こすこととなった場合には、証拠が何よりも重要になるため、できる限り集めておきましょう。 児童虐待や育児放棄の証拠として有効なものは、以下のようなものがあります。

  • 子どもが暴力を振るわれた際の怪我やあざの写真
  • 医療機関の診断書
  • 児童相談センターの相談履歴
  • 子育ての協力に応じない会話の録音
  • 育児放棄について綴った日記

離婚裁判

相手に反対され調停が不成立に終わってしまった場合には、離婚を成立させるには裁判離婚 - 離婚訴訟を起こすための必要条件や流れ・期間・費用についてを起こし、和解か判決を得なければなりません。裁判は1年ほどかかり、法律知識のない一般の人が闘っていくのは困難なため、弁護士に依頼することとなるでしょう。もし相手が離婚に全く応じる気配がない場合は、早い段階で弁護士に相談して、早期決着を目指すことをおすすめします。

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