モラハラによる精神的苦痛を離婚原因とする場合の慰謝料相場

出会った頃は優しく温厚だったパートナーが、結婚してから豹変し、家では暴言を吐くようになった、機嫌が悪いと無視する、家事の不出来を延々と指摘する、といったモラハラを働くケースも珍しくないでしょう。執拗な暴言や嫌がらせの精神的苦痛は大きく、時にはうつ病や不眠症を患ってしまうこともあります。 心身を守るためにも、別居や離婚が最良の選択となるかもしれません。モラハラは離婚原因になるのか、どのようなものがモラハラなのか、慰謝料はもらえるのかなど、モラハラと離婚の基礎知識を学びましょう。

目次

  1. モラハラは離婚原因になるのか
  2. 精神的安定の確保を
  3. モラハラの慰謝料相場
  4. モラハラによる離婚・慰謝料請求

モラハラは離婚原因になるのか

身体的な暴力ではなく、言葉による攻撃や嫌がらせなど、精神的暴力も離婚原因となり、慰謝料請求の対象となります。最近ではモラハラという言葉(モラルハラスメントの略)も社会に定着し、離婚原因としても一般的になってきています。 モラハラ・精神的苦痛として認められるものに次のようなものがあります。

  • 「死ね」「馬鹿」などの相手を貶める発言
  • 会話の拒否や一緒に食事をとることを避ける
  • 大きなため息をつくなどイラつきを過度に表現する
  • できないことがあると片っ端から批判する

ただし、モラハラがあれば即座に離婚が認められるわけではないので注意が必要です。モラハラを理由に離婚できるかどうかは、モラハラの程度が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが争点となります。継続的なモラハラがあれば、「婚姻を継続し難い」と言えるでしょう。

精神的安定の確保を

モラハラ行為が続くと精神を病み、うつ病や不眠症、パニック障害などを患ってしまうことも少なくありません。まずは心のケアを優先してください。モラハラ被害に悩んだら、一人で苦しまずに、お近くの配偶者暴力相談支援センターや女性センターなどで相談してください。調停や裁判で離婚を争った際に、相談履歴もモラハラの証拠とすることが可能です。 また、別居も検討しましょう。精神的安定を確保するには、やはり相手と距離を置くのが一番です。別居しても電話やメールでの嫌がらせは続く可能性はありますが、直接攻撃されるよりも苦痛は軽減されるでしょう。嫌がらせの電話やメールはモラハラの証拠になるので、可能であれば録音・保存しておきましょう。 別居したいけれども生活費が不安という場合もあるでしょう。配偶者の方が収入が多ければ、別居していたとしても生活費を請求することが可能です。詳しくは「別居を始める際の注意点や離婚との関係」をご覧ください。

モラハラの慰謝料相場

モラハラは精神的苦痛を与えるものなので、その賠償として慰謝料を請求できます。モラハラによる離婚慰謝料の相場は、50〜300万円程度となっています。慰謝料の金額は、モラハラを受けていた期間や精神疾患の有無、配偶者の経済力や婚姻期間などの様々な要因で変動し、相場以下にも相場以上にもなりえます。自身の状況でどのくらいの金額を請求すべきかわからない場合は、専門家である弁護士に相談すると良いでしょう。

モラハラによる離婚・慰謝料請求

通常の離婚の場合は、まずは夫婦で離婚の是非や条件面を話し合うことから始めます。しかし、モラハラの場合はまともに話合いにならなかったり、暴力を振るわれてしまう可能性もあるため、離婚調停や離婚訴訟も見越した準備が必要になります。

モラハラの証拠

離婚調停では証拠は必須ではないですが、証拠があれば信用が増し、主張が受け入れてもらいやすくなります。また、モラハラ行為をする相手の場合は、調停に出席せず不調に終わる可能性も少なくありません。そうなれば離婚訴訟を起こし、裁判で争うしかなく、証拠が必須となります。離婚話を切り出す前に、あらかじめ証拠を集めておきましょう。 モラハラの証拠となるのは以下のようなものです。

  • 配偶者暴力相談支援センターや女性センターへの相談履歴
  • 嫌がらせの通話記録やメール
  • モラハラを受けた日時や場所、具体的な内容を記した日記やメモ
  • 医療機関の診断書

離婚調停の申立て

話し合いが可能であれば、まずは話し合いから始めることが理想ですが、まったく取り合ってもらえない場合や危害を加えられることが怖い場合も多いでしょう。そのような場合は離婚調停を申し立て、裁判所を介して配偶者と合意点を調整していきます。離婚調停について詳しくは「離婚調停の基礎知識 - 流れ・期間・費用」をご覧ください。

離婚訴訟を起こす

調停で離婚に反対されたり、慰謝料に合意できなかったりする場合には、調停は不調に終わり裁判を起こすことになります。モラハラ行為をする人物の特徴として、相手を自分の支配下に置きたいという心理があります。そのこともあって、自分が調停に呼び出されることを嫌い、出席しないことも少なくありません。あらかじめ裁判まで覚悟しておきましょう。離婚訴訟について詳しくは「裁判離婚 - 離婚訴訟を起こすための必要条件や流れ・期間・費用について」をご覧ください。 裁判は1年程度かかり、一般の人では弁論を有利に進めることは困難なため、弁護士に依頼することになるでしょう。早くから弁護士をつけておくと、相手も諦めて早期に決着がつく可能性もあります。モラハラで離婚を考えた段階から、相談だけでも依頼しておくことをおすすめします。

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