長崎県が新型コロナの誹謗中傷に弁護士費用を支援 県外にも広がる取り組み

長崎県は8月26日から、新型コロナウイルスの感染者や医療従事者の家族などが誹謗中傷の被害を受けたとき、相談料などの弁護士費用を支援する取り組みを行なっている。どんな取り組みなのか、長崎県に聞いた。


長崎県によると、「誹謗中傷を受けたので損害賠償請求について弁護士に相談したい」「職場から県外移動や外食などで過度な制限を受けている」「介護施設の利用を拒否された」などの相談が寄せられていた。相談内容に応じ、各自治体や労働局などの関係機関に対応を依頼。「加害者を特定したい」「損害賠償を請求したい」など、法的な相談については、長崎県弁護士会から推薦された弁護士を紹介している。窓口に寄せられた相談は、9月17日現在、10件ほどにとどまるが、実際に弁護士への相談につなげたケースもあるという。

相談者が弁護士への相談を希望する場合、長崎県が1案件につき5万円分までの相談料を支援(単価:30分5000円)。また、インターネット上での誹謗中傷に対し、削除請求や発信者情報開示請求を弁護士に依頼する場合は、経費の2分の1(上限30万円)を支援する。

また、SNSやインターネット掲示板のパトロールも実施している。「長崎 コロナ」などで検索し、誹謗中傷に該当する書き込みが見つかれば、画面を保存する。被害者から相談を受け、該当する画面を保存していた場合、訴訟を起こしたりする際の証拠として利用できるよう保存画面を提供する。

長崎県人権・同和対策課の担当者は、弁護士ドットコムタイムズに対し、「誹謗中傷を防止する啓発活動だけでなく、被害を受けた方への支援も必要だと考えている。県として被害者を支援する姿勢を示すことで、誹謗中傷の抑止につながることも期待している」として、被害者はひとりで悩まず気軽に相談するよう呼びかけている。この取り組みは2021年3月までを予定しているが、新型コロナウイルスの感染状況によっては、継続して実施することもあり得るとしている。

愛知県東郷町でも弁護士費用を支援へ


長崎県による取り組みは県外に広がっている。愛知県の東郷町でも新型コロナウイルスに関連して誹謗中傷を受けた人に対し、弁護士への相談料や、削除請求、発信者情報開示請求にかかる費用を支援する方針だ。10月から開始する予定。

愛知県東郷町の企画部地域協働課によると、7月に感染者が確認されてから、これまで13人が感染。担当者は「感染者に対する支援策を検討しているときに、長崎県の取り組みを拝見した。感染の再拡大も懸念されている状況なので、迅速に対応できるようにしたい」としている。

※画像は長崎県庁(ピクスタ)

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