【弁護士Q&A】発信者は開示請求されたことをいつ知ることができるのか|裁判前に示談できる可能性も解説

発信者情報開示請求されたとき、発信者は、どのタイミングで請求されたことを知るのでしょうか。 また、開示請求の裁判は、開示請求者がプロバイダに対して起こすことが一般的ですが、発信者は裁判に関わることはできるのでしょうか。 裁判に関われない場合、発信者はどのような手段をとることができるのでしょうか。裁判前に示談が成立する可能性はあるのでしょうか。 弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 開示請求されているか知りたい場合
  2. 発信者が開示請求の裁判に関わることはできるのか?
  3. 開示請求の裁判の前に示談できるか
  4. Q&Aまとめ

開示請求されているか知りたい場合

発信者は、発信者情報開示請求がされたことをいつ知ることになるのでしょうか。

開示請求されたことはいつ知ることができますか?

相談者の質問 匿名のインターネット上の掲示板での書き込みについて、発信者情報開示請求を受けている可能性があります。

掲示板が、私に無断で情報を開示することはあるのでしょうか。実際に掲示板が開示していた場合、私は、開示されたことをどうやって知ることができるのでしょうか。

川添 圭の写真 弁護士の回答川添 圭弁護士 掲示板はあなたの個人情報を知りませんので、掲示板に対する発信者情報開示請求の段階では意見照会は行われません。

意見照会はその次の段階(つまり発信元IPアドレスが開示されて経由プロバイダが判明し、当該経由プロバイダへ発信者情報開示請求がなされた場合)です。

発信者が利用している経由プロバイダは、開示請求を受けたとき、原則として、情報を開示してよいか、発信者に意見を聞かなければなりません。「意見照会」と呼ばれています。 つまり、発信者は、原則として意見照会のタイミングで開示請求を受けたことに気付くようです

発信者が開示請求の裁判に関わることはできるのか?

発信者が開示請求の裁判に関われるのでしょうか?

相談者の質問 書き込みをしてから一定の時間(5か月前)がたっても開示される可能性はありますか?

開示請求の裁判を起こされたら、どのような弁護士さんにお願いするべきでしょうか?

川添 圭の写真 弁護士の回答川添 圭弁護士 一般的に、経由プロバイダのログ保存期間は、携帯電話会社は3か月程度、固定回線のプロバイダは3~6か月程度(さらに長期間の事業者もあります)とされています。

よって、発信元の契約種別次第では、アクセスログにより契約情報の開示を受けられる可能性があります

発信者情報開示請求訴訟は、経由プロバイダが訴訟当事者であり、あなたは当事者ではありません。

経由プロバイダへ発信者情報開示請求がなされた時点で意見照会書が届きますが、訴訟の進行に関与することはありません

開示請求の裁判に、発信者が関与することはありません。では、裁判が始まる前に示談できる可能性はあるのでしょうか。

開示請求の裁判の前に示談できるか

弁護士に依頼して、自分の個人情報を一切知られずに示談が成立することを望む相談者からの質問を紹介します。そんなことができるのでしょうか。

開示請求者に対して身元を明かさないことはできますか?

相談者の質問 弁護士に依頼すれば、開示請求者に知られることなく示談できる可能性はあるのでしょうか?

川添 圭の写真 弁護士の回答川添 圭弁護士 意見照会の段階で弁護士が介入して示談することができれば、氏名の開示だけで済む可能性はありますが、事案によりますので何とも言えません。

例えば、示談交渉の前提として、プロバイダからの意見照会に対し開示に同意する旨回答することを提案される可能性もあります(同意すれば、プロバイダから相手方へあなたの住所や氏名が開示されます)。

相手方としては(今後のことも考えて)あなたの住所と氏名は少なくとも把握しておきたいという心理は働くと思います。

裁判前に示談できる可能性はあります。ただし、意見照会に同意することが条件になるケースもあり、まったく身元を知られることなく示談することは難しそうです。

Q&Aまとめ

今回のQ&Aのポイントは以下になります。

  • 開示請求を受けていることを知るタイミングは、経由プロバイダからの意見照会
  • 開示請求の裁判に、発信者が関与することはできない
  • まったく身元を知られることなく示談を成立させることは難しい
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