【交通事故】自賠責保険で支払われる死亡逸失利益の金額と計算方法

死亡事故の遺族が自賠責保険に賠償金を請求する場合、賠償金はいくら支払ってもらえるのでしょうか。この記事では、自賠責保険から支払われる賠償金のうち、逸失利益の計算方法について解説します。

目次

  1. 死亡事故による逸失利益の計算方法
  2. 自賠責基準で定められている逸失利益の計算方法
  3. 1.年収を計算する
    1. 仕事をして収入を得ていた場合
    2. 退職してから1年が経っていない失業者
  4. 2.生活費を計算する
  5. 3.死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数を係数表で調べる
  6. 4.計算式に当てはめて計算する
    1. 具体的な計算例

死亡事故による逸失利益の計算方法

逸失利益とは、被害者が生きていれば得られたはずの利益のことをいいます。被害者の年齢や収入、生活費に応じて金額が変わります。 逸失利益は賠償金の中でも金額が大きい費目なので、保険会社から提案された額が、どのような計算で算出されたのか、自分でも理解できるようにしておいた方がよいでしょう。 では、具体的に求めることができる逸失利益の額は、いくらくらいなのでしょうか。 自賠責保険から保険金が支払われる場合、保険金の金額は国土交通省で定められている計算方法(自賠責基準)にもとづいて決められます。 どのような計算方法なのか見ていきましょう。

保険金の計算方法には自賠責基準のほかに、任意保険から支払いを受ける場合の「任意保険基準」、裁判をする場合の「裁判基準」もあります。

自賠責基準で定められている逸失利益の計算方法

自賠責基準で定められている逸失利益の計算方法は次のとおりです。

  1. 年収を計算する
  2. 生活費を計算する
  3. 死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数を係数表で調べる
  4. 次の計算式に当てはめて計算する

逸失利益=(年収ー本人の生活費)×死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数

順番に解説していきます。

1.年収を計算する

年収の計算方法は、被害者の職業によって変わります。

  • 仕事をして収入を得ていた場合
  • 退職してから1年が経っていない失業者
  • 主婦・主夫、学生、子ども
  • 退職してから1年以上経った失業者など、上記以外で働く意思と能力がある人

被害者が年金収入を得ていた場合には、仕事の有無にかかわらず、別の計算方法があります。年金収入を得ていた場合の計算方法は次の記事で詳しく解説しています。

仕事をして収入を得ていた場合

被害者が仕事をして収入を得ていた場合の年収の計算方法は、「死亡時の年齢が35歳以上かどうか」「事故前1年間の収入の金額を証明することができるかどうか」により変わります。 次の表を見て、被害者がどのパターンに当てはまるのか確認してみましょう。 パターンAからDまでの計算方法をそれぞれ説明しますので、当てはまる箇所を読んでください。年収を求めた後の計算方法については、各パターンを説明した後に詳しく解説しています。

【パターンA】35歳以上で、事故前1年間の収入の金額を証明できる場合

死亡時の年齢が35歳以上で、事故前1年間の収入の金額を証明できる場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額と、事故前1年間の収入の金額のうち、どちらか高い方が被害者の年収となります。

【パターンB】35歳以上で、事故前1年間の収入の金額を証明できない場合

死亡時の年齢が35歳以上で、事故前1年間の収入の金額を証明できない場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額が被害者の年収となります。

【パターンC】35歳未満で、事故前1年間の収入の金額を証明できる場合

次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額と、事故前1年間の収入の金額のうち、どちらか高い方が被害者の年収となります。

【パターンD】35歳未満で、事故前1年間の収入の金額を証明できない場合

35歳未満で、事故前1年間の収入の金額を証明できない場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額が被害者の年収となります。

退職してから1年が経っていない失業者

被害者が退職してから1年が経っていない失業者の場合の年収の計算方法は、「死亡時の年齢が35歳以上かどうか」「退職前1年間の収入の金額を証明することができるかどうか」により変わります。 次の表を見て、被害者がどのパターンに当てはまるのか確認してみましょう。 パターンEからHまでの計算方法をそれぞれ説明しますので、当てはまる箇所を読んでください。年収を求めた後の計算方法については、各パターンを説明した後に詳しく解説しています。

【パターンE】35歳以上で、退職前1年間の収入の金額を証明できる場合

死亡時の年齢が35歳以上で、退職前1年間の収入の金額を証明できる場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額と、退職前1年間の収入の金額のうち、どちらか高い方が被害者の年収となります。

【パターンF】35歳以上で、退職前1年間の収入の金額を証明できない場合

死亡時の年齢が35歳以上で、退職前1年間の収入の金額を証明できない場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額が被害者の年収となります。

【パターンG】35歳未満で、退職前1年間の収入の金額を証明できる場合

次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額と、退職前1年間の収入の金額のうち、どちらか高い方が被害者の年収となります。

【パターンH】35歳未満で、退職前1年間の収入の金額を証明できない場合

35歳未満で、退職前1年間の収入の金額を証明できない場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額が被害者の年収となります。

主婦・主夫、学生、子ども

主婦・主夫、学生、子どもの場合には、死亡時の年齢が58歳未満の場合には、次の表の金額が年収となります。 58歳以上の場合には、次の表の金額が年収となります。

退職してから1年以上経った失業者など、上記以外で働く意思と能力がある人

退職してから1年以上経った失業者など、上記以外で働く意思と能力がある人の場合、次の表を見て、死亡時の年齢に対応する平均給与額を調べます。 調べた平均給与額が被害者の年収となります。

2.生活費を計算する

生活費は、領収書などをもとに具体的に証明することもできます。生活費を証明することが難しい場合には、次の控除率を年収から控除します。

3.死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数を係数表で調べる

就労可能年数とライプニッツ係数表を見て、被害者の死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数を調べましょう。 たとえば、被害者の死亡時の年齢が30歳の場合、ライプニッツ係数は「16.711」です。

4.計算式に当てはめて計算する

最後に、今まで調べてきた数値を次の計算式に当てはめて計算します。

逸失利益=(年収ー本人の生活費)×死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数

具体的な計算例

たとえば、被害者が30歳、男性、独身で、仕事をして収入を得ており、事故前1年間の収入の金額は証明できない場合、次のように計算します。 まず、年収は、4,984,800円です。 次に、生活費は、50%の控除率で計算します。 年齢に対応するライプニッツ係数は、「16.711」です。 最後に、計算式に当てはめて計算した数字が逸失利益の額になります。

逸失利益=(年収ー本人の生活費)×死亡時の年齢に対応するライプニッツ係数

4,984,800円×(1ー0.5)×16.711=約41,650,496円 この41,650,496円が逸失利益となります。

自賠責保険には、支払いの上限額があります。死亡事故の場合の上限は3000万円です。逸失利益やその他の慰謝料などを合わせた金額が3000万円を超える場合でも、3000万円までしか支払ってもらうことができないので、注意しましょう。

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