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過失割合

2018年03月23日

交通事故の賠償金が過失相殺により減額されたときの対処法

交通事故で被害を受けたのに賠償金を減額されてしまった…。交通事故の被害者でも、前方不注意などの過失がある場合には「過失相殺」によって全額支払ってもらえない場合があります。

  • 過失相殺とは
  • 過失割合を決める方法
  • 過失割合に納得がいかない場合の対処法

この記事では、こうした内容について詳しく解説します。

目次

  1. 被害者に過失があると賠償額が減額される
  2. 過失割合はどのように決まるのか
  3. 過失割合に納得がいかないときの対処法

被害者に過失があると賠償額が減額される

交通事故では、加害者の不注意(過失)によって発生する場合もありますが、被害者にも一定の不注意(過失)がある場合も少なくありません。 そのような場合に、お互いの過失の程度に応じて賠償金の金額を減額する「過失相殺」という仕組みがあります。「双方に不注意がある場合、一方に100%の賠償をさせることは公平ではない」という考え方が背景にあります。 お互いの過失の程度は「過失割合」として、どちらに何%あるのかという形で示されます。 たとえば、過失割合が加害者80%、被害者20%の場合、賠償金が200万円だとすると、受け取れる保険金は200万円の80%、つまり160万円になります。

自賠責保険から賠償金が支払われる場合の過失相殺

賠償金が任意保険ではなく自賠責保険から支払われる場合には、被害者保護の観点から、被害者の過失が70%以上の場合に限り賠償金が減額されます。減額される割合も、過失割合より少ない割合となっています。 自賠責保険の場合に過失相殺で減額される割合は、次の表のとおりです。 alt

過失割合はどのように決まるのか

過失割合は、交通事故が「車同士なのか」「車対歩行者なのか」「車対自転車なのか」「交差点かどうか」「信号の色は赤だったのか青だったのか」といったポイントである程度パターン化されています。 そのパターンの中で自分の事故がどれに近いのかによって、おおよその過失割合が決まります。 その過失割合を基本として、たとえばウインカーを出していない場合や、速度違反の場合などには、さらに過失を認め、修正を加えることがあります。 たとえば、次の図のような場合の過失割合を見てみましょう。 alt この事故では、次のような点がポイントになります。

  • 車同士の事故であること
  • 信号がある交差点での事故であること
  • 直進する車と右折する車との事故であること

Aの車もBの車も、青信号に従って進行しているので、この点についてはお互い過失はありません。 しかし、Bの車は対向車線をまたぐ形で交差点を右折しようとしているため、対向車の有無や距離など安全を確認した上で交差点に進入する注意義務があります。 Bの車はこうした注意義務に反しているといえるので、Aの車より過失が大きいと評価できます。 この場合の過失割合は、Aの車が20%、Bの車が80%です。 過失割合のパターンは、「別冊判例タイムズ38号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という本で見ることができます。 保険会社から示された過失割合に疑問がある場合には、調べてみてもよいでしょう。 本を手に入れるハードルが高い場合には、保険会社の担当者に聞いてみたり、弁護士に相談するという方法もあります。

過失割合に納得がいかないときの対処法

保険会社に提示された過失割合に納得がいかない場合に取ることのできる手段は、大きく3つあります。

  • 示談交渉の中で過失割合について保険会社と交渉する
  • ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用する
  • 裁判をする

それぞれの内容について説明します。

これらの手段とは別に自分で弁護士を探して個別に相談することができます。相談するタイミングはいつでも構いません。弁護士に相談をしてみて信頼できそうだと考えたら、交渉を依頼することもできます。

示談交渉の中で過失割合について保険会社と交渉する

過失割合について納得がいかない場合、自分の過失割合が少ないことを裏づける証拠を用意して、保険会社に交渉する方法があります。 事故当時のドライブレコーダーの録画や、目撃者の証言などがあれば役に立つでしょう。 被害者がケガをしたり死亡したりして、加害者が起訴されたり刑事裁判にかけられたりしている場合には、刑事裁判の判決や、警察や検察が集めた証拠をまとめた刑事記録を入手することで証拠とすることができます。 刑事記録が必要となる場合は、加害者が起訴されるかどうかの処分や刑事裁判の判決が確定するまで示談交渉を待つ場合があります。 加害者が不起訴になった場合には、検察庁に刑事記録のコピーを求めることができます。

事故状況に争いがあり、刑事記録が証拠として必要になるような紛争では、交渉の過程で専門的な知識が必要となることも少なくありません。保険会社と交渉を進めていくことに不安がある方は、刑事記録の入手も含めて紛争の解決を弁護士に依頼することを検討してもよいでしょう。

刑事記録を手に入れるべきかどうかは慎重に判断を

加害者に対して不起訴処分の判断がされる、あるいは刑事裁判で判決が確定するまでは、時間のかかるケースが少なくありません。 また、せっかく刑事記録を取り寄せても、思ったとおりの事情が書かれておらず、自分の言い分を通すための証拠としては決め手にならない場合もあります。 時間をかけてでも刑事記録を取り寄せるべきかどうかは、事前によく検討した方がよいでしょう。

ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する

「ADR(裁判外紛争解決手続)」とは、示談交渉がまとまらないときに、公正中立な第三者が間に入り解決を目指す裁判以外の手続きのことをいいます。 交通事故の場合に、主に利用されているADR機関は「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」の2つです。どちらも無料で利用できます。 この2つのADRでは、弁護士による無料相談を実施しています。弁護士は保険会社からも話を聞いた上で、「この内容で示談したらどうですか」という解決案を提案します。解決案に被害者遺族も保険会社も納得できれば、示談が成立します。 解決案に納得ができない場合には、審査会による「審査」を申し立てることができます。審査会は「この内容で示談すべきである」という「裁定」を出します。 交通事故紛争処理センターを利用した場合には、被害者が同意した場合、保険会社は原則として裁定に従わなければなりません。 ADRによって、利用の条件が異なります。それぞれの場合に合った適切な機関を選びましょう。

裁判をする

裁判では、当事者が、証拠を提出するなどして、自分の言い分を裁判官に認めてもらうための活動を行ないます。裁判官は、それぞれの言い分を証拠によって吟味して、「判決」という形で判断を示します。 ADRは、歩み寄って妥協点を目指す手続きなのに対して裁判はお互いの主張を述べて、白黒はっきりつけて解決する手続きです。 自分の言い分を認めてもらうためには、証拠に基づいて「その言い分が事実である」ということを証明する必要があります。 裁判は手続きが厳密で、訴状の書き方や証拠の集め方、証人尋問や本人尋問の対処法など、専門知識や訴訟技術が求められます。 そのため、経験の乏しい個人が一人で裁判に臨んでも、期待どおりの金額が認められない可能性があり、弁護士に依頼することが一般的です。

弁護士特約

弁護士に依頼したいけれど、弁護士費用の負担が心配な場合には、自分の加入している自動車保険や火災保険に「弁護士特約」がついていないか確認しましょう。 弁護士特約とは、弁護士費用を負担する保険の特約のことをいいます。弁護士特約を利用すると、ほとんどの場合、弁護士費用の実質負担がなく弁護士に依頼することができます。 弁護士特約は自動車保険や火災保険についていることが多く、300万円を限度に弁護士費用をカバーする内容になっていることが一般的です。 被害者が加入していた保険の弁護士特約を使うこともできますし、被害者遺族やその家族の弁護士特約を利用することができる場合もあります。 弁護士に依頼したいと考えている場合には、弁護士特約がついていないか確認するとよいでしょう。

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