交通事故

弁護士監修記事 2018年03月22日

交通事故のケガを治療する際に注意するべきポイントと示談交渉のタイミング

交通事故でケガをしたとき、治療費など被害の賠償は、多くの場合加害者(保険会社)との話合い(示談交渉)で解決することになります。

  • 保険会社に治療費をいつ支払ってもらえるのか
  • 治療費の支払いや日々の生活費に不安がある場合はどうすればよいのか
  • 支払いの打ち切りを告げられた場合の対処法

この記事では、こうしたポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 治療費はいつ支払ってもらえるのか
    1. 保険会社に「一括対応」してもらう
    2. 一括対応が受けられない場合
  2. 経済的に不安がある場合の対処法
  3. 保険会社に支払ってもらえる治療費の費目
  4. 保険会社に支払ってもらえない可能性がある費目
    1. 整骨院・接骨院の施術費
    2. 過剰診療・高額診療
    3. 個別・特別室の利用料
    4. 症状固定後や将来の治療費
  5. 治療費の打ち切りを告げられたら
  6. 治療が終わったら
    1. 医師から「完治」を告げられたら
    2. 医師から「症状固定」を告げられたら

治療費はいつ支払ってもらえるのか

交通事故で負ったケガを治療する際に支払った費用は、加害者が加入している任意保険会社から支払ってもらうことが一般的ですが、精算の方法は2つあります。

保険会社に「一括対応」してもらう

1つは「一括対応」という方法です。任意保険会社が窓口になって、被害者が治療を受けている病院などの医療機関に対して、治療費や入院費などを直接支払ってくれる方法です。 交通事故で使える保険は、「自賠責保険」で補償しきれない部分を「任意保険」がカバーするという2段階構造になっています。 一括対応の場合は、任意保険会社が被害者に代わって自賠責保険に対する保険金請求も一括して行ってくれるため「一括対応」といいます。 保険会社が一括対応してくれる場合、被害者自身が病院の窓口で支払う必要はありません。

一括対応が受けられない場合

任意保険会社が必ず一括対応をしてくれるとは限りません。この場合、被害者は、病院の窓口で治療費を立て替えて、あとで保険会社に請求していくことになります。 交通事故で負ったケガの治療に健康保険を利用する場合ためには、通常のケガの治療に加えて書類提出などの手続きが必要となる場合があります。

健康保険を利用する手続きについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

経済的に不安がある場合の対処法

ケガの治療のために仕事を長期間休むことになった場合や、一括対応を受けられずに治療費を自分で支払うことになった場合、当面の費用に不安を感じる人もいるでしょう。 そうした場合でも次のような手段をとることで、不安を解消することができます。

  • 加害者が加入する自賠責保険から「仮渡金」を受け取る
  • 任意保険会社に、自賠責保険の分の賠償金を先に支払ってもらう
  • 自賠責保険に被害者請求をする

各手続きについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

保険会社に支払ってもらえる治療費の費目

交通事故の治療費については、どんな治療内容でも保険会社に請求できるわけではありません。保険会社に対して請求できる治療費としては、以下のような費目があります。

  • 初診再診費用
  • 検査費用
  • 手術費用
  • 投薬注射費用
  • 処方箋
  • 義肢、義足費用

これらの費用については、治療費として保険会社に対して請求することが可能です。また、通院費用や診断書作成費用についても合わせて請求することができます。 この他にも、必要性があれば、メガネやコンタクトレンズ、車いす、松葉杖、医療・介護用ベッドなどを購入するための費用も認めてもらえる可能性があります。 また、重度の障害が残った場合などには、自宅の出入り口や浴室、トイレに手すりをつけたり、自動車を車椅子ごと搬入できるようにしたりするなど、バリアフリー化しなければならないこともあるでしょう。 こうしたバリアフリー化にかかった費用についても、必要性が認められれば、保険会社から支払ってもらえる可能性があります。 将来的に車やベッドなどに寿命がきた時(耐用年数がすぎた時)のための買い替え費用についても、支払ってもらえる可能性があります。

保険会社に支払ってもらえない可能性がある費目

整骨院・接骨院の施術費

保険会社が治療費として認めているのは、原則として「医師」による治療です。一方、整骨院や接骨院の施術は、柔道整復師による施術であるため、治療費として認められない可能性があります。 そもそも整骨院での処置は、医師が必要と診断していなければ、治療費として支払ってもらえない可能性があります。 特に交通事故に多いむち打ち症の治療でこれらの施設を利用する方がいますが、事故後なるべく早い段階で整形外科などで医師の診断を受け、「整骨院へ通うべき」ということをカルテに記載してもらいましょう。

過剰診療・高額診療

交通事故の怪我の治療に必要のない診療や合理的な理由のない高額な診療については、治療費として認められません。 たとえば、むち打ち症の検査を受けるだけなのに、高額な全身の人間ドックを受けたとしても、治療費として認められない可能性が高いでしょう。 また、合理的な理由がないのに転院を繰り返した場合も、治療費として認められなくなる恐れがあります。転院を希望する場合は、その都度保険会社の同意を得た方が良いでしょう。

個別・特別室の利用料

入院する際に、合理的な理由なく特別室などの差額ベッド代が発生する個室を利用した場合、治療費として認められない可能性があります。

症状固定後や将来の治療費

ケガが完治、または症状固定(これ以上治療を継続しても症状が改善しないと医学的に判断されること)の時点で治療は終了することになります。 そのため、症状固定後に自分の希望で治療を続けても、その治療費については原則として保険会社に請求することはできません。

症状固定後については後遺障害認定を受けることで「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」と言った別の費目について保険会社に請求することが可能です。

治療費の打ち切りを告げられたら

治療が長期間に及ぶと、任意保険会社が「治療はそろそろ終わるはず(完治した)」あるいは、「これ以上回復しないところまで治療した(症状固定した)」と主張して、治療費の一括対応の終了を告げてくることがあります。 治療費が打ち切りになると、任意保険会社から病院への治療費の支払いが止まるため、被害者は病院から治療費を請求されることになります。

治療費の打ち切りを告げられた場合の対処法については、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

治療が終わったら

医師から「完治」を告げられたら

医師から「怪我が完治している」と告げられた場合、治療は終了することになります。 治療が終了したことによって、慰謝料や休業損害などの損害額が確定するため、それらを計算した上で、任意保険会社と示談交渉を進めていくことになります。 ケガが完治した場合に保険会社に賠償を求めていく手続きの流れについては、次の記事で詳しく解説しています。

医師から「症状固定」を告げられたら

症状固定になった後は、残った症状について「後遺障害等級認定」の手続きを進めていくことになります。 後遺障害等級認定の制度は、後遺障害の症状の程度に応じて14の等級に分け、損害の額を算定する仕組みです。 等級が認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益(後遺障害が残らなければ得られたはずの利益)を保険会社から支払ってもらうことができます。 後遺障害等級が認定されないと、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を支払ってもらえる可能性がかなり低くなります。 そのため、後遺障害と認定されるかどうかによって、最終的な賠償金の額は大きく変わってくることになります。

後遺障害等級認定の手続きの進め方については、この記事の下の「あわせて読みたい関連記事」で詳しく説明しています。

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