交通事故慰謝料・損害賠償

弁護士監修記事 2018年03月20日

【交通事故】ケガの治療費を支払う余裕がない場合の対処法

交通事故でケガなどの被害を負い、保険会社との示談交渉がまとまるまでに時間がかかりそうな場合、治療費の支払いなどお金の面で不安を覚える方もいるでしょう。

  • 仮渡金とは?
  • 任意保険会社から保険金の一部先払いを受ける方法
  • 被害者請求のススメ

この記事では、こうしたポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 経済的に余裕がない場合
  2. 仮渡金(かりわたしきん)を受け取る
    1. 40万円
    2. 20万円
    3. 5万円
    4. 仮渡金を支払ってもらうために必要となる書類
  3. 任意保険会社から自賠責分の賠償金を先に支払ってもらう方法
  4. 自賠責保険に被害者請求をする方法
    1. 損害賠償額支払請求書
    2. 交通事故証明書
    3. 事故発生状況報告書
    4. 医師の診断書
    5. 診療報酬明細書
    6. 通院交通費明細書
    7. 付添看護費自認書、看護料領収書
    8. 休業損害証明書、納税証明書など
    9. 印鑑証明書
    10. レントゲン写真など

経済的に余裕がない場合

被害者が入院治療、あるいは通院治療をしている間、任意保険会社が被害者の治療費を病院に直接支払う対応をしてくれることがあります(「一括対応」といいます)。 ただし、保険会社が必ず一括対応をしてくれるとは限りません。その場合、治療費は被害者がいったん立替え払いして、後から保険会社に支払いを求めていくことになります。 しかし、治療費の支払うことについて経済的に余裕がない方もいるでしょう。そうした場合は、次のような手段を検討してみましょう。

  • 加害者が加入する自賠責保険から「仮渡金」を受け取る方法
  • 任意保険会社に、自賠責保険の分の賠償金を先に支払ってもらう方法
  • 自賠責保険に被害者請求をする方法

仮渡金(かりわたしきん)を受け取る

加害者が加入している自賠責保険の「仮渡金(かりわたしきん)」という仕組みを利用する方法があります。 交通事故の賠償金は、本来は、損害の全てが示談や裁判などで確定してから支払われることが原則です。 しかし、被害者の中には治療費など当面の資金を用立てることに悩む人もいます。そうした人たちのために、損害が確定する前であっても一定の金額が支払われる仕組みが「仮渡金」です。 傷害を負った場合、ケガの程度に応じて、40万円、20万円、5万円の仮渡金を受け取ることができます。

後になって加害者に賠償責任がないことが確定した場合、受け取った仮渡金は返還する必要があります。

それぞれのケガの程度は次のようになっています。

40万円

  • 脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状がある場合
  • 上腕または前腕骨折で合併症を有する場合
  • 大腿または下腿の骨折
  • 内臓破裂で腹膜炎を起こした場合
  • 14日以上入院が必要な傷害で30日以上の医師の治療が必要な場合

20万円

  • 脊柱の骨折
  • 上腕または前腕の骨折
  • 内臓破裂
  • 入院する必要がある傷害で30日以上の医師の治療を必要とする場合
  • 14日以上の入院が必要な場合

5万円

  • 医師の治療が11日以上必要な場合

仮渡金を支払ってもらうために必要となる書類

これは、費目を問わない「保険金の一部前払い」という形で支払われます。 仮渡金は通常、請求してから1週間程度で受け取ることができます。仮渡金を請求するには、加害者が加入している自賠責保険会社に必要書類を送ります。 加害者が加入している自賠責保険会社は、加害者に問い合わせるほか、「交通事故証明書」を取り寄せることでも知ることができます。 仮渡金を請求するために必要な書類は以下のとおりです。

  • 仮渡金支払請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 医師の診断書
  • 印鑑証明書

仮渡金支払請求書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社から入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

交通事故証明書

自動車安全運転センターで入手することができます。申込みはインターネットで申請することができます。また、ゆうちょ銀行・郵便局で手数料を支払って申し込み、後日郵送してもらう方法もあります。もちろん、自動車安全運転センター事務所の窓口で申し込むこともできます。交付手数料は1通につき540円です。

事故発生状況報告書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

医師の診断書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

印鑑証明書

賠償金を受領する人が請求者本人であることを証明するために必要です。印鑑登録をしている市区役所や町村役場で発行してもらうことができます。

任意保険会社から自賠責分の賠償金を先に支払ってもらう方法

交通事故被害の賠償金は、通常は、保険会社から保険金として支払われます。 交通事故の賠償に関する保険は2種類あります。1つは「自動車損害賠償責任保険(自賠責)」で、すべての自動車が加入することを義務づけられています。 もう1つは、ドライバーがそれぞれ任意で加入する損害保険(任意保険)です。 自賠責から支払われる保険金には限度額があります。事故の損害が限度額を超える場合、その超える部分の賠償金が任意保険から支払われます。 任意保険会社の担当者は、自賠責から支払われる賠償金も含めて保険金の提案をします。先に被害者にまとめて保険金を支払い、後で自賠責の分を自賠責保険会社に請求します。 任意保険会社は、自賠責の上限の範囲内であれば、自賠責保険会社から回収できるため、交渉次第では、保険金の一部を先に支払ってくれる可能性があります。 保険金の一部先払いに応じてもらえる可能性がある費目としては、休業損害があげられます。 休業損害とは、交通事故でケガが治るまでの間、または症状固定(これ以上治療を続けても症状が改善しないと医学的に判断されたこと)までの間、仕事を休むことによって減ってしまった分の収入のことをいいます。 「休業損害証明書」という書類で、休業損害の内容を示せば保険会社が先払いに応じてくれる可能性があります。

休業損害証明書の入手方法については、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

自賠責保険に被害者請求をする方法

任意保険会社が、一部先払いに応じてくれない場合でも、自賠責保険会社に「被害者請求」をすることで、先に自賠責保険から賠償金を支払ってもらうことができます。 傷害の場合、ケガの治療費、休業損害、慰謝料などの費目で、120万円を上限に自賠責保険から支払ってもらうことができます。 被害者請求をするには、加害者が加入している自賠責保険会社に必要書類を送ります。 加害者が加入している自賠責保険会社は、加害者に問い合わせるほか、事故証明書を取り寄せることでも知ることができます。 被害者請求をするために必要な書類は以下のとおりです。

  • 損害賠償額支払請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 医師の診断書
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 付添看護費自認書、看護料領収書
  • 休業損害証明書、納税証明書など
  • 印鑑証明書
  • レントゲン写真など

損害賠償額支払請求書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

交通事故証明書

仮渡金請求の場合と同様です。自動車安全運転センターで入手することができます。申込みはインターネットで申請することができます。また、ゆうちょ銀行・郵便局で手数料を支払って申し込み、後日郵送してもらう方法もあります。もちろん、自動車安全運転センター事務所の窓口で申し込むこともできます。交付手数料は1通につき540円です。

事故発生状況報告書

仮渡金請求の場合と同様です。書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

医師の診断書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

診療報酬明細書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

通院交通費明細書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

付添看護費自認書、看護料領収書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

休業損害証明書、納税証明書など

休業損害を証明するために必要な書類です。給与所得者の場合は、会社に休業損害証明書を発行してもらいます。源泉徴収書を添付します。 自由業者、自営業者、農林漁業者の場合は、納税証明書、課税証明書(取得額の記載されたもの)、確定申告書などを用意します。

印鑑証明書

お金を受け取る人が請求者本人であることを証明するために必要です。印鑑登録をしている市区役所や町村役場で発行してもらうことができます。

被害者が未成年で、親権者が被害者請求をする場合は、印鑑証明書の他にも、その未成年者の住民票か戸籍抄本が必要になります。

レントゲン写真など

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

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