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後遺障害認定

2018年03月20日

【交通事故】後遺障害等級認定の手続きと認定結果に不服がある場合の対処法

交通事故のケガの治療を続けていて、医師から症状固定を告げられた後は、後遺障害等級認定の手続きを進めていくことになります。

  • 後遺障害等級認定の手続きの流れ
  • 後遺障害等級認定の手続きを自分で進めたほうがよい場合
  • 認定結果に納得できない場合の対処法

この記事では、こうしたポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 症状固定と診断されたら後遺障害等級認定の手続きを進める
  2. 後遺障害等級認定を申請する方法
    1. 被害者請求で申請した方がよい場合
    2. 被害者請求を弁護士に依頼することもできる
    3. 労災事故の場合
  3. 等級認定の結果に納得できなかったら
  4. 望む等級認定の結果を得られたら

症状固定と診断されたら後遺障害等級認定の手続きを進める

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状が改善しないと医学的に判断された状態をいいます。症状固定になったかどうかは、医師(一般的には主治医)が判断します。 症状固定を告げられることは「治療の終わり」を意味するので、治療費として保険会社に請求できるのは、原則として症状固定時点までの治療にかかった費用になります。 そのため、症状固定後に自分で希望して治療を継続したとしても、その費用を保険会社から支払ってもらうことは原則としてできません。

リハビリの費用などについては、例外的に認められる可能性があります。

症状固定になった後は、残った症状について「後遺障害等級認定」の手続きを進めていくことになります。 後遺障害等級認定の制度は、後遺障害の症状の程度に応じて14の等級に分け、損害の額を算定する仕組みです。 等級が認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益(後遺障害が残らなければ得られたはずの利益)を保険会社から支払ってもらうことができます。 後遺障害等級が認定されないと、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を支払ってもらえる可能性がかなり低くなります。 そのため、後遺障害と認定されるかどうかによって、最終的な賠償金の額は大きく変わってくることになります。

後遺障害等級認定を申請する方法

後遺障害等級認定の手続きは、自分で申請することもできるし、任意保険会社に任せることもできます。 被害者が自分で手続きをすることを「被害者請求」といい、任意保険会社に任せる方法を「事前認定」といいます。 保険会社に任せておいてよいのであれば、「事前認定」の方が自分の手間が省けて便利とも思えますが、場合によっては、被害者請求で後遺障害等級認定の手続きを進めた方がよい場合もあります。

被害者請求で申請した方がよい場合

被害者請求をしたほうがよい場合がどのような場合なのか理解するために、まずは自賠責保険と任意保険の関係を理解しておきましょう。

自賠責保険と任意保険の関係

交通事故の被害は、ドライバー全員に加入する義務がある自賠責保険と、各々が任意で加入する任意保険から賠償を受けることが一般的です。 自賠責保険には賠償金の限度額があり、限度額を超える損害部分が任意保険から支払われます。 自賠責分の賠償金と任意保険分の賠償金は、本来はそれぞれの保険会社に別々に請求する必要があります。 しかし、任意保険会社が交渉の窓口になる場合、任意保険会社が自賠責保険と任意保険の賠償金を一括して被害者に支払ってくれることが一般的です(一括対応)。後遺障害等級認定も、事前認定の形で進めてくれます。 このように、保険会社が対応してくれる中で、被害者請求をしたほうがよいといえる場合は、主に2つあります。

経済的に余裕がないとき

1つは、保険会社との示談交渉に時間がかかるおそれがあり、その間被害者に経済的余裕がない場合です。 事前認定の場合、等級が認められたとしても、任意保険会社との示談が成立するまでは自賠責分の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を支払ってもらうことはできません。 一方、被害者請求で等級を認定された場合は、任意保険会社との示談が成立していなくても、等級認定された段階で自賠責保険会社から後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を支払ってもらうことができます。 たとえば、一番低い等級の14級でも75万円を支払ってもらうことができます。

望む等級が認定される可能性を高めたい

後遺障害等級認定は、本人の面談などがなく、原則として提出した書類にもとづいて審査されます(書類審査)。そのため、提出する資料をしっかりと準備することが重要になります。 事前認定の場合は、被害者が準備しなければならない手続きは、原則として後遺障害診断書を用意することだけです。それ以外の手続きは、保険会社が手続きを進めることになります。 いったん保険会社に手続きを任せた後は、原則として結果が出るまで待つしかありません。 一方、被害者請求だと、自分で提出書類を用意し、主体的に手続きを進めることができます。 医師や弁護士などと打ち合わせて、後遺障害診断書の記載や、それに添付する医師の所見や検査の結果などの資料を充実させることができます。 追加の資料などが必要と考えた場合でも、自分でコントロールして等級認定の手続きを進めることができます。

被害者請求の手続きについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

被害者請求を弁護士に依頼することもできる

交通事故紛争の経験が豊富な弁護士に被害者請求の手続きを依頼すれば、望む等級を勝ち取る可能性をさらにあげることもできます。 また、後遺障害の影響で体が思うように動かず、手続きを自分で進めるのが困難な方もいるでしょう。そうした方も、弁護士に依頼することを検討してもよいでしょう。

労災事故の場合

勤務中に交通事故の被害にあった場合などは、自動車保険に加えて、労災保険も利用することができます。そのため、自動車保険だけでなく、労災保険でも後遺障害等級認定の手続きを進めていきましょう。 労災保険と自動車保険は、補償の範囲が重複する部分があり、その部分を両方から二重取りすることはできません。 ただし、同じ補償内容の場合でも、片方の保険から受け取った保険金よりも、もう一方の保険で補償される金額の方が多い場合には、その多い部分だけをもう一方からも受け取ることができます。 労災保険の後遺障害等級認定の手続きについては、次の記事で詳しく解説しています。

等級認定の結果に納得できなかったら

被害者請求の結果、納得できない等級が認定されたり、「非該当(等級が認められない)」となったりした場合は、異議申立てをすることができます。 ただし、異議申立ての結果、自分が望む等級を認めてもらうことは容易ではなく、新たな証拠をそろえるなど、相当の労力をかけて準備しないと結果は変わりません。 そのため、被害者請求の段階でしっかりと準備して等級認定の申請をすることが重要といえるでしょう。

異議申立てについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

望む等級認定の結果を得られたら

等級認定を受けた後は、保険会社に後遺障害が残った点についての賠償を求めていくことになります。

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