【交通事故】衣類や持ち物が壊れたときに加害者に請求できる賠償金の範囲

交通事故で、スマートフォンや腕時計、衣類など、車の中にあった物や身につけていた物が壊れてしまった場合、加害者に弁償してもらうことはできるのでしょうか。

  • 壊れた物を弁償してもらえる?
  • どのくらいのお金を支払ってもらえる?

この記事では、こうしたポイントを詳しく解説します。

目次

  1. 「物」の被害の賠償は任意保険から支払われる
  2. 賠償金を算定する
    1. 原則として「時価」が限度になる
    2. 時価の算定方法
    3. 賠償金の支払いを受けるために必要な資料
  3. 具体例
    1. スマートフォン、パソコンが壊れた場合
    2. 衣類や腕時計が壊れた場合

「物」の被害の賠償は任意保険から支払われる

交通事故では、人がケガをしたり、車が壊れるだけではなく、車の中にあった物や身につけていた物が壊れてしまうことがあります。 事故で物が壊れた場合、修理代などを加害者に支払ってもらうことができます。原則として、新しい物と交換してもらうのではなく、お金で賠償してもらうことになります。 交通事故の賠償金は、保険を利用することで被害者に支払われることが一般的です。 交通事故で利用される保険は、「自賠責」と呼ばれる自動車を利用する人が必ず加入しなければならない保険と、自動車の利用者が各々任意で加入する自動車保険(任意保険)です。 「物」に生じた被害は、自賠責保険を利用することができず、任意保険から賠償を受けることになります。

賠償金を算定する

どのくらい賠償金が支払われるかについて、まずは、任意保険会社との示談交渉で話し合っていくことになります。

原則として「時価」が限度になる

保険会社から支払ってもらえる賠償金の限度は、原則として、その物の「時価」つまり、交通事故が起きた時点での価値にあたる金額までです。 物の価値は、時間の経過などによって下がっていきます。10万円で購入した物でも、使用して年月が経ち、事故時点での価値が3万円と評価されれば、その価値が賠償金の上限になります。 修理できる場合でも、修理費が時価を超える場合は、時価額までしか賠償されません。たとえば、壊れた時計の修理に20万円かかる場合でも、時価が5万円であれば、賠償金の限度は5万円ということになります。

時価の算定方法

時価の一般的な計算方法として「市場価格方式」があげられます。 市場価格方式は、事故で壊れた物と同じ種類や型、使用年数の物を、中古市場で購入するために必要な価額を時価額と考えます。 市場価格方式ではなく、税金の申告などの際に用いられる「減価償却」を利用して時価額を算定する場合もあります。 減価償却とは、簡単に言えば、時間が経過することによって減少していく「モノの価値」を算定する方法です。物を購入したときの価格と使用年数をもとに算定した金額を時価と考えます。 ただし、減価償却はあくまでも1つの目安です。鑑定人による鑑定評価や参考価格表などで壊れた物の時価を証明できれば、必ずしも減価償却で計算した時価に従う必要はありません。

賠償金の支払いを受けるために必要な資料

任意保険会社から賠償を受けるためには、「交通事故にあったことが原因で物が壊れた」という関係(因果関係)を示す必要があります。 因果関係を証明する上で、壊れた物の写真は有力な証拠になります。壊れた部分がはっきりわかる写真を撮っておきましょう。 場合によっては、壊れた物自体を提出するよう求められることもあります。壊れて使えなくなったからといってすぐ処分せず、しばらく保管しておくとよいでしょう。 また、事故が起きた後、なるべくすぐに請求することも重要です。事故から請求までの間が開いてしまうと、加害者から「交通事故以外のことが原因で壊れたのではないか」などと反論される可能性があります。

具体例

スマートフォン、パソコンが壊れた場合

スマートフォンやパソコンが壊れた場合、交通事故が起きた時点での時価を限度に賠償金が支払われます。購入金額が支払われるわけではないことに注意しましょう。 修理が不可能な場合や、修理費が時価を超える場合は、買取り金額が賠償金の限度となります。修理が可能で時価を超えない場合は、修理費が賠償されます。

衣類や腕時計が壊れた場合

交通事故が起きたときに身に着けていた衣類や腕時計などが壊れた場合も、時価を限度に賠償を受けることができます。 ブランド品や高級腕時計などは、「時価がどの程度なのか」「そもそも本物なのか」といった点をめぐって、保険会社と争いになることがあります。購入した時の領収書や修理見積書、壊れていない場合の買取査定額、鑑定書などを示して交渉するとよいでしょう。 事故当時着用していたメガネが壊れた場合も賠償を受けられます。メガネは他の物とは違い、人身事故の補償対象として、自賠責保険から賠償金が支払われる可能性があります。

衣類については、時価での賠償も認められないことがあります。

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