【交通事故の休業損害】被害者が主婦・主夫だった場合の計算方法(兼業主婦についても解説)

交通事故でケガをしたために家事ができなかった…。このような場合に、家事ができなかった期間の平均賃金を「休業損害」として賠償してもらうことができます。兼業主婦の場合には、仕事の収入と平均賃金を比べて多い方を請求できます。この記事では、主婦・主夫の休業損害の計算方法について解説します。

目次

  1. 専業主婦・主夫の休業損害
    1. 具体的な計算例
  2. 兼業主婦の休業損害
  3. 家事代行サービスなどで他人に家事や育児を依頼した場合

専業主婦・主夫の休業損害

休業損害とは、交通事故の賠償金の費目のひとつで、交通事故でケガが治るまでの間、または症状固定(これ以上治療を続けても症状が改善しないと医学的に判断されること)までの間、仕事を休むことによって減ってしまった分の収入のことをいいます。 主婦・主夫の場合には、交通事故によるケガが理由で家族のために家事ができなかったことについて、平均賃金をもとに休業損害を計算することが認められています。 専業主婦・主夫の休業損害は、平均賃金をもとに計算します。 平均賃金を調べるには、「賃金センサス」とよばれる統計を参照します。 賃金センサスとは、厚生労働省が毎年出している「賃金構造基本統計調査」のことです。性別、年齢、学歴、産業ごとの平均賃金がわかります。 専業主婦・主夫の休業損害の場合には、「女性」の「全ての年齢」の平均賃金を使います。 平成28年の賃金センサスによる平均賃金(女性・全年齢)は、次の表のとおりです。

全年齢平均 年収額(単位:万円)
女性 376.23

休業損害が認められる期間は、ケガが理由で家族のための家事ができなかった期間です。

ある程度のケガであれば、一定の範囲では家事を行えることが通常想定されており、その場合の休業損害は、平均賃金の何%という形で一定の範囲で認められることになります。

具体的な計算例

たとえば、交通事故によるケガが理由で3か月間(90日)家事ができなかった場合の計算は次のようになります。 まず、平均賃金から1日あたりの賃金を計算します。 376万2300円÷365日=約1万307円 次に、1日あたりの賃金に家事ができなかった期間を掛けます。 1万307円×90日=92万7630円 この92万7630円が休業損害となります。

兼業主婦の休業損害

兼業主婦の休業損害は、実際の収入額と、女性労働者の年齢ごとの平均賃金のどちらか高い方をもとに計算します。 平成28年の賃金センサスによる平均賃金(女性・全年齢)は、次の表のとおりです。自分の収入とどちらが高いかを確認してください。

全年齢平均 年収額(単位:万円)
女性 376.23

平均賃金の方が高い場合には、専業主婦と同じように計算します。 実際の収入の方が高い場合には、実際の収入をもとに計算します。 収入の計算について、給与所得者の場合には、こちらを参考にしてください。

事業所得者の場合には、こちらを参考にしてください。

会社役員の場合には、こちらを参考にしてください。

家事代行サービスなどで他人に家事や育児を依頼した場合

交通事故のケガを理由に家族のための家事や育児ができない場合に、家事代行サービスや保育園を利用したり、親族に家事や育児を依頼して謝礼を支払う場合があります。 このような場合、家事代行サービスや保育園の代金や、親族に支払った謝礼などが、休業損害として認められる場合があります。 ただし、主婦・主夫本人が家事や育児をできなかったことによる休業損害と二重に支払ってもらうことはできません。 家事代行サービスの代金などを請求するのは、主婦・主夫本人の休業損害より代金の方が高いなど特別な事情がある場合に限られます。

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