【交通事故】ペットのケガ・死亡に対して請求できる賠償金の内訳と請求方法

家族同然に可愛がっていたペットが交通事故にあい、ケガをしたり、死んでしまったりした場合、ケガの治療費や入院料、飼い主の精神的ダメージに対する慰謝料などを、加害者に支払ってもらうことができるのでしょうか。

  • 請求できる賠償金の内訳と上限は?
  • ペットが血統書付きなら賠償金も高額になる?
  • 飼い主の精神的ダメージに対する慰謝料は認められる?

これらのポイントについて、裁判例をもとに詳しく解説します。

目次

  1. ペットのケガ・死亡に対する賠償金を請求するには
    1. 加害者に請求するために用意するべき証拠
    2. ペットが血統書付きの場合
  2. 飼い主の精神的苦痛に対する慰謝料
    1. 慰謝料が認められたケース

ペットのケガ・死亡に対する賠償金を請求するには

ペットが交通事故の被害にあった場合、ケガの治療費や入院費が必要になる可能性があります。死亡してしまった場合は、葬儀費用もかかるでしょう。 ペットが事故にあったことで発生したこのような損害は、加害者に請求することができます。

加害者に請求するために用意するべき証拠

加害者に請求できる費用の内訳としては、治療費、入院費、葬儀費用などが支払ってもらえる可能性があります そのためには、「交通事故にあったことが原因でペットがケガをした・死亡した」という関係(因果関係)を示す必要があります。 因果関係を証明するために重要なことは、事故後すぐに獣医に診断してもらうことです。事故から数日経った後に診断を受けると、加害者から「交通事故以外のことが原因でケガをしたのではないか」などと反論される可能性があります。

ペットが血統書付きの場合

裁判例では、血統書付きのペットは、血統書付きではないペットよりも経済的価値が高いとして、より高額な賠償金が認められる傾向があります。 生後1歳6月のパピヨンが死亡したケースでは、パピヨンが「血統書付きのセラピー犬であったこと」「一般にペットタイプが15万円以上、ショータイプが35万円以上すること」「平均寿命が16年長である」ことなどを理由に、財産的損害として15万円、火葬関係費用として2万円の賠償が認められました(大阪地裁平成18年3月22日判決)。

飼い主の精神的苦痛に対する慰謝料

家族同然のペットがケガをしたり、死んでしまったりした場合、飼い主は精神的ダメージを受けるでしょう。しかし、原則として、飼い主に対する慰謝料は認められません。 交通事故被害の賠償としての慰謝料は、人がケガや死亡した事故(人身事故)のみ認められます。 飼い主としてはペットを家族同然の存在と考えていても、残念ながら法律では「物」として扱われます。ペットの交通事故は、物損事故(人がケガをせず、物だけに損害が生じた事故)として扱われます。 そのため、慰謝料を請求することは原則として認められません。

慰謝料が認められたケース

しかし、最近の裁判例の中には、例外的に、飼い主への慰謝料が認められたケースがあります ラブラドールレトリバー(8歳オス・購入価格6万5000円)が交通事故でケガをし、麻痺や排尿障害などが残ったケースでは、治療費や入院料、車椅子製作料の合計13万6500円と、飼い主に対する合計40万円の慰謝料が認められました(名古屋高裁平成20年9月30日判決)。 判決では、飼い主への慰謝料を認めた理由として、家族同然のペットが交通事故で重い障害を負ったことで、「死亡した場合に近い精神的苦痛」を飼い主が受けたときには、「財産的損害の賠償によっては慰謝されることのできない精神的苦痛があるものと見るべき」としています。 また、交通事故によってペットの犬が死亡したケースでも、葬儀費用2万7000円のほか、長期間にわたって家族同然に飼ってきたことを理由に、飼い主に対する慰謝料5万円が認められました(東京高裁平成16年2月26日判決)。 このように、ペットが家族同然の存在で、交通事故でケガや障害を負ったり、死んでしまったりしたことで飼い主が強い精神的苦痛を受けたと考えられる場合は、飼い主への慰謝料が認められる場合があります。

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