後遺障害

弁護士監修記事 2018年02月15日

被害者請求で後遺障害の等級を認めてもらうためのポイントと手続きの流れ

被害者請求は、交通事故の被害者自身が、自賠責保険の請求を行うことです。後遺障害の等級を認定してほしい場合は、等級認定の申請手続きも進めていくことになります。

  • 被害者請求の手続きの流れ
  • 申請に必要な書類
  • 等級認定の結果に納得できない場合の対処法

この記事では、こうしたポイントについて詳しく解説します。被害者請求を進めようと考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 手続きのアウトライン
    1. ステップ1:医師に後遺障害診断書を作成してもらう
    2. ステップ2:必要書類の提出
    3. ステップ3:損害保険料算出機構(自賠責損害調査事務所)による調査
    4. ステップ4:調査結果の報告
    5. ステップ5:保険会社による支払額の決定と支払い
  2. 後遺障害診断書以外で必要となる書類
    1. 損害賠償額支払請求書
    2. 交通事故証明書
    3. 事故発生状況報告書
    4. 医師の診断書
    5. 診療報酬明細書
    6. 通院交通費明細書
    7. 付添看護費自認書、看護料領収書
    8. 休業損害証明書、納税証明書など
    9. 印鑑証明書
    10. レントゲン写真など
  3. 等級認定の結果に納得できなかった場合の対処法
  4. 被害者請求を弁護士に依頼することのメリット

手続きのアウトライン

後遺障害等級認定の手続きは、加害者が任意保険に加入する場合、保険会社が進めてくれることが通常です(「事前認定」といいます)。一方、この手続きを被害者自身が行うことを「被害者請求」といいます。 まず、被害者請求の大まかな流れを紹介します。 ステップ1:医師に後遺障害診断書を作成してもらう ステップ2:加害者の自賠責保険会社に必要書類を提出する ステップ3:損害保険料算出機構による審査 ステップ4:調査結果が自賠責保険会社に通知される ステップ5:自賠責保険会社が支払い額を決定/支払い

ステップ1:医師に後遺障害診断書を作成してもらう

「後遺障害診断書」は等級認定を申請するために必要な書類の1つです。後遺障害の等級を認めてもらう上で、最も重要な書類となります。 主に、治療にあたった主治医に作成してもらうことになります。おおむね、次のような内容が記載されます。

  • 傷病名
  • 自覚症状
  • 病状の経過
  • 検査結果
  • 治療の内容
  • 手術の内容
  • 今後の見通し

後遺障害等級認定は、醜状(しゅうじょう)など一部の後遺症を除いて、原則として提出した書類のみで審査されます。 そのため、実際の症状を正しく医師に伝えられていなかったり、伝えられていてもその記載が漏れていたりすると、本来なら等級が認定されるはずなのに、「非該当」という結果が出てしまうこともあります。 たとえば、局部の神経症状に関する後遺障害等級認定の場合、「症状が常にあるのか」、それとも「夜だけなど限定的なのか」といった点によっても、後遺障害等級認定の結果は変わってきます。

後遺障害診断書を作成する上での注意点は、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

ステップ2:必要書類の提出

必要書類は、加害者が加入する自賠責保険会社に提出します。自賠責保険会社は、提出された書類に不備がないことを確認した後、審査機関である「損害保険料率算出機構」の調査事務所(自賠責損害調査事務所)に書類を送付します。

ステップ3:損害保険料算出機構(自賠責損害調査事務所)による調査

自賠責損害調査事務所は、等級を認めるべきか否か、認めるとすればどの等級にあたるのかという点を、公正・中立な立場で調査します。 後遺障害の程度によって異なりますが、1か月から2か月程度の時間がかかることが一般的です。 後遺障害等級の点だけでなく、事故の発生状況や損害の額がいくらになるかいった点も調査します。

ステップ4:調査結果の報告

調査が終わると、自賠責損害調査事務所は、自賠責保険会社に調査結果を報告します。

ステップ5:保険会社による支払額の決定と支払い

自賠責保険会社は、自賠責損害調査事務所の報告を受けて支払額を決定し、被害者に保険金を支払います。

後遺障害診断書以外で必要となる書類

後遺障害診断書以外で、必要となるのは次の書類です。

損害賠償額支払請求書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

交通事故証明書

自動車安全運転センターで入手することができます。申込みはインターネットで申請することができます。また、ゆうちょ銀行・郵便局で手数料を支払って申し込み、後日郵送してもらう方法もあります。もちろん、自動車安全運転センター事務所の窓口で申し込むこともできます。交付手数料は1通につき540円です。

事故発生状況報告書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

医師の診断書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

診療報酬明細書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

通院交通費明細書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

付添看護費自認書、看護料領収書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

休業損害証明書、納税証明書など

休業損害を証明するために必要な書類です。給与所得者の場合は、会社に休業損害証明書を発行してもらいます。源泉徴収書を添付します。 自由業者、自営業者、農林漁業者の場合は、納税証明書、課税証明書(取得額の記載されたもの)、確定申告書などを用意します。

印鑑証明書

お金を受け取る人が請求者本人であることを証明するために必要です。印鑑登録をしている市区役所や町村役場で発行してもらうことができます。

被害者が未成年で、親権者が被害者請求をする場合は、印鑑証明書の他にも、その未成年者の住民票か戸籍抄本が必要になります。

レントゲン写真など

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

等級認定の結果に納得できなかった場合の対処法

被害者請求の結果、納得できない等級が認定されたり、「非該当(等級が認められない)」となったりした場合は、異議申立てをすることができます。 ただし、異議申立ての結果、自分が望む等級を認めてもらうことは容易ではなく、新たな証拠をそろえるなど、相当の労力をかけて準備しないと結果は変わりません。

異議申立てについては、この記事の下の「関連記事」で詳しく説明しています。

そのため、被害者請求の段階でしっかりと準備して等級認定の申請をすることが重要といえるでしょう。

被害者請求を弁護士に依頼することのメリット

被害者請求は、手続きをするだけであれば、被害者自身でも行うことは可能です。 しかし、納得のいく等級を勝ち取りたいと考えた場合は、弁護士に依頼することをお勧めします。 交通事故紛争を専門としている弁護士であれば、被害者の症状と検査結果などを見て、およその等級については予測をつけることが可能です。 また、等級が上がるポイントとなる後遺障害診断書の記載要素についても熟知しているため、それらのポイントを押さえた適切な書類を作成することができるのです。 弁護士によっては、病院まで同行してくれるケースもあるので、まずは一度相談してみることをお勧めします。

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