交通事故慰謝料・損害賠償

弁護士監修記事 2018年01月25日

交通事故で加害者が無保険だった場合に被害者や遺族が賠償金を得る方法

交通事故でケガや死亡したけれど、加害者が任意保険に入っておらず自賠責保険のみ入っている、あるいは自賠責保険にすら入っていない…。このような場合でも、被害者や遺族が賠償金を得られる方法があります。

  • 人身傷害保険や無保険車傷害保険から保険金を受け取る方法
  • 被害者が自賠責保険に保険金を請求する方法とは
  • 政府が加害者の代わりに賠償金を支払う仕組み

この記事では、こうしたポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 加害者が保険に入っていない場合の対処法
  2. 人身傷害保険・無保険車傷害保険に被害者が入っていれば保険金を支払ってもらえる
    1. 人身傷害保険
    2. 無保険車傷害保険
    3. 人身傷害保険や無保険車傷害保険を利用するメリット
  3. 加害者が自賠責保険のみ入っている場合(被害者請求)
    1. 被害者請求をする方法
  4. 加害者が任意保険にも自賠責保険にも入っていない場合(政府保障事業)

加害者が保険に入っていない場合の対処法

alt 車を運転する人は、通常、交通事故に備えて自賠責保険と任意保険に入っています。交通事故にあった場合には、加害者が加入する自賠責保険と任意保険から保険金をもらえるのが一般的です。 自賠責保険の限度額ではカバーできない損害について、任意保険から支払われるという形になっています。 また、加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社の示談代行制度によって、保険会社の担当者が示談交渉を代行してくれるため、被害者側が加害者本人と示談交渉することは原則としてありません。 しかし、加害者がこれらの保険に入っていない場合(無保険)もあります。 加害者が保険に入っていない場合には、大きく2つの場合があります。

  • 加害者が任意保険に入っておらず、自賠責保険のみ入っている場合
  • 加害者が任意保険にも自賠責保険にも入っていない場合

この場合、加害者と直接話し合って、賠償金の支払いを受けることになりますが、加害者に支払い能力がない場合、十分な賠償金を得られない場合があります。 そのような場合でも、遺族が賠償金を得ることができる方法があります。 まず、被害者やその家族が「人身傷害保険」「無保険車傷害保険」に加入している場合、これらの保険を利用して保険金を受け取ることができます。 次に、加害者が自賠責保険のみ入っている場合には、被害者が自賠責保険に請求をして、自賠責保険から直接保険金を受け取るという方法があります。この方法を「被害者請求」といいます。 加害者が自賠責保険にすら入っていない場合には、政府に対して賠償金を請求し、最低限の保障を受けることができます。このような仕組みを「政府保障事業」といいます。 alt

人身傷害保険・無保険車傷害保険に被害者が入っていれば保険金を支払ってもらえる

alt

人身傷害保険

人身傷害保険は、交通事故で自分がケガや死亡した場合に、自分が受けた損害分の保険金を支払ってもらえる保険です。加害者が無保険の場合も利用できます。 自分に過失がある場合にも、過失の分を減額されることなく支払いを受けられるので、過失の分を補うために使われることが多いです。 自分が加入していない場合でも、家族が加入していれば利用できることがあります。家族が加入しているか確認しましょう。

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険は、交通事故の加害者が無保険の場合などに保険金を支払ってもらえる保険です。 自分が加入していない場合でも、家族が加入していれば利用できることがあります。家族が加入しているかも確認しましょう。 ただし、無保険車傷害保険を利用できるのは、人身傷害保険と異なり、後遺障害がある場合と死亡した場合に限られます。ケガをしたけれど完治した場合や、後遺障害の等級認定が受けられなかった場合には利用できません。 また、自分に過失がある場合には、人身傷害保険と異なり、その分の保険金を減額されます。

人身傷害保険や無保険車傷害保険を利用するメリット

人身傷害保険や無保険車傷害保険を利用すれば、保険会社の担当者が手続きを主導してくれるので、自分で「被害者請求」をしたり「政府保障事業」に請求したりするよりも、迅速に保険金を受け取ることができる可能性があります。 人身傷害保険や無保険車傷害保険は、自賠責や政府保障事業と同様に限度額が設定されている場合も多いですが、限度額がなく無制限の保障であることもあります。 人身傷害保険や無保険車傷害保険を使っても等級は下がらないので、保険料が上がる心配はありません。人身傷害保険や無保険車傷害保険に加入している場合には、ぜひ利用しましょう。

加害者が自賠責保険のみ入っている場合(被害者請求)

alt 加害者が自賠責保険のみ入っている場合、自賠責保険から保険金を受け取ることができます。 ただし、任意保険の場合のように、保険会社の担当者が交渉を進めてくれる訳ではありません。 自賠責保険から保険金を受け取る方法は2つあります。 一つは、加害者が自賠責保険会社に保険金を請求して、保険金を被害者に渡す方法です。「加害者請求」といいます。 もう一つは、被害者が自賠責保険会社に保険金を請求して、保険金を自賠責保険会社から直接受け取る方法です。「被害者請求」といいます。 加害者請求をしてもらうことが難しい場合には、被害者請求をすることになります。 自賠責保険には、次の表のように支払限度額があり、損害額のすべてを補うには足りないことが少なくありません。 alt

自賠責保険の限度額ではまかなえなかった損害分について、人身傷害保険や無保険車傷害保険から支払われることになります。

被害者請求をする方法

被害者請求をするには、加害者が加入している自賠責保険の損害保険会社に必要書類を送ります。 加害者が加入している自賠責保険の損害保険会社は、加害者に問い合わせるほか、事故証明書を取り寄せることでも知ることができます。 被害者請求をするために必要な書類は以下のとおりです。 alt それぞれについて、簡単に紹介しておきます。

損害賠償額支払請求書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

交通事故証明書

自動車安全運転センターで入手することができます。申込方法は、センター事務所窓口での申込みのほか、ゆうちょ銀行・郵便局での払込みや、インターネット申込みもあります。交付手数料は1通につき540円です。

事故発生状況報告書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

医師の診断書、死亡診断書、死体検案書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

診療報酬明細書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

通院交通費明細書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

付添看護費自認書、看護料領収書

書式は、加害者が加入している自賠責保険会社で入手することができます。必要事項を自分で記入して提出します。

休業損害証明書、納税証明書など

休業損害を証明するために必要な書類です。給与所得者の場合は、会社に休業損害証明書を発行してもらいます。源泉徴収書を添付します。 自由業者、自営業者、農林漁業者の場合には、納税証明書、課税証明書(取得額の記載されたもの)、確定申告書などを用意します。

印鑑証明書

保険金を受け取る人が請求者本人であることを証明するために必要です。印鑑登録をしている市区役所や町村役場で発行してもらうことができます。

戸籍謄本

本籍のある市区役所や町村役場から取り寄せることができます。本籍地が遠い場合には、役所に電話をして戸籍謄本を取り寄せたい旨を伝えると、郵送での取寄せ方法を教えてもらえます。郵送での取寄せ方法をホームページで公開している市区町村もあります。

委任状

被害者請求をする権利をもつ人が複数いる場合(死亡事故で相続人が複数いる場合など)には、1人を代表者と決めて手続きを進める必要があります。 そのため、代表者以外の全員の委任状・印鑑証明書が必要になります。 委任状は、自分で作成することができますが、自賠責保険会社のホームページなどで書式が用意されていることが一般的です。委任状に書く項目は、次のようなものです。

  • 「委任状」というタイトル
  • 作成年月日
  • 請求権者の氏名と住所
  • 被害者請求の手続きを代表者に委任する旨の文章。例えば、「私は◯◯(代表者の氏名)に次の事項を委任します。平成◯年◯月◯日に発生した交通事故で被害者◯◯(被害者の名前)が受けた損害に関し、被害者請求の手続きをするための一切の事項」というような文章です。

委任者の印鑑証明書は、印鑑登録をしている市区役所や町村役場で発行してもらうことができます。

後遺障害診断書

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

レントゲン写真など

治療を受けた病院で発行してもらうことができます。

加害者が任意保険にも自賠責保険にも入っていない場合(政府保障事業)

alt 加害者が任意保険にも自賠責保険にも入っていない場合、任意保険からも自賠責保険からも保障を受けることができません。そのような場合に、政府が加害者の代わりに賠償金を支払ってくれる制度があります。「政府保障事業」といいます。 人身傷害保険・無保険車傷害保険と、政府保障事業のどちらを先に請求するか、特に順序は決まっていません。 ただし、どちらかの請求ですべての損害について補償を受けた場合には、他方から重複して支払いを受けることはできません。 一般的に、政府保障事業は請求から支払いまでに時間がかかるので、人身傷害保険・無保険車傷害保険を先に請求した方が保険金を早く受け取れる場合が多いでしょう。

人身傷害保険・無保険車傷害保険と政府保障事業、どちらを先に請求するかによって、保険金の金額が変わることがあります。どちらを先にした方がよいかは事故の内容や保険の契約内容など個別のケースによって変わってきます。個人で判断することが難しいケースがあるので、気になる方は弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

政府保障事業の支払いには次の表のように限度額があります。 alt 政府保障事業への請求は、全国の損害保険会社、農協、共済などが窓口となっています。最寄りの損害保険会社、農協、共済などに問い合わせをしましょう。 請求をするには、一般的には次の書類が必要となります。ただし、これ以外の書類が必要になる場合もあるので、損害保険会社の窓口に問い合わせをしましょう。 alt

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