後遺障害

弁護士監修記事 2018年01月19日

事故で鎖骨を骨折…変形や痛みが残ったら後遺障害等級認定を受けられる?

交通事故で鎖骨を骨折すると、骨折自体は完治しても、骨が変形したり、症状固定(これ以上治療を続けてもよくならない状態)後も痛みなどが残ったりすることがあります。このような場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性があるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 事故で鎖骨が変形…後遺障害等級認定を受けられる?
  2. 等級認定の結果が「非該当」だったら?
  3. まとめ

事故で鎖骨が変形…後遺障害等級認定を受けられる?

alt 交通事故で鎖骨を骨折し、事故前と比べて形が変わってしまったり、痛みなどの症状が残ったりした場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性はあるのでしょうか。

交通事故(鎖骨骨折)の慰謝料の額を知りたいです


相談者の疑問
通勤中に事故(100対0で相手の車が悪い)にあい、左鎖骨を骨折しました。年末ごろに抜釘手術をし、現在もまだ痛みがあるので治療中ですが、そろそろ症状固定をする予定です。

1.参考に聞いておきたいのですが、上記の事故で治療期間は10か月(実治療日数は整形と整骨院で120日)で入院2回、合計日数は20日の場合、慰謝料はいくらぐらいになりますでしょうか?

2.当方男性ですが、仕事柄、プールなどで術部を利用者や同業者に見られる機会が多いです。術後に主治医に術部のあたりがこんもりしていると言われ、確かに少し浮いているように見えました。

また、仕事は復帰していますが、術部を触られると痛みがあり、疼痛もあります。可動域に問題はありませんが、筋力はやや落ちています。このような状況ですが、後遺障害等級認定は受けられますでしょうか?


久保田 匡彦弁護士
1 交通事故に精通した弁護士が、弁護士基準(裁判所基準)で交渉すれば、一般の方が自賠責基準や任意保険基準で交渉するよりもはるかに高い金額となるでしょう。
なお、具体的金額については、入院2回=入院・通院・入院・通院という治療を経ている場合、複雑な計算をしないと慰謝料額を算定できません。ここに書いてある情報だけでは算定不可です。入院1回で入院日数が20日の場合とは計算要領が異なるのです。
また、この症状で整骨院へ通ったという点も気になるところで、このことがマイナス材料となるかもしれません。

2 体幹骨の変形障害あるいは神経症状による後遺障害等級認定の可能性があります。

しかし、診断書やカルテを見ないと確たることは言えませんし、相手損保任せの事前認定で後遺障害等級認定の申請するのか、交通事故に精通した弁護士が被害者請求で後遺障害等級認定の申請するのか、いずれの方法をとるのかによって認定可能性が違ってくることが多いです(当然、弁護士が被害者請求した方が可能性は高まるでしょう)。

骨折による鎖骨の変形や、症状固定後にも残った症状について、後遺障害等級認定を受けられる可能性があるようです。

等級認定の結果が「非該当」だったら?

alt 交通事故で鎖骨を骨折し、症状固定後も残った症状について後遺障害等級認定の申請をしたけれど、結果が「非該当」となった場合、異議申立てによって結果が好転する可能性はあるのでしょうか。

後遺症認定非該当についての質問


相談者の疑問
先日、後遺症障害等級認定の申請を行ったのですが、非該当という通知が来ました。
交通事故で鎖骨遠位端骨折という状況になったのですが、医師と症状固定の相談後に後遺障害等級認定のため、可動域制限検査を行いました。

診断書の記載内容としては、主要運動に概する屈曲運動が、他動で80°外転運動が60°という内容。また、左上腕屈側から左鎖骨部に知覚過敏あり。症状が残存する可能性は高い。と記載されております。

非該当理由としては、骨の結合状態が良好。神経症状に関する客観的理由に乏しいと記載されておりました。
後遺障害等級10級に該当すると考えておりましたので、質問させて下さい。

質問内容としては、
①非該当の結果は妥当か。
②異議申立てを行った場合、10級に認定される可能性は?認定される場合、そのパーセントは?
③異議申立てを行う際、認定されるために有効な方法は?


久保田 匡彦弁護士
「骨の結合状態が良好」というのが事実だとすれば、鎖骨の変形での等級認定はまず無理でしょう。
また、「骨の結合状態が良好」な場合、いわゆる「器質的損傷」がないことが多いので、可動域制限での等級認定も難しいという印象です。例外的に、骨は良好でも、周囲の関節組織に損傷があるといったケースであれば「器質的損傷」として認められる可能性は残るといったところでしょうか。

神経症状については、いわゆる首や腰のムチウチのケースでは、画像所見などの客観的な証拠がなくても14級が認定されることはあります。ただ、神経が集まっている首や腰の場合と、それ以外の部位では話が変わってきます。明確な所見とは言わないまでも、MRIに何か炎症らしきものが写っているとか、せめてそれくらいはほしいところです。

異議申立てをされるのであれば、新医証がないとほぼ門前払いの扱いです。やるのであれば、MRI撮影などの追加検査をし、検査結果についての所見を診断書などに書いてもらってからということになるでしょう(ただ、MRIなどは既に撮っているのでしょうから、主治医にMRI上で何か写っていないのかを確認して、一筆書いてもらえば足りるかもしれません)。

なお、必ずしも異議申立てが通るという話ではありませんので(統計的には、異議申立てが通らない可能性は相当程度あるという印象です)、失敗すれば検査費用や診断書代が自腹になってしまうということも覚悟しておく必要があります。

異議申立てをする際には、MRIなどの追加検査をし、その結果について医師に診断書を書いてもらう必要がありそうです。 ただし、それらを行なったからといって、必ずしも異議申立てが通って、後遺障害等級認定を受けられるわけではないようです。

まとめ

交通事故で鎖骨を骨折し、骨折が治っても、骨の変形や何らかの症状が残っている場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性があるようです。 申請結果が「非該当」だった場合は異議申立てを行うことができますが、その際には、MRIなどの追加検査や、検査結果に関する医師の診断書が必要になるでしょう。 異議申立てをしたからといって、必ずしも非該当の結果を覆せるわけではありません。結果が変わらず、検査費用や診断書代が無駄になってしまうことも覚悟した上で、異議申立てをするべきかどうか、慎重に判断することをおすすめします。

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