死亡事故

弁護士監修記事 2017年12月28日

交通死亡事故の賠償金額に不満があるとき弁護士に依頼すると増額するのか

交通事故で大切な家族を失った場合、遺族としては、加害者側から提示された賠償金の額が適切なのかどうか、判断に困ることがあるかもしれません。死亡事故の賠償金としては、どのくらいの金額が適切なのでしょうか。「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 高齢者の死亡慰謝料が2000万円…金額は妥当?
  2. どのくらい増額するのか?
  3. まとめ

高齢者の死亡慰謝料が2000万円…金額は妥当?

alt 70歳の男性が死亡した事故で、保険会社から賠償金として2000万円を提示されたというケースを見ていきましょう。この提示金額は適切なのでしょうか。

損害賠償。妥当な金額でしょうか?


相談者の疑問
死亡交通事故被害者70歳男性(過失0%)の親族の友人です。保険会社から本人・家族死亡保険金は自賠と同額、遺失利益を含めて2000万円ほどを提示されているとのことです。妥当な金額でしょうか?


清水 卓弁護士
妥当な金額ではありません。自賠責基準は最低額の基準です。

ご事案の内容やご遺族の方々の家族構成などにもよりますが、裁判基準であれば、慰謝料だけでも、2000万円を超えるものと思われます。

ご友人に弁護士に相談するようアドバイスしてあげて下さい。

裁判をする場合には、事故日から年5分の遅延損害金、認容額の10%程度の弁護士費用も別途賠償を受けられる可能性がございます。裁判をするか否かの検討の際には、これらの事情もご考慮いただくべきかと存じます。

なお、弁護士費用については、お亡くなりになられた方ないしそのご遺族の方が加入されていた自動車の任意保険などに弁護士費用特約が付いていてかつ本件事故にその特約の適用があれば、上限額(多くの場合300万円程度)まではその特約から弁護士費用が賄われますので、この点もご友人に伝えてあげて下さい。

ご友人のお手元に相手方保険会社からの提示内容が記載された提案書が送られてきているものと思われますので、その提案書をもって弁護士に相談されてみれば、裁判をした場合のおおよその見込み額の説明を受けることができるかと存じます。

保険金の算定には、いくつかの基準があり、任意保険会社から提示される金額は、額が低い基準(自賠責基準)で示されることもあるようです。 弁護士に依頼して裁判で判断してもらえば、高額な基準(裁判基準)での賠償が受けられる可能性があるようです。 弁護士費用特約を利用できる場合であれば、弁護士費用をまかなうことができるようです。

どのくらい増額するのか?

alt では、弁護士に依頼することでどの程度増額する可能性があるのでしょうか。

自賠責と任意保険について


相談者の疑問
父が、交通事故で亡くなりました。享年80才でした。相手方の保険会社が訪れ、損害賠償の算定に必要な書類を準備してくださいと言われたので準備しています。

自賠責について調べたのですが、本人が350万円で、3人以上の家族には750万円となっていて、1100万円になります。

金額ではないのでしょうが、喪失感や後悔の念に比べ低い気がします。もし変更できないとしたら、本人と家族の慰謝料の上乗せを任意保険に負担してもらえるのでしょうか。

自賠責の上限が3000万円となっているので、自賠責の範囲内の額ならば、任意保険は関係ないのでしょうか。


好川 久治弁護士
自賠責保険は、被害者の過失7割未満のケースを画一的かつ迅速に処理するために最低限の基準となっています。

高齢者であっても、弁護士が介入し、示談、調停、裁判になれば死亡慰謝料が2000万円を下ることはありません。家族がいれば、配偶者、子に対し、別途固有の慰謝料が認められることもあります。

逸失利益が上乗せされるかどうかは、80才ですとケースによります。葬祭関係の費用も150万円程度を限度に加算されます


清水 卓弁護士
自賠責保険の金額は、被害者保護の観点から最低限度賠償されるべき金額として認められているものに過ぎず、これが賠償の上限という訳ではありません。

相手方に任意保険会社がついている場合、被害者の方側の過失割合が高くなることが予想されるような場合などを除き、この自賠責保険の金額を超えた賠償を任意保険会社に求めていくことになります。

ただし、任意保険会社は、任意保険基準といういわば社内基準により算定した賠償額を提示してくることが傾向がございます。任意保険基準に基づき提示された金額は、適正な賠償基準である裁判基準により算定した金額よりも低額なことがほとんどです。

「金額ではないのでしょうが、喪失感や後悔の念に比べ低い気がします」とのご指摘はごもっともであり、亡くなられたお父様やご家族の皆様のお気持ちを踏まえますと、弁護士に正式に依頼なされるなどして、裁判基準に基づく適正な賠償を目指されるべき事案だと思料いたします。

事案により賠償額は異なってきますが、お父様のご年齢が80歳であったということが賠償上ことさら不利に扱われるべきではありません。

ご参考までに、私が近時取り扱った事例の中に、①90代女性の死亡事故で、保険会社初回提示金額が1500万円でしたが、弁護士としての代理活動の結果、2500万円まで増額が認められたケース、②70代男性の死亡事故、保険会社初回提示金額が3000万円でしたが、弁護士としての代理活動の結果、5000万円まで増額が認められたケースなどがございます。

突然の事故で大変な思いをされていることと存じます。賠償問題につきわからないことも多いかと存じますので、そんなときは、弁護士への正式な相談・依頼を検討してみてください。

お父様が亡くなられた事案であることに鑑み、ご相談なされた弁護士は、きっと皆様のお気持ちを踏まえた解決に努力をしてくれることと思います。

被害者が高齢者でも、弁護士が介入し、裁判基準で算出した金額を元に交渉すれば、死亡慰謝料として支払われる額が2000万円を下回ることは考えにくいようです。

まとめ

死亡慰謝料や逸失利益について、保険会社は、賠償額の計算方法について、低い基準(自賠責基準)によって計算した額を示してくることがあるようです。 弁護士が介入し、裁判基準で算出した金額を元に交渉することで、保険会社が提示してきた金額よりも高額な賠償金を得ることができる可能性があるでしょう。

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